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2017/10/04

実検するおじさん

【レビュー】KZ ZSTは中高音の音抜けの良いドンシャリが楽しめる

中華イヤホンは低価格ですごい!と盛り上がりを見せる中で、その中心のひとつがKZのZSTであった、と言って良いのではないでしょうか?
そんな、既に定番すぎて話題にならないZSTのレビューをしてみようと思います。中華イヤホン好きなら持っている人も多いと思います。最近ではヨドバシカメラなどでも取り扱いがあり、一般流通品しか買わない方も手に入れやすくなってきています。


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レビューに関する決め事はこちら


〇無理矢理一言雑感


中高音以上の音抜けが良く、バランスの良いドンシャリを安価に楽しめる。
小音量時にもボーカルの明瞭さが失われず、この点を重視するなら非常に良い。


〇KZ ZSTとは


 KZは20ドル前後(ZS5でも30ドル以下)という価格帯を得意とするメーカです。今回のZSTは、Aliespressの店では、多少差がありますが20ドル弱というのが相場のようです。代理店による正規品は約3000円となっています。
 KZはロットによって音が変わったりするというのが良く言われます。リリースからしばらくすると安定してくるとのことで、私は2017年8月頃に購入しましたので、比較的安定したロットだと思われます。名前は同じでもマイナーチェンジされているということもあります。他のレビューと差が大きいと思われましたら、製造時期(レビュー執筆時期)をチェックした方が良いです。
DD+BAというハイブリッド構成で、カスタムIEMのような形状でシュア掛け前提となっています。また2pinタイプのリケーブル対応です。このあたりが国産低価格帯では珍しい(というか無い、か)、というのが理由で、中華スゴイという話題になった、という経緯もあります。
 高価なイヤホンを見慣れている人からすれば見慣れた形状ですが、安価なイヤホンしか知らない人にとっては大きいと感じるであろう筐体は、装着感もなかなか良く、シュア掛け用のイヤフックも装着感が良いです。シュア掛けのおかげでタッチノイズも気にならずに、なかなか良いです。ケーブルは復元力があるタイプで、ややすべりが悪く、取り扱いに少しクセがあるのが少しマイナス点。


〇KZ ZSEレビュー


紹介する商品はAliexpress WooeasyEarphonesではこちら

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■全体の印象

 ドンシャリ。高い方のピークはボーカルより少し高いぐらいにあり、女性ボーカルは明瞭。中低音は凹んでいて、低音は良く出ている。重低音もそこそこ出ている。女性ボーカルより低い(低めの男性ボーカルあたりより低い)領域は柔らかい表現で、ギターのエッジやシンバルなどの高音部分は細く鋭い音を出し、印象に差がある。
 低音の迫力と、高音(シンバルを叩く細かな音や、ギターのグリッサンド音)が両立されており、評価されるのも良く分かる。
 中高音が多めの音源では、そこそこ音抜けが良く、分離も良く感じ、なかなか良い結果となって楽しめそう。


■各音域の印象

 ベース、バスドラは明瞭さはそれなりだが少し柔らかい印象。中低音がやや弱く柔らかいため、ベースラインは柔らかく丸まりがち。ベースやバスドラの太さや重厚感は出るのだが、複雑なベースラインを追いかけるような聴き方をすると物足りなさが出る時がある。ファズが効いたようなベースも、エッジの感じがやや丸まる印象。

 スネアやタムは丸くなる印象。バスドラのアタックも柔らかい表現。シンバルはアタックの細かい音が明瞭で分解能も価格の割に良い。キツめに鳴る音源でも刺さりが無く優秀。シンバルは細く鋭く芯のある表現で、全体を通して目立つ。シンバルのサスティーンは中庸。

 ボーカルは男女問わず明瞭。ただ、低く太い男性ボーカルは、ベースの音域に近づいて丸く柔らかく聴こえがち。それ以外は明瞭で、特に女性ボーカルは高音の持ち上がった領域に入ってきて明瞭さが増す。ベースやドラムに比べてこの音域に明瞭さ(輪郭がはっきりとした印象)があるため、ボーカルが浮き上がって目立ちやすい印象。(ただし、シンバル等が派手だと埋もれがちになる。)息の音は控えめで、生っぽさも控えめ。

 エレキギターはディストーションのエッジ感が出ている。どちらかというと太く力強い感じの方が得意。表現は上手い方だと評価してよいが、ギターソロで高音に入ってくると、細くキツく聴こえるときがある。また、カッティングなどは軽やかさがあまり出ず、やや丸まったり奥まりがち。

 トランペットやサックスなどの管楽器は、それぞれの楽器らしい音で鳴るし、音抜けも良くなかなか良い。楽器由来の響きはそれなり。管楽器を中心としたジャズなどは分離が良く、鳴らし分けも良くてなかなか良い。ピアノも明るく軽やかな感じで音抜けが良い。

大雑把な聴こえ方は普通はボーカルが強いことを念頭に置いてもらって、

ボーカル≧シンバル>ベース≧ピアノ≧バスドラ

ベースの位置取りに悩む。強めなのだが、シンバルの鋭さなどで印象が強いし、ベースの低い所の鳴りは強めなのだがベースラインが弱く聴こえるなどするため。聴く音源による差が大きそうなので、あまり参考にしない方が良い。


