バランス駆動でイヤホンを試してみようというVenture Electronics & aune audio Review Tourの第3弾は、Venture Electronicsのカナル型のイヤホンDUKEを紹介します。
バランス接続Ver.も選択可能な珍しいイヤホンとなっています。また、VEでは唯一のカナル型になっていますね。こちらの評価は、今回のツアーでお貸しいただいていますaune audioのM1s(レビュー記事)を用いて行いました。
時間の都合で詳しくは取組めませんでしたが、ぜひご覧ください。
参考
VE & aune audio Review Tour シリーズはこちら
企画の全体像はこちら 概要とはじめに
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レビューに関する決め事はこちら
〇無理矢理一言雑感
高音域の鋭さがあり、全域がクッキリとした表現でパンチがある
〇レビューツアーでのDUKEの取り扱い
弊ブログを見ていただいている方は分かるかと思いますが、私はカナル型のイヤホンを良く使っていますし、好きですし、レビューも最も多いです。これは、現在の日本国内の人気も意識して取り組んでいます。
Venture Electronicsのイヤホンは、ややマイナーなインナーイヤー型がどちらかというと有名です。その中の唯一のカナル型イヤホンであるDUKEをインナーイヤー型と一緒に取り扱うのは難しいと思いましたので、DUKEのみ別枠で紹介しようと考えた次第です。
(VEのインナーイヤー型を比較した記事)
〇Venture Electronics DUKE
バランス仕様とアンバランス仕様でケーブルが違うかもしれませんが、バランス仕様は、やや太めのケーブルになっています。取り回しはそこまで良くありませんし、タッチノイズもやや気になります。本体はかなり小型で、軽く仕上がっており装着感も良いです。見た目はfinalのEシリーズなどに近く見えますが、更に小型に仕上がっております。構成はダイナミック1発となっています。
〇Venture Electronics DUKEのレビュー
■全体の印象
かなり高い周波数に鋭いピークのあるドンシャリ。ハイ上がりとは言えないぐらいに低音が出ているが、量自体はそこそこ控えめ。
バスドラのアタックにキレがあり、ボーカルも明瞭で、シンバルは鋭さがある。その結果、全体の印象が派手でパンチがある。特に、高音の鋭さをキツいと判定して大きく減点するか、明瞭でキレがあって良いと判定して加点するかで好みが分かれそう。
音量は取りやすい。またバランス仕様も選択できる。
■各音域の印象
ベース、バスドラのアタックが明瞭で、バスドラやタムのヘッドを叩くバチンという音が際立っている。重低音から低音の量は控えめ。アタックの明瞭さがあり、キレのある低音を鳴らす。
ギターのディストーションのエッジ感は良く出て鋭さがある。どちらかというと力強いドライブサウンドの方が得意。高音域の持ち上がってくるポイントが、ギターのキレに効いてくる範囲よりも高い所に有るようで、高音の鋭さの割にギターの音抜けは普通で、やや奥まった感じ。(次の人に発送のために梱包後に思ったのだが、他の音がクリアで明瞭な分、落ち着いて聴こえるだけで、よくよく比較すれば十分にクリアなレベルだったかもしれない。)
ボーカルは明瞭でクリアさがあり、息の音は大きめに出て、サ行やパ行は刺さり気味。生っぽさはそれなり。女性ボーカルの方が明瞭さがある。量自体は男女で同じぐらいに感じるのだが、男性ボーカルの方がドラムとギターに埋もれる感じがある。(音源にもよるが。)バイオリンは、弦のザリッとした成分は控えめで、どちらかというと滑らかな表現。楽器由来の響きはそれなりに出ており悪くない。
シンバルは高い音に鋭いピークがあり、細く芯のある高音を鳴らす。鉄琴等はかなり明瞭に鳴らす。シンバルのアタックの『カン』という音よりも、『シャーン』というスプラッシュの派手な感じが目立つ。そのため、スプラッシュを連打するようなシーンで、分解能の高いイヤホンなら抑揚やアタックも分かるが、DUKEだと『シャーシャーシャーン』となり続けた感じになりやすい。また、すこし強めに叩いたシンバルは刺さりやすく、キツいと感じやすい。
手元に届いた状態で、ツアー最初の人はあまり鳴らせていないと言っていたし、主催者のREVさんもある程度慣らしをしただけ、と言っていたので、高音のキツさは慣らし不足が原因では?と考えた。そこで数日間鳴らしっぱなしにしておいたのだが、多少刺さりが収まり、ボーカルの明瞭さが増したように感じる。購入後に刺さりが気になる人は、しばらく鳴らしっぱなしにしてはどうか?
