これまでiPod程度しかDAPを持っておらず、ポタフェス大阪に参戦することを考えると、もう少しまともなものを1台手配する必要があるなと考えて購入しました。
今のところ、まともなDAPはこれしかないので音質のレビューは厳しいところがあるので、その辺は軽く言及します。使い勝手等に注目してレビューしたいと思います。
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〇xDuooって?
エックスデュオと発音します。中国は深センにあるメーカでアンプやプレーヤーなんかをOEM開発・生産している会社の独自ブランドのようです。いや、詳しくは知らないので、そんな感じと思っておいてください。
xDuooの製品は、価格の割にスペック(使用IC)や対応規格などが良いというのが特徴です。じゃぁ最高じゃないか!と思いますが、ソフトの面が甘かったり、表示液晶が弱かったりと、ある意味で価格のバランスが取れていると思います。
なんだか悪く言っているように見えますが、結構気に入っていますよ。それでは詳しく見てゆきましょう。商品はこちら↓ リンク先は国内正規品となります。
〇xDuoo X10外観
〇スペック概略
詳しいスペックはメーカサイトを見ていただいた方が良いですね。(日本と中国)使う上で関係してきそうなスペックを示しておきます。
連続再生時間:9時間
出力:240mW (32Ω負荷時) /THD+N<0.0025%
記録媒体:MicroSD max128GB 2枚挿し
規格:DSD対応、PCM 24bit/192kHz
ちなみに、mp3はもちろん、WMA、flac 24bit/192kHz および 24bit/96kHz等を問題なく再生しています。
出力に関しては、ほとんどのイヤホンは十分な出力が得られると思います。私の手持ちで、それなりの駆動力が必要なものはヘッドホンのAKG K612 PRO(120Ω 92dB SPL/mW)がありますが、こちらを使用した場合も十分な音量が得られます。
底面にゲイン切り替えスイッチがあります。切り替えると確かに音量が変わりますが、そこまで大きな差ではありません。ですので、切り替える程の意味有るのかなぁ?と思ってしまいます。
値段の割にスペックが良いというのは、高級機に使われることが多いICが採用されている、ということも含まれます。ざっと並べますと…
・AK4490(DAC)
・OPA1612(アクティブフィルタ?)
・MUSE8920(電圧増幅?)
・LMH6643 (出力段?)
という感じです。カッコ書きは中国サイトの感じから推察したもので、信頼性は低いです。日本の売り文句ではDACとMUSEだけが出ていますが、OPA1612もTIの音響を意識したオペアンプですし、LMH6643も省電力でなかなか優秀なアンプのようですね。(LMH6643の性能と使い方で音の大部分が決まってしまいそうですが…)
〇使用しているMicro SDカード
私はSanDisk派でして、最近はすべてSanDiskを選択しています。調べた限りでxDuooの推奨の規格や転送速度というのが分かりませんでしたので、えいやーと買ったのは以下になります。
SDカードの選択の基準、使用上の注意点など別記事にまとめましたので、
そちらをごらんください。
【xDuoo X10用】MicroSDカードに関する注意点
〇音質について
今回、DAPは初導入(iPod系は除く)ということで、詳しい音質のレビューは難しいと考えています。とはいえ、何か有用な情報を、ということで、簡単にレビューしたいと思います。iPod touchとの比較とはなりますが、もし買ってみようか?と思っている人のお役に立てれば、と思います。
全体の印象は『すっきり系』。PC用のUSB DAC+HPAのTOPPING D3との比較となると低音が控えめに感じる。D3自体が低音が多い(しかもドンシャリで派手な)ように感じるので、X10が普通程度だと思う。
K612 PROを使うという条件でiPod touchと比べると、低音の量自体はiPod touchの方が多いように感じるが、X10の方が締まった低音を鳴らす。全体的にX10の方が繊細で、iPodだと音が混ざって分解能が落ちるようなところでも、X10はそれぞれの音の輪郭を残す感じ。また、X10の方が音場が広く立体感があるように感じ、iPodはのっぺりとした印象。
と、ここまでは同じ音源での比較。
ハイレゾ音源と言わなくても、CDからのロスレス音源を鳴らした場合は、音の立体感や繊細さが上がります。同じ曲で圧縮音源とロスレス音源で比較すると、ボーカルの生っぽさが加わって『おっ!』と思ったりします。
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〇細かなマイナスポイント
致命的な問題には当たったことはありませんが、ちょっとした不便があるのも事実です。iPod touchなどのこまかな使い勝手が良いためか、それと比較してしまうと辛い所があります。とりあえず列挙してみます。
・画面が小さく暗めなため、日中の外では見にくい。
・早送り&巻き戻しが遅い(細かいと言うべきか)
・イコライザが無い
・音量調整ボタンで曲送り、早送りを押しても反応しない
(中央の〇ボタンを押して、再生画面に戻る必要がある)
・電源を切ると曲の最初から再生
・SDカードはFAT32フォーマットが必須
・全体的に動作がカクカクする感じ
・熱を持ちがち
・曲と曲の間でプチノイズ
・先頭の音切れ(0.1secぐらいかな?)
