マクロレンズがどれぐらい寄れるのか?寄れるレンズがあると、どう良いのか?というのを実験します。結論だけ言うと寄れるレンズは1本ぐらいあった方が良いです、というお話です。
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〇標準マクロレンズってなに?
簡単に言ってしまうと、マクロレンズとは『マクロ撮影ができるように、ぐぐっと近づけるレンズ』ということになります。では、標準マクロレンズとはどんなものを指すのでしょうか?これは画角や焦点距離のことも少しは分かってもらった方が良いですね。画角についてはこちらで、各焦点距離の写り方についてはこちらにて解説しています。
標準マクロレンズも簡単に言い換えてしまうと、『人間の見た感じに近い見え方(画角)で、どこまででも寄れるレンズ』になります。
今回紹介しますAF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8Gは、焦点距離が40mmで、APS-Cに使用するとフルサイズ換算値60mmのマクロレンズです。つまり標準マクロレンズです。ニコンは伝統的にマイクロと表記しますが同じ意味です。
(どこまでの焦点距離が標準?という議論はありますが…)
〇標準マクロレンズの何が良いの?
標準レンズは、人の見たままの感じに近い画角で撮影ができます。なので、被写体がアップになりすぎることもなく、広く撮れるわけでもなく、普通です。普通なので特殊な効果は期待できませんが、使い勝手が良いです。標準単焦点レンズ1本でお散歩ってのも、いろいろ工夫したりなんかして楽しいですよ。
ではマクロレンズの良さとはなんでしょう?
マクロレンズについて初心者に誤解されやすいのが『マクロレンズは接写専用なのでは?』とか『マクロレンズは、マクロ撮影しないので必要ないです』、『マクロレンズはまだ早いのでは?』という思い込みです。実にもったいない。
マクロレンズは『どこまでも寄れるレンズ』であって、『遠くが撮れないレンズ』ではありません。(特殊なレンズは別ですが、そこには突撃しないでしょう…)
マクロレンズではない非マクロレンズ、いわゆるズームレンズや単焦点レンズ(多くのマクロレンズも単焦点だからややこしいので、非マクロレンズで統一します)は、ある程度近い物に対してはピントが合わなくなってしまいます。つまり寄れないレンズと言えます。それなりに寄れるレンズも存在しますが、マクロレンズの方が圧倒的に寄れます。
一方、マクロレンズは、ものすごく近いものから無限遠にピントが合います。なので、撮りたいものをどの距離に置いても撮影することができることになります。
これらの写真は、マクロレンズでなければ撮れないぐらいの寄りの写真~ぎりぎり非マクロレンズでも撮れるかな?ぐらいの距離感です。このように、被写体との距離をあまり意識せずにカメラを構えることができます。
以上のように、ちょっとしたスナップ写真から、換算60mmという焦点距離を活かしたポートレート、このデザート美味しそうでかわいい!という場面でも、ぐぐーっと寄った写真まで、幅広く対応できます。
〇Micro NIKKOR 40mm f/2.8Gの寄れる限界
ではどこまで寄れるのでしょうか?寄ってみます。
これは標準的な腕時計です。丸いSに王冠が付いたマークにピントを合わせています。結構絞っていますが、ピントを合わせる位置が近いので、被写界深度が浅くなっています。
実際は、もう数センチ寄れたみたいですが、撮影機材などの位置関係で、これ以上は追い込めませんでした。
非マクロレンズでは、こういう訳にもいきません。AF-S NIKKOR 50mm f/1.8Gならば『もう、ちょぉぉぉぉっとなのにピントが合わない!寄れない!』感じ。
〇マクロレンズで遠景を撮ってみる
あまり風景を撮らないので、こんな写真しかなくて申し訳ないですが、ピントもあうでしょ?という証拠みたいな写真です。一応、左下の電波塔(?)をよく見てもらうと、端っこにもかかわらず、解像しているのが分かります。
左下の切り出し。手持ち撮影です。
一脚でも使えば、もう少しよかったかも。
いや、その前に、性能チェックなら真ん中で撮るべきですよね。
一脚でも使えば、もう少しよかったかも。
いや、その前に、性能チェックなら真ん中で撮るべきですよね。
とりあえず、マクロレンズは寄りから遠景まで撮れるんだね、ってことが分かっていただければ十分です。
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〇マクロレンズ=被写体との距離を選ばないレンズ
ここまでの実験で言いたいのは、被写体との距離が問題になりませんよってことです。言い換えると、近くの物が撮れないという撮影の制約が1つ無くなります。1つ自由になります。
制約がある、つまり寄れないレンズだと『こんな風に撮りたい』をレンズが原因で実現できなかったりするんです。
マクロレンズは猛烈に寄ることができます。すると『こんな風に撮ってみたい』というイメージを試してみることができるようになります。マクロレンズで色々な立ち位置から写真を撮ってみると、見えてくる世界も変わりますし、自分の中の撮り方のパターンが増え、撮れる写真の幅が広がります。
撮れる写真の幅が広くイメージを試せるということは、撮影の幅が広まって、チャレンジの幅が広がることになります。イメージを実現することができるかもしれません。つまりは、思い通りの写真が撮れてうれしい、ということがあるかもしれません、ってことです。
なぜここまで強く言えるか? それは、自分が『うわぁマクロレンズ買って良かった!』と思う機会が多かったからです。被写体との距離感を気にせずにシャッターを切れるって楽しいですしストレスフリーですよ。
〇最後に
今回は、AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8Gの使い勝手に注目して、その便利さを紹介しました。
はじめての単焦点レンズの購入を検討する人は、現状の写りに満足できず、どうしたら良い写真が撮れるのだろう?と悩んでいる人が多いかと思います。
マクロレンズはマクロ撮影をしなくてはいけないレンズではありません。撮影距離の制約が無くなるレンズであると考えてみてください。そうすれば撮影の幅が広がるのを感じることができると思います。
もし、初めての単焦点レンズを悩まれているのでしたら、当ブログは標準マクロレンズであるAF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8Gをお勧めします。