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2018/11/10

実検するおじさん

[レビュー]HIFIMAN SUNDARAは優しさと中高音の明瞭さを両立[貸与品]

HIFIMANさんより上位機種のANANDAのレビュー依頼を頂いたのですが、良さを文章に起こす自信が無い!と思い、無理言って下位モデルとなるSUNDARAもお借りしました。(比較ならやりやすいと思いまして…)
使ってみてびっくり、SUNDARAもとても良いです。
当然、ポテンシャルはANANDAの方が価格なりに上なのですが、SUNDARAにも独特の良さといいますか、落ち着きのあるサウンドは好みにハマる人もいるのではないか?と感じます。

詳しく見てゆきましょう。

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レビューに関する決め事はこちら


〇無理矢理一言雑感


耳当たりの優しさと中高音の明瞭さを両立した高バランス機
聴き込むと表現の良さを感じる味わい深さがあり、じっくり試聴するのをお勧めしたい



〇HIFIMAN SUNDARAとは


 HIFIMANのヘッドホンは平面ドライバを用いたタイプが有名で、これまでに多くのモデルがリリースされてきました。各世代での進化のポイントは色々でしょうが、今回のトピックスはドライバ板の薄さが従来モデルに比べて大幅に削減できた点でしょう。
重量をベルトで受けるタイプ。長さ調整部分はスムーズとは言えませんが、使いにくさは無いです。別で紹介するANANDAと共通で、見方を変えれば上位機種に近い装着感が得られるのはポイントです。
筐体は、室内向け、オープンタイプとしては平均的なサイズですが、張り出しが小さくな円筒形で大きさは感じにくいです。ハウジングの固定部分は金属板を曲げた形式で、見た目よりもかなりしっかりしており安心感があります。
肌に当たる部分は不織布になっており肌触りが良いです。側圧はそれなりで、先のベルトで半分、側圧で押さえるのが半分といった感じで装着します。当然ですが盛大に音漏れします。


〇HIFIMAN SUNDARAレビュー


紹介する商品はこちら
Amazonと楽天ではeイヤホンさんのみが正規取扱いで、ポイント還元のことを考えると楽天で購入するのが良いかも。

今回は、HIFIMAN JAPANさんよりサンプルレンタルいたしました。




■全体の印象

 特に弱い音域が見つけられず、ほんの少し中低音に厚みを持つフラット系。中低音と、かなり高いシンバルやパーカッションの音域を少し持ち上げたような、おだやかな弱ドンシャリとも言える。ピークも穏やかで凹凸も小さめに感じる。全体的に落ち着きのある音で高音域のキツさ(耳への刺激)が穏やかながら、中高音が明瞭さや表現の細やかさがある。ボーカルは鋭さや鮮明さを追わない印象だが、篭ったり曇ったりするのとは違って表現も上手い。
 定位が鋭く決まるわけではなく、どちらかというと音に包まれるような鳴り方をする。個人的感想としてはそれが心地よく、リラックスして音楽を楽しむのにマッチする。
 低音の量はそこまで多くない。特に重低音は控えめ。中高音に注目しがちだが、低音域の締まりとキレのある鳴り方はなかなか良い。
 各音域や各楽器の分離も良い。問題なく良いため記述するのを忘れていたぐらい。



■各音域の印象

 重低音はやや控えめで、高めのバスドラやベースラインがやや持ち上がっている。ほんの少し持ち上げた程度で前面に主張するほどではない。バスドラやベースラインが締まったキレのある鳴り方をする。重低音はかなり低い所まで出てはいるが主張は弱い。重低音が多く含まれた音源を聴いた時に、きちんと追従して出ているのを感じる。

 スネアやタムのアタックは明瞭だが強調された感じは無い。シンバルは音量が控えめだし刺さりのようなキツさは無くて楽曲全体に緊張感や鮮やかさを載せる雰囲気。ただし、一部で金属的な細く鋭く芯の硬い音が気になる時があった。サスティーンは長めか中庸。ニュアンスは出す方だが、シンバルにスティックが当たる時の細かな音が強調される感じではない。ドラムの定位はそこまで良くない。エレクトロなどで聴かれるクリック音は非常に淡々と制動良く鳴らす感じ。

 ボーカルは上手い。明瞭で聴き取りやすい。鋭く鮮明に鳴るでもなく、柔らかすぎや篭りがちになるわけでもなく、中庸と言っても良いのではないか?という表現。やや柔らかめの表現の割に息の音やリップノイズが適量出て非常に生々しい。ボーカルとの位置関係は、元の音源よりほんの少し遠めに聴こえるようだ。大幅に遠くなる感じは無い。サ行やパ行の刺さりは無い。

 エレキギターは全般的に上手い。ディストーションのエッジ感やキレが良く出る。どちらかというと全域で優しい表現なので、キレは丸まるかと思いきや鋭さが良く出ており驚いた。このあたりは追従の良さがよく出ているように思う。かなりキレのある音もきっちり鋭く鳴らす。リバーブや空間系のエフェクトの掛かりはそれなりで、リバーブなどのエフェクトに限って言えば奥行きがやや少なめのような印象がある。
 