正直、とりあえず気になったところを挙げただけで、大して問題視していませんが、このレビューを読まれている方が気になるであろう、熱とプチノイズ、音切れについては少し書いておきましょう。
■発熱について
ポケットやケースに入れた状態で運用したり、ベッドのような熱を逃がしにくいものの上で使用する場合は、しばらくすると結構暖かくなります。テーブルの上などであれば問題は感じません。
やばい温度までは上がりませんが気になるのは確かです。(ちなみに電子部品の使用最高温度は85℃ぐらいが多いです。)逆に『放熱が良い』という考えもできなくはないですが…。(熱源は電源かなぁ?DACかなぁ?)
■プチノイズと音切れについて
プチというか『ぷっ』という信号が途切れた時のような音が曲と曲の間、曲送りをした時に聴こえます。聴こえない時もあります。
また、予想ですが、音切れがプチノイズの原因っぽくて、音源の先頭にも音がある場合は、それが再生できずに、途中から動き出すことでプチノイズが出るのかと?
音切れは0.5secぐらいあると書かれている人がいますが、それはさすがに長い気がします。もう少し短い、0.1~0.2secってところだと思います。それでも不満点ですが…
私は、気に入った曲を一つのフォルダにまとめて入れて聴くタイプで、曲の繋がりを気にしないタイプなのでプチノイズが(自分の中で)気になりにくいタイプです。しかし、アルバムCD1枚を作品として捉えて、繋がりも重要視されるような方は、気持ちを途切れさせる気になる不具合+ノイズになるでしょう。
〇気に入っている点
なんやかんや書いてますが気に入っています。
音に関しては比較しにくいとは言いながらも、脚色感の少ない気がします(個人的にDAPで音を決めて欲しくない)し、必要最低限の能力があるように感じますので、この値段なら満足しています。なにより、様々なフォーマットの音源を気軽に再生できるのはありがたいですね。
細かなプラスポイントは、音量調整がかなり細かい点、出力が大きくてヘッドホンも十分に駆動できる点、起動が速い点(というか普通。めっちゃ遅いものも存在するらしい。)、ライブラリの更新が結構速い点などが挙げられます。
購入前に調べた時に、いろいろなブログで、不具合情報がある(具体的には書いていない)みたいな記述が多かったりして結構不安だったのですが、アップデートでマシになったのか、先述の不満ポイント以外では問題は発生していません。もちろん、プチノイズと音切れを重大な不具合と見るのであれば、避けた方が無難だと思います。
〇購入元について
先ほどAmazonのリンクを掲載しましたが、AliExpressでも購入できます。その場合は、良ければWooeasy earphonesさんをどうぞ。(X10はこちら)
〇買い物かごの中身の評価
大雑把なお買い得度を評価する指標です。基準はこちらから。
お買い得度 ☆☆☆★★
使い勝手 ☆☆☆★★
お勧め度
一般 ☆☆☆☆★
趣味人 ☆☆☆★★
コメント
スペック(構成)を考えるとコストパフォーマンスは高いように思います。実際、使用ICに名前負けしないような音も出ているように感じます。ただ、2017年現在、かなり魅力的なDAPが多数投入されており、高&低価格帯関わらず、非常に悩ましく、楽しい時代と言えます。その中で、負けるとは思わないがぶっちぎりで勝てるとは言いがたいと考えて、お買い得度を☆3つ。
使い勝手は、いろいろ書いた点がマイナスですが、比較的小型で運用も楽なので☆3つ。
一般向けのお勧め度は、比較的低価格で各種ハイレゾ音源に対応したDAPとして高評価を与えようと考えました。また、AliExpressで購入できる他、日本での輸入代理店もあることから入手性も良く、試聴機も置いてあることが多いこと、比較的安価で気軽に楽しめることから☆4つ。
趣味人向けは、先に話した通り、かなり多種多様なDAPがラインナップされており、できるだけ安くなのか、超高音質を狙うのかで選択が変わると考えて☆3つとしました。
FiioやAstell&Kernに比べてマイナーというか注目度が低いxDuoo。低価格というとShanlingの方が人気があったりして。う~ん。主流になってほしいとは言いませんが、もうちょっと人気が出ても良いと思いますが。
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