その効果は、確かにあるし、良い方向の変化も望めたりするのですが、当ブログでの取り扱いとしてや、私個人の優先順位は低いと判断しております。
変化はあると思っているのに、なぜ消極的なのか、というところを、リケーブルが好きな人を批判するのではなくて、このブログの人はこういう風にポタオデを楽しんでいるんだな、というようにスタンスを分かってもらえるかな?という思いで、ちょっとまとめておきます。
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〇リケーブルって?
個人的な趣味ですが、リケーブル、という言葉自体があまりしっくりきていません。音色を変化させることを目的としてケーブルを変えているのに、re-(再度)cable(配線する)というのが、私の語感といいますかイメージに合わないからです。(断線してもリケーブルで修理できる、なら分かるのですが…)
まぁ、そういうどうでもよい頭の固いことは置いておいて、
リケーブル対応のイヤホンとは一般的に、イヤホンの本体とケーブルが脱着可能になっていて、純正交換品や、サードパーティー製のケーブルと交換が可能になっている状態を指します。そしてリケーブルとは、その機能を活かして、ケーブルを交換することを指します。
ケーブルがチューニングパーツとなる、という発想は、オーディオ界隈ではメジャーで、どちらかというと影響度の大きい部品と業界から考えられていると、私は認識しています。(そのため各社いろいろ出ており、タダみたいな紐から超高級品まで色々ある。)
その考えを導入したのがイヤホンのリケーブルです。前置きはこれぐらいにしましょう。
〇リケーブルの効果は?
効果はあります。間違いなく変化します。これは断言しておきます。
ただし、それが線材が違うことだけが要因なのかは不明です。具体的には、線材が違う、編み方が違う、太さが違う、芯数が違う、コネクタが違う、コネクタのはんだ付け部分の処理が違う、などです。ほんのちょっとの抵抗値や浮遊容量の違いで音が変わるっていうのだから、相当微妙な違いで音の変化に繋がっている可能性は十分にあります。
イベントやオフ会などで試させていただく機会がありますが、変化を感じます。超高級品は試したことがないですが、純正のアップグレードオプション品程度の違いでも、音に変化を感じることができるほどの差があります。
それぞれに個性はあるでしょうが、良心的なメーカであれば、アップチャージに応じて(自分とや機材との相性はあれど)良い方向に変化することが多く、リケーブルに投資している人の気持ちも理解できます。
しかし、私の個人的な感覚から言わせてもらうと、ケーブルまでは投資できないかなぁとか、自分には合わないかなぁと思っております。
〇どんな人にリケーブルは合っているのか?
私個人の考えを言わせてもらうと、かなり高価でポテンシャルが高いイヤホンや、かなり気に入った1本というイヤホンをお持ちの方、DAPもあわせてある程度システムが出来上がっている方が、全体をチューニングしていく方向でリケーブルを楽しむのが適していると思います。
具体的な価格でいえば、イヤホン本体が3万円以上、まぁ5万円以上ぐらいでしょうか。私がレビューしたの中でいえば、HIFIMANのRE800JやRE2000があたると考えています。
これぐらいの価格帯をバンバン買うという人は稀でしょうし、かなり気に入って、気合を入れて買う、というのが多くの場合だと思います。(そうじゃない購買指向の方もいらっしゃるので小市民な自分はビビるのですが…)
そういう『とっておきの1本』の、もうちょっと痒いところに手が届くようなチューニングというのにリケーブルは適しているのでは?と考える次第です。
もう一点は、バランス化をしやすい、ということですね。こちらは、リケーブルで手早くできるカスタマイズですので、希望する人には必須のポイントと言えるでしょう。ただ、今回の内容とは少しずれるので、アンバランスからアンバランスのケーブル、もしくは、バランスからバランスのケーブルを交換するリケーブルについて考えてゆきます。
〇リケーブルの難しさ
ある程度システムが出来上がった方に向いているのでは?と書いた理由を少し掘り下げておきましょう。
オーディオに限らず、変化を観測するためには、変数を減らすことが基本です。つまり、DAPと音源を固定してイヤホンを選んで音の変化を楽しむ、という感じです。イヤホンと音源を固定して、DAPを選ぶというのも良いでしょう。
もちろん、オーディオ趣味は『観測』ではないので、自分の好みのDAPとイヤホンの組み合わせを一気に選ぶというのもアリですが、現実的には、2点を同時に選ぶのが限界だと思います。
ここにケーブルの組み合わせまで考えてしまうと、DAP・音源・ケーブル・イヤホン(場合によってはイヤピまで)考慮する必要があり、選択は相当難しくなります。
それなりのDAPと、気に入った高価なイヤホンの組み合わせで楽しんでいて、リケーブルに挑戦して、そこそこの投資をしたとしましょう。ここで、もうちょっとDAPの駆動力や表現力が欲しくなってDAPをより上位モデルに乗り換えた時に、手持ちのケーブルと相性が保たれるかどうかはやってみないと分かりません。(自分はそこまで神経質じゃないので出たとこ勝負で良いのですが、リケーブルでチューニングしようと考えている人は相当繊細だと思いますので…)
この辺りが、リケーブルの難しさや、リケーブルに挑戦するタイミングの難しさではないかな?と思います。
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〇なぜ弊ブログ管理人はリケーブルに消極的なのか?
