今回取り上げたのは、Twitter上にて、どれが正しいだのどーだの話題になっていたのでちょっと考えてみた内容を読み物としてまとめてみようかな、と思った次第です。
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〇私の意見は?
私は『オンバ』と発音しながら打ち込んでいます。なので、私の文章を読む際は『オンバ』と読んでいただけると、私のイメージと同じ発音になります。なので、音場を使ったダジャレなどは通じやすくなると思います。(そんなものは無い)
磁場や力場、電場は、すべて『バ』と読みます。つまり〇場となった場合、『場=バ』と読むことが多いです。ジョウは『上』『状』『条』など、他の漢字が当たる可能性があります。一方、オンバであれば、音場以外の変換がほとんどなく、誤解が少ないかと考えています。
オトバについては、音訓混合読みになるので、一般的ではないのでは?と考えています。
〇そもそも音場ってなんだ?
Sound Fieldを訳した語と思われます。Yahoo!辞書ではこんな感じで、これを読む限り、磁場や電場、力場の音版という解釈ができそうです。ちなみに、ブリタニカ国際百科事典の解説がそれっぽい感じです。
で、いまいちピンとこない人に解説すると、こんな感じになるでしょうか?
だだっ広い空間にスピーカーが2つ、LRチャンネルとして距離をおいて置かれているとします。ステレオスピーカーですね。これを鳴らします。
ここであなたが、よく聴こえる位置に立つとすると、2つのスピーカーの真ん中ぐらいの位置に立つと思われます。難しく考えなくてよいです。スピーカーの試聴をする時に立つ場所と思えば良いです。
ここが、音場の中で、音圧というか音のエネルギーが高い場所になるでしょう。(スピーカーの真ん前は別。)
逆に、右端で遠ざかった場所は音が弱く聴こえ、左側のスピーカーの音はあまり届かない、という状態になっています。 音のエネルギーが弱めです。
つまり、この空間に置いて音のエネルギーの濃淡があるわけですが、これの分布、もしくはこの分布が存在する状態をSound Fieldと定義しているようです。(電場や磁場の考え方をそのまま当てはめた。)
で、ここで問題ですが、
この解説の意味で音場という言葉を使っている人がどれだけいるのか?ということです。
イヤホン、ヘッドホン、DAPの分野において、多くの場合は、各パートが耳の近くで鳴らずに、ステージ上で鳴って、反響が聴こえつつ自分に届くという、空間的広がりを指しているように思います。
しかし、それは、文脈からおよそ読み取った内容で、明確に定義して使っている人はあまり見られません。
逆に言えば、明確に定義されていないので、読み方も不定で、オンバ、オンジョウ、オトバのどれであれ正解だとも言えます。なぜなら、それは定義されていないのだから。
〇なぜ私がここまで言及するのか?
ここで、『ライターの人がこういう意味で使っている』という指摘はあまり意味がありません。ならば、使っている人は『こういう意味である』ということを定義し、表明した上で使うべきだと思います。
私個人的な意見としては、本来技術用語で別の物を指す言葉を、他のジャンルで別の意味に使用している例は好ましくないと感じている身です。しかも、そういう場合は、売り文句として使われている場合が多く、なんだか良く分からないけどすごそうだ、と思わせるための手段として使われているように感じています。
私は、大学時代に教授から『その用語は定義されているのか?』『用語は統一されているのか?』と口酸っぱく注意されていました。正直、当時はその重要性を理解していませんでした。
しかし、業務で特許などを書くにあたり、定義されていない言葉を使用したり、本来の定義と異なる用法で使用することは、文章として意味をなさなくなる(なにも言っていない文章となる)ということを痛感するようになり、さらに注意をするようになりました。
そういう考えの元、いろいろなネットの文章を読んでいると、適当な専門用語の使われ方をしている例も多く見られます。と、偉そうなことを言っていますが、自分だって間違った使い方をしている例は多いでしょう。小さな個人サイトは、努力して改善すべき、という程度だし、読み手もある程度寛容で良いと思うのですが、ジャンル、業界として公にする文章に置いては、そのような風潮は放置すべきではないのでは?と感じます。
スピーカーに関しては、先に示した意味にしたがって『最適な音場が得られる範囲が広いスピーカー』というように使えそうであり、おそらく、そのように使っていた用語が、イヤホンやヘッドホンに転用されたのかな?と考えています。
〇お前はどうなんだ?という問い
で、実は、自分では音場という言葉を使わないようにしており、空間的な広がり、という言葉を使っています。ただ、これまで音場という言葉を使っており、クセで音場と使っている記事もあるかと思いますが、ご容赦ください。
〇最後に
音場、という言葉を使っているやつは怪しいやつだ!などと言うつもりはありません。ただの私のどうでもよいこだわりのひとつです。他の人の文章を私が読んでいる際に、音場という言葉が出てきたら、前後関係からふさわしそうな言葉に置き換えて理解すると思いますし、指摘したりはしません。不快な思いもしません。
ただ、普段使っている用語が実は違った意味だった、というのは、相手との意思疎通をするうえで大きな問題となることがあります。そういう小さな意味間違いの積み重ねが、オーディオレビューを読む上での障害になっているのでは?と思わなくもないです。ですので『当たり前と思っていたけどほんとうかな?』という問題提起といいますか、いろいろなものに疑問を持ってみるというきっかけになれば、と思います。
この記事を読んでいただいて、なるほど!と共感いただけましたら、これまでのイメージを、空間的な広がり、などの他の言葉に置き換えて使ってみてはどうでしょうか?というひとつの提案です。
※とはいえ、Twitter上では文字制限の都合で音場という言葉を使ったりしています。それに対する御叱りは甘んじて受けます(汗)
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