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2018/11/15

実検するおじさん

HIFIMAN SUNDARAとANANDAの比較レビュー[貸与品]

HIFIMAN JAPAN様より平面駆動ドライバーを搭載したヘッドホンであるSUNDARAとANANDAをお借りしています。

ANANDAが上位機種という位置づけで、ざっくりと言って『さすが上位機種』と感じる完成度を持っています。しかしSUNDARAも独自の良さがあり、この2機種を検討する人に何か参考になれば、と考えて記事に起こしました。

通常は1機種ずつのレンタルですが、返却日程の都合で2機種同時にお借りできたため、この度、このような企画ができましたことをHIFIMAN JAPANさんにはお礼を述べつつ、少しでも貢献できれば、と思います。

SUNDARAのレビューはこちら

ANANDAのレビューは現在執筆中です。

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〇はじめに


 私の使用するDAC+HPAはTOPPING D3で、ハイエンド系ヘッドホンを使用するには少し物足りない環境です。そのような中での比較ですのでご了承ください。

 また、この記事はあくまでSUNDARAとANANDAを相対比較した記事ですので、差が分かりやすいようにやや極端に表現しています。ですので、この記事だけで判断しようとすると実際とずれる可能性が高いです。



〇総評して


 ANANDAは価格なりに良さが分かりやすく、良い音で音楽を聴いている!という充実感が高いです。SUNDARAは一聴すると、ANANDAにあるような分かりやすい良さは控えめですが、聴き込んでいくと各音域の表現も上手いです。
 ANANDAが鮮やかすぎると感じる場合は、あえてSUNDARAを選ぶのもひとつの手だと感じます。SUNDARAが『鮮やかではない』とは思いませんが、ANANDAに比べて少し大人しい雰囲気を好む人もいるのではないか?と予想します。



〇装着感


 ヘッドホンバンドは2機種とも共通ですが、装着した時の感じはそこそこ違います。SUNDARAは側圧がややあってバンドと側圧で止める感じですが、ANANDAは頭全体で包み込むような装着感になります。SUNDARAの装着感も悪くないですが、ANANDAの広いパッドが圧力を分散してくれて心地よさが持続する感じがあります。
 私はそれなりに頭が大きい方ですが、双方ともに装着感に余裕があり、小さくて装着できないというのはほとんどないのではないか?と予想しております。



〇鳴らしやすさ


 HIFIMANの新世代の平面ドライバは厚さを薄くして鳴らしやすくした、という点がトピックスになっています。たしかに、SUNDARAやANANDAを出力が低めのDAPに繋いでもそこそこ鳴ります。

 DAC+HPAに繋いだ場合、ANANDAの方がやや音量が取りやすいように感じます。私の環境でPCの設定とHPAの音量を約60%に設定した場合にANANDAは十分な(大きめの)音量が取れています。一方、SUNDARAはもう少し大きめに設定する必要があります。

 両方とも、もう少し駆動力のある環境の方が能力を活かせるのではないか?と予想します。というのも、SUNDARAについての他の人のレビューを見ると、私の印象よりももう少し中高音が鮮やかに評価している人が多い点が根拠です。聴いた限りANDANDAについては大きく不足する感じはありませんが、もしかしたらSUNDARAはもう少し高音が鮮やかなのが本来の姿かもしれません。



〇各音域について


★音のバランス

 ANANDAの方が中高音の鮮やかさが勝ります。SUNDARAはそれが少し穏やかなので、相対的に低音域に注目しやすいです。

 ANANDAはより明るい音色で、各楽器が明瞭に鮮やかに鳴って、全域がより明瞭です。その分、バスドラやベースラインの印象は相対的に弱まります。各音域の分離は素晴らしいので、ベースラインが埋もれることはありません。

 SUNDARAは締まりのあるバスドラやベースラインの上にボーカルが乗る感じです。ギターやその他楽器の派手さが控えめなのがボーカルとバスドラ+ベースラインが目立ちやすくなっているような印象を受けます。ANANDAに比べるとやや落ち着いた、優しい雰囲気を受けます。


★低音域

 ANANDAは、先に書いた通りに中高音以上が鮮やかな分、低音域の印象が相対的に弱くなります。良く聴くと、キレのある低音の表現があり良いです。また、SUNDARAに比べてかなり低い低音もしっかりと出ている感じで、豊かで深く締まりもある低音域であると言えます。

 SUNDARAはANANDAに比べてより低い低音は弱めです。また中高音が少し穏やかな分、キレや締まりのあるバスドラのアタックが目立ちやすいです。聴く音楽のジャンルによって合う合わないが出そうですが、かなり低い低音が弱めの音源であれば、キレの良さはSUNDARAの方が目立つ(上手いと感じる)可能性があります。


★中音域

 ボーカルの上手さはANDANDAが価格なりに上に感じます。ANANDAを聴いた後にSUNDARAを聴くと、すこしベールが掛かったような、少し柔らかな感じ(もしくはコンプが少し掛かったような)を受けてしまいます。(SUNDARAの表現も悪くないのですが…)

