aune audio(公式サイト)は、DAPだけではなくて、据え置きアンプ、真空管アンプやポータブルヘッドホンアンプなど、各種製品を開発製造するブランドです。
(取扱:七福神商事)
なかなかストイックな商品となっていまして、端正な風貌と、明瞭ですっきりした表現はなかなか良いと感じました。
参考
VE & aune audio Review Tour シリーズはこちら
企画の全体像はこちら 概要とはじめに
それでは、使い勝手やxDuoo X10(レビュー記事)との比較などを中心に見てゆきます。
※スポンサー
〇aune M1sの興味深い点
スペック的な面は公式などを見ていただくとして、個人的に面白いなと思ったのは、電源周りの仕様です。各IC用にリニアレギュレータを設置しています。電源が5Vだったり3.3Vだったりなので都度作るという可能性もありますが、おそらくこれは音質面で有利と考えたのではないか?と思います。ICからみて電源のインピーダンスも下がりますし、他のICの負荷状況に影響を受けないでしょう。ただ、どこまで有効かは正直分かりかねますね…。この辺りの情報が公開されていることは少ないので、標準的な構成なのかもしれませんが、PRしているということは『こだわったポイント』ということかな?と思っています。
ちなみに、auneなのかaune audioなのかは微妙なところです。商品紹介ではauneだけのことが多いので、こちらで統一しました。
〇操作感をチェックする
電源オンからの立ち上がりや、スイッチ操作に対する応答はとても軽快。
真ん中の大きな丸は2つに分かれていて、真ん中は再生/停止や決定ボタンで、周りは十字キー(回転ホイールではない)になっている。操作自体にはクセもなく、説明書を見なくても簡単に操作できる。(←私の良くないクセ)
この丸ボタンと十字キーは、見た目よりもストロークが長くて、付属のシリコンケースを付けると特に『へごっ』ってなり、ちょっと節度が無い感じ。マイナス点をする内容ではない。
表示は文字のみでアートワーク不可。個人的にはアートワークに重要性を感じていないためマイナス点は無し。
操作、表示系で惜しむらくは、インジケータLEDが無いため、止めた(電源消した)と思っていたら再生しっぱなしだった、という状況になっても、画面を付ける(ボタン操作をする)ことをしないと分からない。ほんのすこしだけ気になった点。
曲間の『ぷっ』という信号が途切れた時のような音は、xDuoo X10よりも小さいながらある。FWアップデートなどで変わっているかもしれないが、いかんせんレンタル品なので試しきれず。
左がM1s 右がX10 兄弟みたいなサイズ感と形状
操作感に総じて不満はない。ただ、写真を見る限り、もう少し小さいと思っていたのだが、手に取ってみると結構大きい。安価で小さなDAPやShanling M1より大きいxDuoo X10よりも更に大きく、AK70やXDP-30Rよりも細長い、というサイズ感がどう受け止められるかは微妙なところ。AK70とXDP-30Rあたりと体積自体は似たようなものなのだろうが、縦横比がM1sの方が長い関係で、どうしても大きく感じやすい。
〇xDuoo X10と音を比べてみる
たくさんのDAPを比較した経験が無いので自信はないのだが、比較的に近い方向性に感じる。どちらかというと『すっきり&明瞭』という印象。
端的に言って、aune M1sの方が総合力は上。ただし、2つを比べれば、という前提で、ブラインドテストされると私では判別がつかないだろう。
低音量が若干多いのがxDuoo X10で、低音の潰れ感もX10の方がある。一方、M1sは全域、特に中音域から高音域にかけての分離が良い。好き嫌いと言う問題はあるだろうが、X10の方が好き、という人に聞いても、M1sの方がキレや抜けが良いのは認めてもらえるのではないか?と思う。
バランス出力とアンバランス出力をVenture Electronicsのイヤホンで比較すると、バランスの方が更にスッキリでキレがある方向性となり、アンバランスの方が少し柔らかく聴きやすい方向性になる。
〇買いか?
ここでは、読者が買いかどうか、ではなく、私が買うかどうかについて述べたい。
定価27000円程度で、リケーブル対応イヤホンにてバランス対応を試すことができる点などは評価できるし、音もX10よりも良いのは評価できる。ちょっとカクつくX10に比べて軽快な操作感のM1sの方が良い。
ただ、買うかと問われると『今回は見送り』
というのも、X10を持っている自分が、わざわざ3万円弱を払って買い足すほどの差異は無いと感じたし、買うことで増える主な『出来る事』はバランス出力に対応できること、だからだ。(バランス出力対応のイヤホンを持っていない点も判定基準のひとつ)
また、サイズアップが厳しく、X10でギリギリ入るケースなどで運用している都合で、ケースを新調しなければならない等、自分の中でX10を運用する環境を作ってしまったのが、見送りとした理由。X10を高値で買い取ってくれる、とか、X10を買う前、だったとするとaune M1sを選択していた可能性は高い。う~ん、M1sにしておけばよかったかな?
2017年7月末時点では、バランス出力対応のXDP-30Rが大幅な値下がりによりM1sと同等、もしくはより安価になってしまっており、XDP-30Rがタッチパネルでアートワーク表示という分かりやすいメリットがあるため、M1sの優位点が薄れてしまっており、M1sにとっては不遇と言わざるを得ない。なかなか良い物だと思うので、試すことができたら少し比較検討してもらえると嬉しい。
〇買い物かごの中身の評価
大雑把なお買い得度を評価する指標です。基準はこちらから。
お買い得度 ☆☆☆★★
使い勝手 ☆☆☆★★
お勧め度
一般 ☆☆☆★★
趣味人 ☆☆☆★★
コメント
値段なりかそれ以上の音が出ているし、少し安いX10よりも音質面でポテンシャルの高さを感じ、価格差分の価値があると考え☆3つ。ただ、X10がセールなどで値段が下がったりするのを見ると、やや分が悪い。バランス出力を重視するなら☆4つ。使い勝手は、操作感の軽快さなどが高評価だが、やや大きいサイズ感がマイナス要因で☆3つ止まり。
一般向けのお勧め度としては、比較的安価に、アートワークが表示されない等ストイックな点、メリットの一つであるバランス出力対応が、一般向けに訴求力があるか?と悩んで☆3つ。ライバル機種の値下がりなどで厳しめの評価をせざるを得ないように感じる。
趣味人向けとしては、なかなか音が良いと思うので、一度手に取って試してほしいと考えて☆3つ。持っていないので評価しようがないが、アンプとのマッチングなどにより、評価が大きく向上する可能性も十分にありうる。
ラベルのヘッドホン・イヤホンから他の商品のレビュー、またはラベルの買い物かごの中身から各種レビュー記事が閲覧できます。