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2017/05/19

実検するおじさん

【レビュー】CARBO MEZZOは低音の力強さとキレの良さによるパンチが真骨頂

低価格帯で人気商品を多く輩出するZERO AUDIOのカルボメッツォのレビューです。 

弊ブログにおいてZERO AUDIO ZERO BASS ZB-03のレビュー記事が人気記事となっておりまして、世間の注目度の高さを思い知っております。そんなZB-03と同時に発売されたのがこのCARBO MEZZO ZH-DX220-CMです。


こちらも人気商品となっております。それぞれのキャラ付け(商品の立ち位置)がはっきりしたZERO AUDIOにおいて、カルボメッツォとZB-03は価格帯が近く、共に締まって力強い低音という特徴を持ち、悩まれる方も多いのではないか?と考えてレビューすることにしました。

色々と調査する中で、小音量で使用するとドンシャリ具合が弱まってバランス型にぐっと近づくことが分かりました。小音量での使用であればバランス型と言っても良いのでは?と思うほどです。(ちょっと言い過ぎました。)この辺りも言及したいと思います。

追記:ZB-03と比較した記事を書きました!


参考
【レビュー】ZB-03は力強く締まった低音が魅力


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レビューに関する決め事はこちら


〇無理矢理一言雑感


 力強くキレのある低音のパンチが効いており、迫力を求める人は試す価値がある。
 なお、小音量で使用すると印象がかなり変わり、バランスが向上して、全域で明瞭で低音が少し効いた印象となる。


〇ZERO AUDIO カルボメッツォを買ったきっかけ


 2016年9月頃に発売され、当時、低価格で優良な製品を販売するZERO AUDIOの新商品として注目されていました。その後、順調に売り上げを伸ばしているようで、低価格イヤホンに注目する弊ブログとしては外せないと判断しました。
 ドンシャリタイプにはZB-03(レビュー)もあるのですが、そのあたりと、どのように違うのかも気になったのが購入理由です。


〇ZERO AUDIO CARBO MEZZOについて


 カルボメッツォは正式名称は、CARBO MEZZO ZH-DX220-CMという名前です。人気商品をいくつも出しているカルボシリーズの最新作になります。(2017年5月現在)
 
 その中でも同じ価格帯で大人気商品となっているカルボバッソ、カルボテノーレと並行販売ということと、音の傾向を考えるに、バージョンアップというより、キャラ違いの別商品と考えた方がよさそうです。

 ケーブルはいわゆる『きし麺』のフラットタイプ。これは好き嫌いが分かれそう。見た感じは重厚そうですが、サイズの割にかなり軽いですね。作りもゼロオーディオ全般に言えることですが良いクオリティーです。


〇カルボメッツォのレビュー


今回取り上げているのはこちら。価格はリンク先からどうぞ。


■全体の印象

 ドンシャリ。低音は締まり、力強さがあってキレがある。ベース、バスドラやタムのアタックが非常に明瞭で、ノリが良くて勢いがある。中高音域から持ち上がっており、ギターやシンバルなども勢いがあり派手な印象。ボーカル近辺は派手な低音や高音に埋もれずに聴こえてくるが、繊細さや生っぽさは控えめ。力強くキレのある低音と、ギターやシンバルの勢いの両立を求める人なら、ピタッと嵌って、かなりの高評価になるかもしれない。
 音量は取りやすい。ただし、音量を大きめにすると低音や各種アタック音が強くなり、刺激が強くなりすぎるかも。


■各音域の印象

 ベース、バスドラ、タムのアタックが強い。重低音と低音は共に良く出ている。締まりがあり、キレがかなりある低音が全体の力強さを出していて、このイヤホンのキャラを決定づけている。バスドラやタムは、ドラムヘッドを叩く『バチン』という音が強調されて聴こえるため、リズムが明快で勢いがあってキレがある

 ギターのディストーションのエッジ感は良く出る。力強いギターや、乾いてキレを重視するようなギターの両方を、それなりに上手くこなす。どちらかというと力強いギターの方が得意。

 ドンシャリ傾向だがピアノやバイオリンも篭ったりしすぎずに明瞭。そのため、各音域は派手なのに、大きく窪んで聴こえにくい音域があまりないように感じる。(正直、ちょっと不思議、というか上手くまとめていると思う。)ピアノは響きは少なめで、柔らかさと音抜けは中庸。バイオリンは弦がザリッとなる成分は出すが、繊細さや細かな表現はいまいち。サックスやトランペットは、響きは少な目ながら明瞭。

 ボーカルは明瞭。どちらかというとクリアな方向性だが、細かな表現や生っぽさは控えめで繊細さにやや欠ける。息の音は出す。サ行やタ行の痛さは気にならなかった。音源によっては、ボーカルの擦れや息の音のような付帯音が強く出て、クリアさの邪魔をしているようにも思う。(金管楽器などでも近いことが起こる)

 シンバルは明瞭で、強く鋭い。大きめの音はやや潰れ気味。その割に、小さめの音で細かな表現なら、なかなかうまくこなす。サスティーンは中庸か、やや長め。超高音域も出ているが分解能は低めで潰れがち。

 どの楽器にせよ中低音から中高音の音を出す楽器はやや大雑把な表現。これは悪いことだけではなくて、コンプが効いたような表現が打ち込み系への適性やノリの良さに繋がっている。(後述する)


