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2018/01/14

実検するおじさん

RE2000はノリの良さと繊細な表現を両立する高レスポンスを持つ一品[貸与品レビュー]

HIFIMAN RE800Jのレビューに続き、RE2000をレビューします。
こちらもRE800Jと同様にHIFIMAN JAPAN(Twitter公式)さんからの貸与品のレビューとなります。

大別して原音忠実系のサウンドと言って良いと思いますが、無味乾燥にならずに、ノリの良さや、奏者の演奏、ボーカルの情感豊かな表現が得られるのが非常に良いと感じました。

ぶっちゃけかなり高価ですが、その価値のある素晴らしい仕上がりです。

RE2000とHIFIMANのDAP SuperMiniとHM901sとの組み合わせも別記事にて考察しました。参考にしていただけると幸いです。


※関連レビュー
 RE800Jレビュー
 HIFIMAN SuperMini(DAP)レビュー
 RE2000とHIFIMANのDAP SuperMiniとHM901sとの組み合わせレビュー

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レビューに関する決め事はこちら


〇無理矢理一言雑感


極めて明瞭かつ繊細で、全域にわたって素晴らしく、ノリの良さも上手く表現し、弩級の価格とフラッグシップの名に恥じない
高音質に高額なお金を支払えるという価値観があれば是非とも試して欲しい

〇HIFIMAN RE2000とは


 RE2000はRE800と同時に発売され、フラッグシップの名に恥じない怒涛の価格と音質を実現したモデルとして登場しました。RE2000は一般的なイヤホンから比べればやや大きいながらも、十分に小型にまとめられており、まさに音質勝負といった雰囲気があります。

RE2000にはHIFIMANオリジナルのトポロジードライバーが採用されています。こちらはRE800(J)にも搭載されています。これについては立派なケースには解説冊子が付属していますので、そちらを読むとよりこの商品への理解が深まります。(英語ですけど)購入された方はじっくり読んでみて、思いを巡らせるのも購入者の特権だと思いますよ。(私はレンタルですが…)
RE800Jとほぼ同じですので写真は流用させてもらいました。RE2000は黒の合皮張りケースになります。アタッシュケースのようなケースを空けると、缶ケースが入っており、そちらに筐体が収められています。
  組み立てるとこんな感じ。金属製でずっしりと重みがありますが、耳かけタイプなので重さは感じにくいです。サイズ的には中型ぐらい、という印象でしょうか。
イヤーピースはこんな感じにケースに入っています。実はアタッシュケースの敷居(?)を開けると、先に紹介した冊子が入っています。

 装着感は賛否両論ありまして、合う、合わない、という評価が出ております。このあたりは高価な商品ですから、ぜひともご自身に合うかどうかチェックいただきたいです。おすすめは、普段使用しているイヤーピースを複数持って行き、自分とのフィット感の良い物を選択してみると良いです。
 付属イヤーピースを使用した試聴時にはどうにも合わない感じがしていたのですが、いろいろと試してみますと、比較的合うように感じてきました。(装着方法が慣れてきたという説もありますが…)


〇HIFIMAN RE2000


今回は、HIFIMAN JAPANさんからのレンタル品レビューです。HIFIMANは2017年に10周年を迎え、それを記念してRE2000も対象としたセールを行っています。(2018年1月現在)

キャンペーンに伴い、フジヤエービックおよびイーイヤホンで特別価格での提供が始まっております。詳しい価格は以下のリンクよりご覧ください。イーイヤホン楽天店に繋がります。



■全体の印象

 全域が明瞭なのでフラット系だと感じる。ただ、低音のある音源だとしっかりと鳴り、高音も鮮やかで軽めのドンシャリと悩む。あまり山谷は考えなくてよいだろう。かなり高い音まで音詰まり無く出ており、音抜けが良い。各音域がしっかり出ているにもかかわらずボーカルが極めて明瞭。
 高音のキツさや刺さりはなく、低音の潰れや強い圧迫感も無く、ベース、ボーカル、シンバルとそれぞれが鮮やかに鳴り、ボーカルの生っぽさや艶っぽさは非常によい。音源の特徴が良く出る感じで、低音がはっきりした音源では迫力良く、すっきりと中高音が明瞭な音源はそのように鳴る。イヤホンのキャラが出るというより音源の特徴を色濃く出す印象。分離の良さ、空間的な広がり、定位の良さが非常によく、これらと緻密な表現を両立させており、この価格だけのことはあるという説得力がある。
 各種表現のアタックの出方や、繊細な表現、ホールの残響の鳴り方、小音量時にも音質が悪化しにくい点などを考えると、非常にレスポンスが良いイヤホンであると考えられる。


