↓他の記事も気になった方はこちら
サイトマップと管理人ご挨拶

2018/01/09

実検するおじさん

[コラム]ワイヤレスイヤホンをどう思ってるの?って話

ポータブルオーディオ業界でこの1~2年の大きな変化として挙げられるのはワイヤレスイヤホンの存在だと思います。

私はこのブログではほとんど扱っておりませんが、興味がないわけではなく、存在を否定している訳でもありません。

むしろ、今後は主流、といいますか当たり前の存在になると思っています。


そのあたりの私の考えを少し書き残しておこうと思います。

※ スポンサー




〇私がワイヤレスが主流になると考える理由


 そもそもポータブルオーディオは、SONYがウォークマンを世に送り出したことで生まれたジャンルです。当初はおまけのようなイヤホンや、据え置き機で使用するようなヘッドホンの流用で使用されていたと思われます。
 そののち、大容量のメモリICの登場や、音楽のデジタル化(PCの普及でMP3などの取り扱いが楽になった)などの理由により、使いやすさが大幅に向上し、大きなジャンルになったのはご存知の通りです。


 SONYの歴史などが取り上げられる際にウォークマンのコンセプトが述べられる時があります。それは、音楽を外に気軽に持ち出せるようにしたいというものでした。


 さて、この話をなぜここでしたかというと、『音楽を気軽に持ち出せるようにする』というのが、各社、特に大手メーカであるSONYやAppleの根底に今でもあると感じているからです。

 具体的には、音楽を気軽に持ち出せることの理想は、テレビの理想形が長らく壁掛けテレビであったように、使用者に負荷を与えず(何も持っていない状態に近づけ)、音楽を楽しめる状態にしたいと考えているのではないか?と予想しています。

 そうした場合、大型のDAPや、身体の動きで引っ張られる可能性のあるケーブルは負荷の原因になりますから、できるだけ無くし、小型のオーディオデータを輸送する機器と、何もつけていない状態に近い小型で完全ワイヤレスという形が理想に近いと考えられます。

 つまり、最終の理想形を『良い音で再生する』ではなく、『なにも持っていない状態と同様の状態で音楽を楽しめる』というポイントに置いているメーカは、必ずワイヤレスに向かうと考えられ、私がワイヤレスが主流になると考えた理由になります。


〇現在のワイヤレスの弱点


 現在のワイヤレスイヤホンの弱点は以下になるかと思います。

 ・バッテリ容量
 ・通信による遅延
 ・左右の遅延による定位の悪化
 ・音質の低下
 ・比較的に価格が高くなる
 
 バッテリ容量は、大幅なブレイクスルーがあるかもしれませんが、多くは望めないと私は予想しています。しかし、今後、消費電力を抑えたドライバICや、超高効率のドライバ(スピーカユニット)の開発により、動作時間の延長が考えられます。

 通信による遅延は、通常の音楽鑑賞であれば特に問題ありませんが、動画鑑賞や音楽ゲームなどのように遅延が大きな問題になる場合は、現在では推奨できない使用用途になっています。しかし、一時期に比べて非常に改善されてきており、近い将来、大きな問題にならないようになってくるのではないかと考えられます。

 左右の遅延に関しても同様で、完全ワイヤレスの場合、片側にデータを飛ばしてから逆側に飛ばしているようなタイプであれば、左右で音の出るタイミングが若干ずれてしまい、その結果、定位が悪くなる傾向があります。しかし、以前のものに比べて改善が進んでおり、左右での完全な同期ができるタイプの通信が確立するのも遠くないように思われます。

 音質についても、日進月歩で向上しており、現在では1つのドライバICで左右を鳴らす(左右が接続された)タイプでは、なかなかの高音質が実現されてきています。Bluetooth通信用ICおよび、受信データのDAC(データを音に変換するIC)は、小型、低消費電力かつ音質の良い物が求められるわけですが、今後伸びる領域であると思われるため、各社の開発が進んでいる領域だと感じています。実際、現在では、3000円も出せば十分に楽しめるレベルのワイヤレスイヤホンが登場し始めており、2万円クラスならば音にこだわりのある人でも合格点を出せるようなものが出てきています。完全ワイヤレスで現在の有線イヤホンを超える日はそう遠くないと思われます。

 価格についても、どんどんとワイヤレスイヤホンが普及してこれば、高性能ICの単価が下がり、さらなる低価格化が進むのは必然ですので、自然と買いやすい価格に落ち着いてくると考えられます。既に、昔では考えられないような価格で高音質なものが出てきていますので、予想よりも早いタイミングで市場の割合が入れ替わるかもしれません。


※ スポンサー




〇今、ワイヤレスをお勧めしたい人


 かなり技術が進んできた現在でも、有線型に拘って選択する人の気持ちは良く分かります。私もその一人です。

 では、現在において、ワイヤレスを試してみた方が良いという人はどういう人でしょうか?


 ひとつめは、満員電車通勤や通学のある人はワイヤレスの方が良いと思います。

 私は、田舎暮らしですのでワイヤレスの恩恵を受けにくいのですが、先日、東京に所用で出かけて満員電車で揺られた際に、ケーブルの存在が非常にうっとうしく思えました。私は、このような場面では、紛失や破損を嫌って、安価な物を使用することが多いのですが、高価なイヤホンやケーブルを使用する人はかなりのストレスになると思われます。

 このような方は、ワイヤレスにすることによるストレスの減少は、非常に有意義だと思います。


 ふたつめは、荷物が多い方もワイヤレスの方が良いと思います。

 先の満員電車と同様の理由で、荷物が多いと、両手がふさがったりしてイヤホンを着け外ししたりする際に、非常に不便を感じる場合があります。リュックや肩掛け鞄を使用している人は特に、ケーブルが肩ひもの内側に来るか外側に来るかなどに気を付けながら身に着ける必要がありますが、ワイヤレスであればこれがありません。


 以上のような方で、トラブルを嫌ってイヤホンを使用しない、音楽を聴かないという選択をとっている方は、ワイヤレスイヤホンを使用することによる多少の音質低下などのマイナス面を超えた大きなプラス要素を享受することができるのではないか?と思います。


〇今回、コラムを書いた理由


 私はこんなことを考えている人です、というのを書いておこうというのが主な理由ですが、あといくつか理由があります。

 自分に対する戒めでもありますが、ワイヤレスイヤホンを音が悪いからと勝手に敬遠せずに、要所要所でチェックしていった方が良いですよ、ということがひとつです。メーカによっては、主な注力ポイントがワイヤレスになっているところもあると思います。つまり開発資産がそちらに注がれているということです。ですので、もっとも注力された商品に目を向けない、ということがないようにしたいなと考える次第です。

 もうひとつが、可搬性や使い勝手を無視したような商品をリリースするメーカに対する疑問を表明したかったからです。確かにワイヤレスは、イヤホンの開発・製造ノウハウだけでなく、ドライバICや通信に関する技術も必要で、違う分野の技術者が必要ですから、ワイヤレスに取り組んでいない会社はダメとは思いません。しかし、ポータブルとは名ばかりな商品ばかりをリリースしている姿勢を見れば、それらの商品の理想形をどのように描いているのか疑問に思ったりもします。
 当然、趣味のものですから住み分けもありますので、ハイエンドで、音質を追求したい顧客に訴求するという生きる道もあるとは思うのですが、使う人のことをどう考えているのかなぁ?と思ったりしています。(繰り返しになりますが、こういうことを考えている人ですよ、程度に思っていただければ結構です。)



このあたりのが結構欲しい…

※スポンサー