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2017/04/27

実検するおじさん

【レビュー】K3 Proはやや厚めの低音とボーカル域の上手さが楽しめる[MaGaosi HLSX]

この価格帯で高評価を得ているMaGaosi K3 Proのレビューです。私としては、中華系イヤホンの実力調査という側面もあります。結果を先に言ってしまうと『その実力は確かであり、注目されるのも分かる』ということでした。


 つくづく良くできていると思います。レビューを書くために何度も同じ曲を繰り返し聞いたりする際に、もう一度聴いてみよう、まだ聴いていたい、とも思いますし、使うたびに『この表現が良いな』という発見があったりします。


 スペックや附属品について説明しだすと非常に長くなるので、その辺はあっさり、音に関するレビューをたっぷりいきます。



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〇無理矢理一言雑感


 低音から中低音の豊かさがあり、ボーカル域の生々しさがあって良い。


※2017年10月追記
 Magaosi K3 PROと思われるイヤホンが正規輸入になることが決まり、注目度が高まると考えて追記します。2017年初頭においてなかなか有力とされ、現在でも十分に良い物ですが、その後に登場した同価格帯の商品がことごとく良い商品で、この価格帯が激戦区となっています。そのなかで、優位性を保っているかと言うと難しい所です。ですので、評価としては、全体的に控えめに読み直したほうが良いかもしれません。要望があったり、正規輸入品が大ヒットして注目度が高まったりしたら、全体的に見直すかもしれません。


〇MaGaosi K3 Proとは?


 中国系メーカーのMaGaosiによりK3 Proとしては2017年2月頃に発売されました。この前にK3として販売されていましたが、アップデート版となります。
 スペック的なことも少し書いておきましょう。このK3 Proは、1つのダイナミックドライバと2つのバランスドアーマチュアドライバというハイブリッド構成です。DDはグラフェンという最先端素材を使用しています。


〇買ったきっかけ


 購入を決めた理由としては、それなりにレベルの高いイヤホンが欲しい(単純な購買意欲とレビューの評価基準の底上げのため)のと、レベルが上がっていると評判(だいぶ前からだけど)の中華系メーカの実力を試したかったことです。
 ではどれにするか?と考えた時に、中華系メーカのイヤホンのレビューを行っているブログにて、K3が軒並み高評価を得ていることを知りました。(※参考:プラチナガジェットHead Banktooth pick)タイミング的にAliExpressのセール時期も近づいており、購入を決めました。またMaGaosiはHLSX BK50のように、他にも評価の高いイヤホンをリリースしている点が魅力的でした。


〇MaGaosi K3 Pro外観



 パッケージがなかなかしっかりしています。MAGAOSI K3と書いてある部分の下にケースとケーブル類(2本)、イヤーピースが入っています。あとは説明書ですね。

K3からK3 Proとなって、ノズル先端のメッシュ部分(フィルタ)が交換できるようになりました。これにより、主に高音のキツさを調整できるようになりました。

組み立てるとこんな感じ。


〇MaGaosi K3 Proレビュー



今回取り上げるのはこちら。価格などはリンク先からどうぞ。
WTSUN AudioはAliexpressで実績のあるWooeasyEarphonesのAmazon支店です。

CollectionAudioという輸入代理店も同じものを販売しています。こちらも他のブログにて紹介されている実績のあるお店です。価格も同じぐらいです。

■フィルタの選択について

 黒(メッシュのみ)を使用しています。理由は、このイヤホンの良さだと感じているボーカル域の生っぽさが銀(不織布あり)では失われるように感じたからです。銀ですと高音域にかけて全体のゲインが下がって、相対的に低音を強く感じるようになります。


■全体の印象

 ドンシャリ。低音が豊かであることと、女性ボーカルの少し高い音程で明瞭さが増してキレが出るため。高音域は明瞭で鋭さもある。重低音まで出ているが量は控えめ。低音はそれなりに締まりがある。
 全域を通してクリアで入力に対して正確に応答する印象。表現としてはボーカル域の表現が上手い。細かな表現にも追従するのを感じる。中音以下は耳当たりが優しい。欠点が少なく音域のバランスが良いことから、多くの人に受け入れられやすいだろう。音量は取りやすい。 


■各音域の印象

 低音から重低音まで出ているが重低音は少し控えめ。締まりはそれなり。ツーバスでドコドコやるような曲でも追従している感じはする。他の音域よりやや多めだが、他を邪魔するほどではない。スネアやタムは明瞭で、アタックはクリアな部類だが、高音域に比べるとやや柔らかい。

 ボーカルは明瞭でクリア。他の音域がさらにクリアで、特にシンバルが近めなため、シンバルが派手なタイミングでボーカルは若干目立ちにくくなることはあるが、それ以外は明瞭で前面に出る。表現としてはボーカル域の上手さが好印象。リップ&ブレスノイズが生々しい。
 女性ボーカルの高い所にピークがあるようで、音程や歌い方(ボーカルの個人差)によって、ややきつく感じることもあるが、ひどくはない。この音程に入らなければサ行の刺さりは少ない。