■その他聴こえ方

 録音の粗は古い音源にありがちなチリチリというノイズは出る。悪目立ちするほどではないが、気になりやすい人は気になるかも。サーノイズも出るがそれなり。
 中低音から低音域の表現が甘く、この辺りが分離や定位に効いてくる音源では、奥まった感じもあって良い結果が得られないことがある。中低音から低音の割合が多い音源は、全体的にやわらかい印象となる可能性がある。しかし、管楽器+ピアノを中心としたジャズなどでは、中高音周辺に楽器が集まっており、音抜け、分離、定位が良くなる印象があり、音源によって評価が変わりそう。
 中高音が多めの音源では、全体的に音抜けが良くなる結果、明るく、明瞭な印象が強くなる。このような音源ならばZSTとの相性が良くなって、評価も高まりそう。


☆小音量時の印象

 比較的大きめの音量で試しているときは、『まぁ悪くないよね』ぐらいの印象だったが、かなり小音量にしてみたところ、使い勝手が良いのでは?と感じた。というのも、小音量にしてもボーカル、特に女性ボーカルの明瞭さ、輪郭の明確さ、息の音などが残って、シンバル等の高音域も細く芯のある鳴り方が残っていたためだ。(おそらくBAの特徴。)その結果、全体的には、ベースもそれなりに出て(柔らかい表現ではあるが)、結構フラットで高音域のこまやかさが消えない感じとなる。低価格帯の1DDのイヤホンの場合、小音量とした場合にボーカル域も丸く、ぼやけた感じになりがちなので、低価格帯の中で、小音量で楽しみたい、という人にはZSTはかなり有力ではないか?と感じる。(大音量は疲れる、電車で音漏れが気になる、環境音が聞こえないのは怖いなど。)


■お勧めできる人

 低価格で低音の迫力とシンバルの鋭さ・明瞭さを両立させたドンシャリを求める人。ドンシャリでもボーカルの明瞭さを求める人で安価に良い結果を得たい人。シュア掛け機の低価格帯の良作が欲しい人。初めて中華イヤホンに挑戦してみようと思う人。そこそこ良いイヤホンが欲しいがお金を節約したい人。小音量での使用が前提の人。


■お勧めできない人

 ベースラインの明瞭さを重視する人。バスドラのキレや締まりを重視する人。ボーカル域の表現の上手さを重視する人。


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■雑感

 お勧めの欄が微妙な表現になってしまった。釈明させてもらうと、ZSTは悪い物ではないし、むしろこの価格なら良い物であるのだが、これでなければならない理由が少し弱いと感じてしまったからだ。
 ZSTの良さは『飛び抜けて良い』訳ではなく、中音以下をそれなりにそつなくこなしつつ、中高音以上の音抜けや、シンバル等の高音の分解能や細かな表現を両立させた『うまくバランスを取った』良作という点だろう。そのため、お勧めできない人の項目は少な目になったが、『今日はこれが使いたい』という明確なポイントが弱いかな、と思う。ただ、これは『嫌いになる人が少なそう』ということを示すので、良くできたイヤホンと太鼓判を押しておきたい。
 ボーカル域は音抜けが良くて良い評価をしているが、表現がとても上手いわけではないので、これをセールスポイントにするのは心もとない。個人的なオススメとしては、低音域が控えめの管楽器やピアノ、ギターによるジャズなどだ。中高音の音抜けの良さや分離の良さを活かすことができれば、少額の投資ながら『良いイヤホンで音楽を聴いている!』という満足感が得られるはずだ。
 別項目として書いた小音量時の印象は、かなり良かった。『ニッチなポイントを持ち上げて』と思われるかもしれないが、同価格帯の他のイヤホンに対して優位なのは間違いないし、もしかしたらその点を最重要視する人もいるかもしれないので、特別に記述した。


〇買い物かごの中身の評価


大雑把なお買い得度を評価する指標です。基準はこちらから。

お買い得度 ☆☆☆☆★
使い勝手  ☆☆☆★★
お勧め度
  一般  ☆☆☆★★
  趣味人 ☆☆★★★


コメント

 お買い得度は20ドル以下、2000円弱で購入したとして判定。この価格なら文句なく☆4つ付けて良い楽しさがある。国内正規品の3000円程度で購入とすると☆3つと迷うが、保証やサポートが付く点と、ポテンシャルを考えて☆4つ付けても良いのでは?と思う。使い勝手は、音量も取りやすく、着け心地も良いが、イヤーフックとやや大型の筐体の取り扱い(運搬)を考えると☆3つが妥当かと考える。
 一般には、使いやすさ、国内正規品なら入手性、保証なども良く、音もうまくバランスを取っていると感じて☆3つ。趣味人には、他にも突撃して面白いイヤホンがたくさんあって、今更ZSTを買う必要があるだろうか?と考えて☆2つ。気になっていたり、比較用にというならば、買って損はないので安心してほしい。

今回はAliexpress WooeasyEarphonesで購入しました。
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