このブログは、低価格帯のイヤホンを多く扱っています。メインの価格帯は5000円ぐらいで、自分で購入するのは高くて2万円ぐらいでしょうか。
で、サードパーティー製のケーブルは、Aliexpressで扱いのある安価な物でも5000円くらいから(とても安い、品質が怪しいのは外して…)で、1万円以上するのが普通で、2~3万円が多く、10万円近いものも珍しくありません。
5000円程度のイヤホンの場合、Aliexpress扱いの商品ですとリケーブル対応は多いですが、国内正規で流れているものはほとんどがケーブルは非脱着式です。1万円ぐらいになるとちょこちょこ増えてきます。
そう考えると、ケーブル交換をして楽しむ最低限の投資は、1万円ぐらいのイヤホンに5000円以上するケーブルを合わせて、1.5万円、下手をすると1万円ぐらいのイヤホンに1万円近いケーブルを合わせて2万円近くなる、という状態となります。この価格帯だけで考えると、私の感覚だけを言わせてもらいますと、2万円のイヤホンを買った方が良いのでは?と思ってしまう訳です。
それに、イヤホンの比較検討をする、というのが主題となっているブログで、サードパーティーのケーブルとのマッチングまで取り扱いだすと、ハッキリ言って収拾がつかなくなり、現実的ではないなぁという思いもあり、趣味でいくつか買うことはあっても、ブログで取り扱うことはまずないと考えています。(紹介ぐらいはするかも)
〇まとめ
なんだかとりとめが無くなってしまいましたが、誤解してほしくないのは、
『私は、リケーブルに反対しているのではない。』ということです。ただし『私はたぶん扱いませんよ』っていうだけです。
もちろん、ケーブルを(安価な物から高価なものまで)複数集めて、各種イヤホンとのマッチングを検討して遊ぶのは、ポータブルオーディオの楽しみ方として有益だと思いますし、贅沢な遊び方だと思います。正直うらやましい。
また、ベースとなるイヤホンを非常に気に入っていて、もっと高価なイヤホンでも比較にならない程、自分にとって特別なイヤホンであり、そこからさらなるチューニングのためのリケーブル、というのなら、十分に価値があると思います。
ケーブルを変えると、音だけではなくて、デザインや取り回しも変化します。純正がどうにも取り回しが悪いと感じている人や、カッコいい、カワイイデザインのケーブルにしよう、というのもひとつの楽しみ方だと思います。
オーディオの楽しみ方は人それぞれで、お金の使い方も人それぞれですが、5000円程度のイヤホンを初めて買ってみよう、という人や、頑張って1万円ぐらいのイヤホンを買ってみたという人が『音が良くなるという噂のリケーブルのために5000円ぐらいのケーブルを買ってみよう』と単純に考えるのは、ちょっと落ち着いて2万円ぐらいのイヤホンを試聴してみようぜ!って言いたくなります。
とまぁ、この管理人は、こんなことを考えております、というお話でした。
さんざん否定的なことを言っておいてなんですが、次買うなら、このLZのケーブルですかねぇ。何が良いって、良い缶ケースに入っているし、取り回しが良くて、耳かけしても着け心地が良いし、音も悪くないと思う(悪い印象は無かった)し、結構安いし、良い缶ケースに入っているし。