○StudioDaydream JRM-OD V5.0について
以前にレビューしています。
大雑把にまとめると…
・ローゲインオーバードライブ
・良く効く2バンドEQ
・ノークリッピングで明るいオープンな感触
といったところでしょうか。
公式が「60年代ブラックフェイス期のアンプサウンドをコンセプトにしたオーバードライブ」としており、これがVemuram JanRayの売り文句とほぼ同じなため、JRM-ODはJanRayコピーと認識されています。回路的にはたぶんそうだし、名前もそんな感じだし…なのですが、最初にJRM-ODを弾いてみたときに、以前にJanRayを弾いた感触と大きく違って「あれ?違うのでは?」と思った次第。というわけで比較してみました。
○JanRayとJRM-ODを比較して思うこと
世の中一般の感覚や、広く認知されている定義と自分がずれている可能性は十分にありますが「JanRayってトランスペアレント系として有名だけど、それって違うくない?」と思っています。BluesBreakerがトランスペアレントっていうのはすごくよく分かるのです。極端に削っていなくて、変に盛っていない感じ。
これに対してJanRayは中低音域が盛られていて、一番低い低音はバサッとカットしてある。それにより、暖かみがありつつタイトな感じを生み出しています。
比較するとJRM-ODは、明らかに中音域がすっきりしていて盛っていない感じです。こちらがトランスペアレントというのは同意できます。中高音域の煌びやかさはJanRayと近いかな?と思います。このあたりはSaturationツマミの設定によって大きく異なってきます。
○どちらを選ぶか考えると
まず、JanRayサウンドが欲しければJanRayを買いましょう。これは間違いない。JRM-ODと明らかに方向性が違うと私は感じました。
JanRayを使うことは、JC-120の硬くて柔らかみが無いサウンドをジュワッと滲んだ暖かみのあるサウンドに仕立てることにおいて代わりが少ないように思います。一方、積極的にEQを効かせて使う方向だと、EQがJanRayの特徴的な中音域に効いてこないので、狙うサウンドによっては「もうちょっとすっきりさせたい」場合に物足りないかもしれません。
一方、JRM-ODは素直なサウンドで、JC-120に温かみや真空管アンプのサウンドを加えるような方向にはマッチしないように感じます。そのため、アンプや前後段のエフェクターでサウンドを作っておいて、そこにイコライジングをかけつつ歪み感を足すのにマッチしているように思います。
両方、便利な2バンドEQによってサウンドメイキングがやりやすいので、ストラトのフロントの音抜けを良くするような使い方であれば、両方ともマッチすると思われますが、JanRayがいなたくて太さのあるフロントの音に着地するのに対して、JRM-ODは抜けが良いハイエンド系の方向に近づくと思われます。