 ギターは全域にわたってディストーションのエッジ感が出ており音抜けも良い。乾いた明るい音を鳴らす。イヤホン起因の力強さやダークな感じは控えめ。クラシック&フラメンコギター等についても、やや明るく乾いた方向性となる。また、ギター内の響き、ホールの反響、巻き弦のスクラッチ音なども表現する。クリアと評価してよいが、少しだけ柔らかさもある。バイオリンのような弦楽器も近しい表現。
 サックスにしろトランペットにしろ、鮮やかで、どちらかといえばあっさりとした表現だが、元の音源が持つ響きや温かさも残す。

 シンバルのような金属音は繊細で音抜けが良い。やや細く硬めの芯のある音を鳴らし少し近い。細かな音も鳴らす。かなり鮮明だが特別強いわけではない。以上のような特徴ながら、痛さが少ない。これぐらいの強さならもう少し痛くてももおかしくないのだが、高音域の質の高さがうかがえる。

 大雑把な聴こえ方はミックスがボーカルが大きいのが前提で
ボーカル>シンバル≒バスドラ&ベース>ギター&ピアノ
大小関係を強く意識するほどの差は無い。


■その他聴こえ方

 実質的な許容入力が高く、音量を大きくしていっても破綻感が少ない。音量を大きくしていくと中高音、特にエレキギターの音抜けに効いてきそうな音域が煌びやかになり、全体的に派手さが増す。ボーカルの音抜けも良くなり、さらに鮮明になる。
 また、バスドラがドコドコ鳴るところでも、飽和して他の音域に影響を与えるようなことが少ない。(実用範囲内で)

 ソースの粗は高音域の粗が出るが、悪目立ちするほどではない。音量も稼ぎやすくポータブル機やスマホに適する。細かな残響感を表現することで空間的な広がりがある。


■お勧めできる人

 乾いた音抜けの良さ、全域の明瞭さを求める人へ。ポップスやロックだけでなく、バイオリンや管楽器のとの相性も良く、クラシックやアコースティックな楽曲にも向く。フラット系が苦手としやすい打ち込み系の音楽も、多めかつ締まりのある表現をする低音と、高音の鮮やかさで上手い。よって、守備範囲が広い。



■お勧めできない人
 
 重低音~低音の量を重視する人には物足りないだろう。(通常使用では過不足無いていどの低音が出ていると思うが。)高音がやや強めで鮮やかといっても、低音が非常に強いわけでも、高音が非常に強いわけでもないので、強ドンシャリの派手さを求めると合わないかもしれない。
 女性ボーカルの高音側ぐらいにやや鋭いピークがあるので、そのあたりがキツイ音源を良く聴く人だと、刺さりを感じるかもしれない。


■雑感

 こりゃぁイヤホン好きが中華系メーカに注目するのも良く分かるわ、というのが正直な感想です。他所のレビューから鑑みるに、K3 PROは中華系の中に置いて比較的優等生的な立場にあると思われます。実際に私の感想も、突出した強みは無いながら、それぞれの音域に注目しても、明確な欠点の無い良バランスが魅力と考えています。

 そんなK3において先に書いたように、高音域の量が多めながら刺さりが少ないのが高評価です。また、ボーカル域の上手さについても高評価をしています。女性ボーカルの息の音やリップノイズにハッとさせられるような生々しさがあることで、キツくなりすぎない程度の柔らかさがあって聴きやすいためです。惜しいのは、音量を下げた時に最も先に失われるのがこの生々しさであり、ベース、シンバルの明瞭さが残っているためにボーカルが引っ込んでいるように感じる点ですね。もし、ボーカルが遠いと感じているなら、耳に負担が無い程度に音量を上げると評価が変わるかも。


〇買い物かごの中身の評価


大雑把なお買い得度を評価する指標です。基準はこちらから。

お買い得度 ☆☆☆☆★
使い勝手  ☆☆☆☆★
お勧め度
  一般  ☆☆☆★★
  趣味人 ☆☆☆★★

コメント

 約110ドルで購入として判定。高い製造品質と音質、マッチするジャンルの広さから、お勧めの気持ちを込めてお買い得度を高めの☆4。この価格はAliExpress(Wooeasy Earphone Store)での価格。並行輸入の日本価格16000円だと、有力なライバルが登場していることを考えると☆3つと迷う。(※2017年10月追記)
 使い勝手は、シュア掛けに慣れているなら装着感も良く、音量も取りやすく、比較的小型で、マッチするジャンルが広いことから☆4つ。
 お勧め度は悩みました。良バランスの本機は合う人も多いと思いますが、試聴ができない、しかも中国系メーカのイヤホンを、これまで高額なイヤホンを購入したことが無い一般の人にお勧めするか?と言われると、躊躇う気持ちもあり☆3つ。ただ、そういう気持ちを外して、単純に物の良さだけで判定するなら☆4つ付けたい。
 これに興味を持つ趣味人は、マイナーメーカに抵抗が無いと思われます。そんな人が、超ハイスペックイヤホン等と比較検討すると、K3 Proなどは中途半端に見えてしまう可能性もあり☆3つ。2万円以下で優良な物を探しているなら☆4つ。

 名前を変えて日本で正規販売が始まるようですよ?

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