 共に、ボーカルは滑らかに、太さのある音は太く、抜ける音は抜けるように表現します。逆に書けば、エッジを強調するタイプではないという印象です。

 その他のピアノや弦楽器その他の表現も、やはりANANDAの方が価格なりに上手い印象です。楽器由来の響きや豊かさ、弦を弾いた時の基音以外の付帯する音がしっかりと出るのがANANDAです。(無理に強調している感じは無い)
 ANDANDAを聴いた後にSUNDARAを聴くと、SUNDARAは大人しいというか素っ気ない感じがあるかもしれません。この辺りが、ANANDAのゴージャスさに繋がっているように思います。
 もともとそのような付帯する音の少ない打ち込み系を聴く場合は、SUNDARAとの相性も良い可能性があり、このあたりも試聴の際のチェックポイントとなりそうです。

 ギターに関しては、ANANDAの鳴らすギターのディストーションのキレの良さは非常に良いです。これに比べるとSUNDARAは少しダークな鳴りに感じます。SUNDARAも鋭いディストーションサウンドが特徴的な音源では、そのキレの良さを十分に発揮してくれます。

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★高音域

 鮮やかさや表現の緻密さがANANDAが圧倒的です。ここの差が2つを比べた時に最も印象的です。シンバルはニュアンスを出しつつ、歪み少なく鮮やかに綺麗に伸びてくれます。ここで注意すべきなのは、ANANDAが特に高音が強い、という訳ではない点です。
 シンバルの目立ち具合だけを比較すると、SUNDARAの方があるように感じます。ANANDAが中音域から凹みなく高音域に向かって伸びている感じで、SUNDARAは少し凹凸を持ちながらシンバルの高い音域が持ち上がっているような印象です。



〇空間的な広がりなど


 定位や空間的な広がりはANANDAが上手いです。各楽器の位置関係や音の広がり、広い空間の中で鳴っている感じを受けます。SUNDARAはもう少し近い位置で鳴って音に包まれるような感じです。

 定位や空間的な表現を優先しない場合は、ある程度近い位置で鳴ってくれるSUNDARAが良いと感じる場合もあるでしょう。逆に、ホール録音のクラシックやジャズなどはANANDAの良さがよく出ます。



〇さて、どちらを買おうか


 先にも書いた通り、私の環境ではSUNDARAは駆動力がもう少しあった方が良いかもしれない、という印象があります。私の環境が特別にショボい訳ではないと思うので(苦笑)、多くの人にとって、SUNDARAをしっかりと鳴らすのならば追加の出費が必要かもしれません。ANANDAも、より良い環境で鳴らす方が良いという前提は変わりませんが、SUNDARAよりも余裕をもって鳴らせている感じがあります。

 以上を考慮しつつ…。

 ANANDAに比べて少し落ち着いた鳴りのSUNDARAが好みであれば、SUNDARAを選ぶのはアリです。パッと聴いた感じ、ANANDAの表現の上手さや中高音が鮮やかなバランスの都合上、ANANDAの方が良く聴こえがち(実際にポテンシャルも高い)のですが、少し穏やかな音が好みと自分で分かっている人は、じっくりとSUNDARAを試聴するのを推奨したいです。

 一方、鮮やかでゴージャスな鳴りや、より高い分解能、空間的表現を優先する場合は、ANANDAが価格を考慮してもかなり優勢です。ANANDAが鳴らしやすいという点もあり、これらの良さが欲しいと思ったら、アンプへの追加の投資は先延ばしして、ANANDAを先に導入しても十分に楽しめると思います。実際に、私の環境でも楽しく音楽が聴けます。
 そう考えると、5.5万円のSUNDARAに5万円程度のアンプ類を追加投資するのと、ANANDAだけを購入するのはほぼ同等の出費(その瞬間は、ですが 苦笑)なので、そういう視点が持てるならば、ANANDAを選ぶのはアリだと考えます。

 その他に、より長時間着用するのであればANANDAが優勢ですので、ご自身の音楽を楽しむスタイルを考慮しつつご決断いただければ、と考えます。

 購入の際は、Amazonおよび楽天ですと、正規ではeイヤホン取り扱いとなります。ポイント還元を考えると楽天での購入がよりお得と思われます。

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〇最後に


 再度書きますが、2つを直接比較した記事のため、その差をより極端に表現しているところがあります。再生環境が不十分という疑惑もあったため、他に試したことのある人と意見交換をしたのですが、2つは比較的近い傾向に感じたと聞いています。私もそれには賛同ですが、やはり直接比較するとその差に注目してしまうのもまた事実です。(どこまでを似ているとするか違うとするか、という線引きの問題もありますし)

 少なくとも、大きな枠の中では同じカテゴリーに入る音で、ANANDAの方がより表現の上手さがあるのは事実です。一方、SUNDARAも価格を考えれば魅力的なポテンシャルがあります。

 最後に、私の感想としては、自分の現在の環境で使うとするなら、ANANDAの方が性能が出せている感じや、鮮やかなキャラと価格なりに表現の上手さがあるのを、これでもかと見せつけられる感じがしておりまして『ぐぅ…欲しい…』などと呻いております…。

 今回の記事はHIFIMAN JAPANさんよりお借りしましてのレビューとなります。

※参考
 SUNDARAのレビューはこちら

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