■各音域の印象

 低音域・中音域・高音域で、音源の特徴が最も出るのが低音域。最初、アコースティックな楽器で構成された低音が控えめの音源で試してみて、低音の力強さは控えめで、クラシックなどに向くかな?と思ったが、バスドラやベースラインが印象的なロックや打ち込み系(EDMなど)を試すと、ベースラインが明瞭でノリが良く、バスドラのキックの力強さが出て、かなり低い音まで十分な量が出ており驚いた。このイヤホンを使うだけで低音がばっちり出るタイプではないが、イコライザを調整したり、低音が多めのアンプに繋げば、かなり良質な低音域が楽しめる可能性が高い。(私がそこまで低音にうるさいわけではないので、気になる方は是非とも店頭などで試して欲しい。自分の環境で試してみたところかなり良さそうだった。)

 ドラムはタムやスネア、シンバルのどれもが明瞭でニュアンスまで出る。ドラムの音量バランスが取れていて、定位も良く、表現が上手い。ドラムの上手いプレーヤーによる良い録音の音源を聴くと、細かなニュアンスの違いやアタックまで表現し非常に良い。シンバルのサスティーンは長く、鮮明に鳴らすが、刺さりは無くかなり優秀。量を増して明瞭さを出しているものとは違い、音量はそこそこで、このような特徴を出しているのは見事。

 ボーカルは男性女性問わずに音抜けが良く分離も良くて明瞭。生っぽさがや艶っぽさがあって、ブレスノイズやリップノイズが適正量出て上手い。その他のパートも明瞭だが、ボーカルが埋もれたりすることがない。サ行やパ行の刺さりも気にならない。ただし、高価格帯の、特に多BA機にある、ボーカルが非常に近くて艶っぽさや生っぽさが強調されたものとは異なり、ボーカルとは適正な距離感が保たれたような鳴り方がする。同様に、ボーカルに太さが付加されるわけではないので、ボーカルがやや細めの音源では、細く鋭いような音に聴こえてマッチングが悪く感じる可能性がある。

 バイオリンは明瞭さがあり、弦をこするザリッとした成分が誇張感無く出る。楽器由来の響きは良く出るし、ホールの反響も良く出て上手い。チェロなども上手い。ピアノも、アタックのキレと楽器由来の響きが良く出て、奏者のタッチが良く出る印象。吹奏楽器の鳴らし分けも上手い。全体的に鮮やかで明るい音を鳴らす。複数本数、複数パートが一斉になるような楽曲が多い吹奏楽器では、分離の良さや鳴らし分けの上手さの良い所が出て良い。

 エレキギターは、ディストーションのエッジ感が出て非常に良い。かなりダーティーなファズや中音域の濃いオーバードライブも良く出る。ただし、太さや鋭さを付加するタイプではないので、ジャジーなトーンの厚みや、鋭いカッティングを最重要視すると、少し物足りなく感じる可能性はある。(音源通りなんでしょうけど。) 勢いのあるギターサウンドももちろん上手いが、テクニカルなジャズやフュージョン、アコースティックなクラシックギターやフラメンコなども、奏者の細かなニュアンスなどが出て良い。


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■その他聴こえ方

 音源のサーノイズは鳴る。音源の悪さも出てしまいがち。音源の悪さがあっても、ノリが良い楽曲なら、ノリの良さが勝ってそこまで気にならない可能性はある。

 低音についてイコライザを弄って…と書いたが、試しに相当低音を持ち上げてみたところ、その他の音域に影響をほとんど与えずに難なく鳴らし分けてしまって、分離が保たれたまま低音の押し出しが強くなって『なんだこれ!すげー!』となった。

 空間的な広がりは非常によく出る。しかし、イヤホン起因の反響や残響のようなものはほとんど無いのではないか?と思う。(この点はあまり自信が無い。) 小さな音もしっかり拾って鳴らしているために、ホールの残響やリバーブも鳴って、広がりが得られているものと予想する。色々な楽曲を聴いていると、こんなにリバーブが効いていたんだ!とか、ディレイの残り方(消え方)がこれまで思っていたのと違って、新たな発見があったりした。

 また、音量を小さくしても、全体の印象やバランスが大きく変わることがなく良い。かなり小音量にしても、全体の分離の良さや明瞭さが残る。低価格帯イヤホンを引き合いに出すのも申し訳ないが、バランスがかなり変わるものが多いので特記しておいた。


