○ケンタウロス系クローンの決定版? Ceriatone Centura
ギター関連やオーディオ関連では「何をしても(感じ取れるかは分からないし、良い方向か分からないけど)音は変わる」と言われています。象徴的なのがケースの素材とか形状(大きさ)ですかね。理想的な状態では変わらないのですが、実際に理想状態は作れないし…というところで変わるとか変わらないとか。
そういう「ケースで音も変わる派」を黙らせるレベルのケンタウロスクローンがCeriatone Centuraです。基板の配置・配線まで本物準拠だそうで。実際に出音の評価も高く、本物を持ち出すのは怖いという人に重宝されているらしい。
今回借りたのも、友人が「昔に本物を買ったが持ち出し用とか比較用に買った」もので、所有者の友人が弾き比べをしたところ「持っている本物の方が僅かに歪んで力強い感じがするけど、本物間の個体差や製造時期の差の範囲内だと思うので、Centuraの元ネタがこうなのかも」と言っていました。
○比較するのはStudioDaydream KCM-OD Gold Ver.9.0
さて、今回の本題である比較はStudioDaydreamのKCM-OD Gold Ver.9.0です。愛用しています。サウンドが好みなのも高ポイントですが、頑丈な作りで質感が高く、安心感があるんですよね。(私と違って)現場でバリバリ使う人にとっては、この頑丈さは頼りになるのでは? 以下では本物同様のゲルマニウムDクリップにしています。
人気の高いスタジオデイドリームのKCM-OD ゴールドを買いました。ケンタウロスクローンとして有名ですが、テイストを残しながら良質で使い勝手の良いオーバードライブ、もしくはブースターとして仕上がっています。お勧めです。
○サウンドの比較
比較時は、ケンタ系はバッファーが効いているため、完全に切り替えるようにしました
・共通するところ
低音が失われ過ぎず、高音も出過ぎず落ち過ぎずで、良い意味でレンジがまとまる
バリバリとかジリッとしたゲルマ由来の歪み方
クリーンブースターでは艶を足す感じ
強く歪ませても潰れすぎず芯は残る感じ
トーンを上げると結構ハイがキツイ
ちょい歪んだエフェクターやアンプをプッシュするのは両方最高
・比較すると
KCM-OD Goldの方が中低音がしっかり
Centuraは中高音が派手で、荒っぽい、乾いた質感の歪み方
トーンの調整で音は近づくが根本的に違いがある
KCM-OD Goldの方が解像度が高くてコードの分離感がある
Centuraのコードの分離感も悪くはないが、荒っぽさが派手さに繋がっている
緻密に組み上げるタイプの音楽はKCM-OD Gold
勢いとか初期衝動が重要ならCentura
ヴィンテージテイストを求めるならCenturaかも
あえて選ぶならCenturaがレスポールに派手さを付け加える
あえて選ぶならKCM-OD Goldでストラトのブリッジポジションに太さを加える
○比較してみた結果
もともと「KCM-OD Goldは本物の完璧コピーを狙ったものではなくて、サウンドのベースにしながらブラッシュアップしたもの」と分かっていたので、違うことに驚きは無かったです。むしろ、結構近い質感を出しながら、違いを上手く出しているなと思いました。
それに、KCM-OD Goldはクリップ変更とかバッファーON/OFFがあり、電源系も結構安定している(頑丈にできている)ように思います。筐体も大きすぎず小さすぎず、質感も高いです。このあたりをどのように評価するか?と感じました。
どちらを選んでも間違いは無く、好みに合えば優劣は無いと思います。アンプやギターとの相性で判断が変わりそうな気もしますし。ジョン・メイヤーファンがケンタウロスの代わりにCenturaを買うのはアリだと思うし、高コスパを求めてKCM-OD Goldを選ぶのも良い。それぞれについて唯一の注意は、Centuraは「本物の電源ICの繊細さという弱点を引き継いでいること」と「KCM-OD Goldに本物そのままのサウンドを求めると違うこと」だと思います。KCM-OD Silverの方が原作に忠実に…らしいので気になる…