 ピアノはどちらかというと柔らかさや滑らかさがあって、ほんの少し太さや豊かさがある方向。バイオリンは、弦をこするザリッとした成分は少なめで滑らかな方向性であり、楽器由来の響きも出る。明るいとか鮮やかというより、優しさがあり豊か。どちらかというとチェロなどもう少し低い音程の楽器の方がマッチするように思う。


大雑把な聴こえ方は普通はボーカルが強いことを念頭に置いてもらって、

ボーカル≧ピアノ>ギター≧シンバル≧ベース>バスドラ


■その他聴こえ方

 サーノイズは鳴らすが耳障りな感じはない。空間的な広がりもあり、ホールの残響や反響の表現も上手くこなす。打ち込み系もキレのある低音域の表現と、中高音の鮮やかさでマッチする。
 定位はそこまで鋭く決まるタイプではなく、各楽器の位置関係は鳴らし分けながら、自分中心に音に包まれる感じがある。これを良いとするか悪いとするかで評価が変わりそうだ。個人的には、そもそもホール録音ではない後付の定位の音源を聴くことが多く、包まれた感じの聴こえ方は好ましいと感じることがあった。

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■お勧めできる人

 スムースに聴き疲れなく音楽を楽しみたい人。ボーカルの良さを求めると鋭く鮮明なタイプが多いと困っていた人へ。優しく滑らかだがリップノイズや息の音などが出て、艶っぽさや生々しさを感じ取れるので試してみてほしい。
 派手さを抑えた落ち着きのあってウォーム系ではない、というキャラクターなので、他の候補が『音が派手すぎるんだよなぁ…』という人は試してみてほしい。


■お勧めできない人

 ボーカルの鮮明さやキレのある鋭い音を求める人。ノリの良さは出すが、音源にノリの良さを付加するタイプではないので、色々な音源を何でもノリや勢いを良く楽しむには合わないかもしれない。また、定位の良さを重視すると他の選択肢となるだろう。


■雑感

 全体的な音の鋭さやキレ、もしくは厚みのある派手な低音を上乗せするタイプではないので、パッと聴いた感じは良さを感じにくいかもしれない。しかし、よくよく聴き込むと、聴きやすさのある優しい音色の中に、締まりのある低音や、生々しいボーカルの表現があって味わい深い。試聴の際は、可能であれば普段聴く様々な音源でゆっくりと試してみてほしい。
 どんな音源でも優しく聴こえるのか、というとそうでもないようで音源に倣うというのが適当なようだ。かなり鋭さのある楽曲を聴くと非常にキレのある鋭い音を聴かせてくれてギャップに驚く。 
 特に強い、もしくは特に弱い音域も見当たらず、バランス良く全体が鳴る印象で好ましかった。一点特記すると、全体的に優しさはあるがウォーム系の音色ではなく、中高音は鮮やかなタイプと感じる点だ。(中低音はやや厚みがあるが) このあたりの一見矛盾しそうなところをレビューとして文章にするのに苦労した。
 あと気になる点としては、もしかしたら私の再生環境の駆動力がギリギリという可能性がある。(他の人のレビューより落ち着いた感じに聴こえている気がする)



〇買い物かごの中身の評価



大雑把なお買い得度を評価する指標です。基準はこちらから。

お買い得度 ☆☆☆★★
使い勝手  ☆☆☆★★
お勧め度
  一般  ☆☆★★★
  趣味人 ☆☆☆☆★

コメント

 お買い得度は約55000円で購入として判定。価格がほとんど同じ直接的なライバルはそんなに多くは無い。もう少し高価なDT1990やDT1770あたりと比較しても、音の好みでSUNDARAを選択するのは十分にアリなだけのポテンシャルはある。かなり迷ったが☆4は高くつけすぎかと感じたため☆3。音質の面で同価格帯で見劣りするわけではない。
 使い勝手は、音が得意不得意の少なそうなキャラに、着け心地や長時間着用しても不快感の少ない感じ、丈夫そうな作り、クセの付きにくいケーブル等は良い。開放型のサガで音はダダ漏れなので室内使用限定となる点で☆3。室内使用前提とした評価なら☆4。
 お勧め度は、最低限、駆動力のあるDAPかヘッドホンアンプが必要な点で、そのような環境が整っていない可能性のある一般には☆2。逆に、ある程度環境が整っている人には、聴きやすく、表現の良さがあって、価格もそこまで高くない点で高評価を付けたいと思い☆4。ここまで予算が許すなら、より高価なモデルとの比較も十分に考えられ、そのなかで飛び抜けたポテンシャルがあるかと問われると難しいが、より高価なモデルと比較検討できるだけの魅力があるとも言える。

Amazonと楽天ではeイヤホンのみが正規取扱いで、ポイント還元のことを考えると楽天で購入するのが良いかも。

今回は、HIFIMAN JAPANさんよりサンプルレンタルいたしました。

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