■バランス接続とアンバランス接続
基本的には、第一弾の比較レビューの時のインナーイヤーと傾向は同じ。
バランス接続にすると空間的な広がりが増して、高音の抜けが良くなる。DUKEの場合は、高音に鋭さがあるため、音源によっては、ややキツさが増す結果となる場合がある。アンバランスだと逆に、音場が狭くなるように感じるが、マイルドな方向に変化する。
DUKEとインナーイヤーのMONKは価格帯もタイプも違うが、音の輪郭がはっきりしているという意味で、同じ方向性にあるを感じる。
■その他聴こえ方
中音域のソースの粗は分かりにくいが、サーノイズは出て、高音域の歪みなどは聴き疲れの原因になりうる。ホールの反響は鳴らし、特にバランス接続にて音の広がりを感じる。打ち込み系の表現は、キレのある低音と高音域との相性が良い。
高音の鋭さと、明瞭なバスドラのアタックで勢いがあり、ノリのある楽曲との相性が良い。しっとりとした曲でも派手になりがちだが、息の音が多めに出て、ハスキーボイスの女性ボーカルが近くに感じることがあり、これはこれで悪くない。
音量は取りやすい。ホールの反響はそれなりから控えめ。
■お勧めできる人
高音の鋭さのあるドンシャリ系イヤホンを好む人。全体にわたって明瞭というか、くっきりとした音で、響きの感じを好まず、すっきりとした表現を好む人。
やや滑らかな方向性となるがバイオリンの表現も悪くないので、それを好む人へ、なのだが、ホールの反響は少なめなので、そのあたりは考慮の上。
■お勧めできない人
高音域の刺さりが苦手な人は避けた方が良い。柔らかさや響きの豊かさも少ないため、そのあたりを重視する人。中低音が控えめのため、男性ボーカルの太さや力強さや、チェロの表現を求めるような場合は避けた方が良い。
■雑感
カルボメッツォに似ているかな?と思って比較してみたら、案外そんなことはなかった(苦笑)カルボメッツォより高音を鋭くして、低音を控えめにして、ボーカル域の明瞭さを増した感じ。(それは全く似ていないのでは?)
ただ、ドラムヘッドを叩く『バチン』という音が目立ってくる感じは近いものがあり、カルボメッツォにもう少し音抜けの良さを求めると合うのではないか?と思う。
シンバルのアタックや鉄琴のような高く細い音も細かく鳴らしているが、スプラッシュがきつめに鳴るため、こちらが目立つあたりが好みに差が出そうだと感じる。
〇買い物かごの中身の評価
大雑把なお買い得度を評価する指標です。基準はこちらから。
お買い得度 ☆☆★★★
使い勝手 ☆☆☆★★
お勧め度
一般 ☆☆★★★
趣味人 ☆☆☆★★
コメント
200ドル(=2.2万円)購入時で判定。悪い物ではないが、2万円あれば他に選択肢がありそうというのが正直な感想。(海外通販で直接購入する必要があってこの値段、というのもマイナスポイント。)というわけで☆2つ。使い勝手は、小型で音量も取りやすいが、ケーブルやや太めでタッチノイズがマイナス点で☆3つ。
お勧め度は、一般向けには、情報が少なく、海外通販での購入となることや、高音の鋭さの好みが分かれそうで厳しく☆2つ。趣味人には、バランス接続を選択できる点がプラスポイントで、くっきりとした音の表現や高音域の鋭さは競合が少なめで積極的な選択の理由となると考えて☆3つ。
中音から高音の鋭さはメリットと感じ、特徴があって良いと感じるのだが、刺さりやキツさが私にとってマイナス要因が強すぎた。また、私の中で同価格帯で比較対象が少ないのもあり、厳しく評価しすぎている可能性もあるので、その点はご了承願いたい。
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