■お勧めできる人

 いまいち合わないと思うようなジャンルが見当たらなかった。それぐらい全域、全パートにわたって上手さがあり勧めやすい。基本的に明瞭で鮮やかな音であるので、このような方向性が好きな人は試す価値がある。


■お勧めできない人

 イヤホンに大きな周波数特性の変化を求める人。具体的には、低音がガッツリ出たり、高音がジャキジャキ出るのを期待する人。双方ともにしっかり出るのだが、あくまで音源にならう鳴らし方のため、原音に近い鳴らし方をするDAPではこのような変化は期待しにくい。イコライザなどを弄れるなら、この辺りの印象はかなり変わる可能性がある。
 ボーカルに太さを付加するタイプではないので、ボーカルの細さが気になりやすい人は合わないかもしれない。また、多BA機に良く聴かれるボーカルの近さも無いので、これを最重要ポイントとすると合わないかもしれない。
 

■雑感

 最初にも書きましたが、ものすごく良い音で音楽を楽しむことに、かなりの資金を投入できる!という価値観がある少数の人に向けた商品です。HIFIMANだって、多くの人の価値観に合致するとは考えていないはずです。しかし、その少数の人にとっては『これでなくてはならない!』という強い説得力があると思います。

 私は、イヤホンにここまで高額な物を買うだけの根性が無いタイプの人間ですが、HIFIMANがコストを掛ければこんなにも良い物が作れる!という主張はビシビシと感じましたし、この価格帯で購入を検討するなら真っ先に候補に入れたいと感じました。

 実は、初登場時にちょっとだけ試聴した際に、先に書いたようにアコースティックな音源で試して『モニタ系のスッキリで、すごい解像度だけど(誇張感のある)楽しいって感じではないかも』などと思っていたのだが、ノリの良い楽曲や少し低音を持ち上げたりして試してみたところ、そんな思い込みがひっくり返るほど聴いていて楽しい1本でした。このあたりは、レスポンスの良さが活きているのだろうと思います。

 空間的な広がりや各音の分解能の高さや表現の上手さや、様々な音源やジャンルに適応する懐の深さには、大型のヘッドホンに通じるようなところもあるように感じます。大型の高価なヘッドホンの良さも踏まえたうえで、ひとつ提案すると、7~8万円クラスのヘッドホンとイヤホンの2機体制を組むつもりで、RE2000の音が大好きと思えるなら、RE2000一本で持ち出し用と自宅用の両方兼ねるという使い方もアリなのではないか?とも思うので、検討してみてはどうでしょう。


 以前レビューしたHIFIMANのSuperMiniもお借りしているので、追って、組み合わせた際の印象についてもレビューします。
 

〇買い物かごの中身の評価


大雑把なお買い得度を評価する指標です。基準はこちらから。

お買い得度 ☆☆★★★
使い勝手  ☆☆☆☆★
お勧め度
  趣味人 ☆☆☆☆★

コメント

 この価格のイヤホンにお買い得かどうかを判定するのもナンセンスだろうと感じる。あくまで、RE2000が欲しいかどうかで判定してほしい。
 使い勝手は、立派なケースが付属し、特に大きいとは言えないため高めに評価したいと感じた。フィット感が合えば☆4つ、合わないと厳しめに☆3つだろうか。高価なので、このあたりは十分にチェックしてみた方が良いだろう。
 RE2000の購入を検討するのは、一般人とは言えないだろうと考えてこちらはパスし、趣味人の判定を。8万円程度するRE800Jと比べても明らかな優位性があったし、素晴らしいと思えるポイントも多数あった。この価格帯のイヤホンは所有していないので比較評価が難しい所だが、私以外の、もっと高価なイヤホンを所有している人の評価も高いので、自分の印象に正直に書くと☆4つ。この音が好みと思える人は、星の数以上の価値があると思う。

HIFIMANは2017年に10周年を迎え、それを記念してRE2000も対象としたセールを行っています。(2018年1月現在)

キャンペーンに伴い、フジヤエービックおよびイーイヤホンで特別価格での提供が始まっております。詳しい価格は以下のリンクよりご覧ください。イーイヤホン楽天店に繋がります。



ちなみに、2017年5月に行われました関西ファンミーティングにて、HIFIMAN社長とお話しさせていただいた内容を、対談形式にまとめてありますので、こちらもどうぞ。


※関連レビュー
 RE800Jレビュー
 HIFIMAN SuperMini(DAP)レビュー
 RE2000とHIFIMANのDAP SuperMiniとHM901sとの組み合わせレビュー

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