大雑把な聴こえ方は普通はボーカルが強いことを念頭に置いてもらって、
バスドラ&ベース>タム≒シンバル等高音域>ボーカル≒ギター&ピアノ
というような印象。


■小音量時での使用

 他のレビューでも音量を大小させてチェックするのだが、印象の変化が大きかったので特記する。ここまで書いているような低音の主張と高音域の派手さは、ある程度大きな音量で使用した際の感想である。ここで、移動時の使用を想定し音量を落とし使用してみると、低音が盛り上がって、高音域までなだらかに下がるカマボコのような印象となり、バランス型にぐっと近づく。(iPodで1/3ぐらいとした時)
 低音の主張は弱まるが、キレのある低音は効いているし、シンバルは埋もれずに細かな表現も鳴らす。ボーカルも明瞭さを保って、他の音域との音量差がぐっと縮まる印象となる。また、ギターのキレも残るため、物足りなさを感じにくい。以上から、使用する条件によって評価が大きく変化しうる。


■その他聴こえ方

 ソースの粗は中低音~中高音では分かりにくい方だ。ただし、サーというノイズは多少鳴らす。ホールの反響などは比較的出す方で、ホールで録音されたバイオリンソロなどを聴くと空間的な広がりはまずまずだが、バンド演奏のような複数の楽器が同時に鳴るような音源だと、全体(特に中音域)がのっぺりとする感じがする。

 打ち込み系の表現はかなりうまい。低音の力強さ&キレの良さと、高音の派手さ、中音域のやや大雑把な表現による。ドラムとベースのアタック、ギターのエッジの効いた音が全体を引っ張り、低音の量感も相まって、勢いのあるロックやポップスに適する。
 聴き疲れる感じは低音起因で有る。高音がきつい音源だと高音の痛さも出るが、まだマシな方と評価したい。 


■お勧めできる人
 
 ロック、ポップス、打ち込み系が好きで、勢いやパワフルさを求める人に。また、キレがあり、力強い低音が好きな人は試す価値がある。また、ドンシャリだがボーカルは明瞭だし、ギターのキレも出るので、この辺りの明瞭さを求める人へ。
 中音域のコンプの効いたような表現と、低音&高音の力強さで打ち込み系への適性が非常に高いように感じる。


■お勧めできない人

 中音域の繊細さを求める人は避けた方が良い。明瞭さは悪くないのだが、細かな表現となると苦手で、一本調子なところは否めない。ベースやバスドラが効いているので、この辺りで聴き疲れをする人も避けた方が無難。
 高音域も量は出ているのだが、分解能は低め。これに対し、ZB-03は中音域は柔らかいのだが、超高音域はより細く、より細かな描写まで鳴らすので、シンバルの表現を重視するなら、ZB-03を試してみても良いかもしれない。


■雑感

 可愛げのあるアイドルソングでも、ベースとバスドラをゴリゴリ効かせて、力強い感じにしてしまう傾向はあるが、そこさえ理解していれば、引っ込んだ音域が実は少ない。低音域のキレ・力強さに起因する勢いのある音がこのイヤホンの真骨頂であり、この点が気に入ったなら買って損はしない。逆に、これが評価できないなら別をあたった方が良い。

 先にも書いたが、中低音から中高音の音を出す楽器は、響きは控えながら音抜けも悪くない。しかし、細かな表現が苦手で、上手くマスクされた印象。なので、打ち込みでアコースティックな楽器を模擬したような音源の場合にも、偽物っぽさがうまく隠されてノリ良く聴ける。

 小音量時にドンシャリ度合いが弱まってバランス型に近づくのは少し驚いた。また、その時には、空間的な広がりがやや広がって、表現が繊細な方向に少しシフトする。劇的に変わるとは言わないので過度の期待は厳禁だが、試聴するなら普段使用する音量でチェックすべきだ。

 特徴的な低音と、強めの高音の割に中音域がよく聴こえる。この値段でこれを実現しているのは地味にすごいことかもしれない。しかし一方で、聴こえているがために中音域の質を評価対象になって評価が厳しくなってしまっただけのような…


〇買い物かごの中身の評価



大雑把なお買い得度を評価する指標です。基準はこちらから。

お買い得度 ☆☆☆★★
使い勝手  ☆☆☆☆★
お勧め度
  一般  ☆☆☆★★
  趣味人 ☆☆★★★

コメント
 お買い得度は5000円購入時で判定。全体の完成度は決して悪くないのだが、5000円を切った価格帯に有力なライバルがひしめき合っているため、やや厳しめに☆3つ。時間が経って値段が少し下がれば4となる。きし麺ケーブルという点さえ好きであれば、音量も取りやすく、ケーブルの頑丈さもあって使い勝手を☆4つ。ただ、マッチする楽曲はやや狭いかなと感じる。
 日本メーカである安心感と、入手性も良い(試聴機も多い)く、一般向けのお勧め度としては高評価だが、かなりノリが良いタイプで、好き嫌いが分かれる可能性があると考え☆3つ。小音量での使用時にはバランスが改善するので、もうすこし高い評価としても良い。この辺りは普段の使用環境によって左右されるだろう。
 趣味人には、キレや締まりのある音が嵌れば買った方が良いと思うが、中低音域以上の分解能がやや物足りないと考えて低めに☆2つ。ただし、中音域の大雑把さを利点のひとつと判定するのも十分に理解できるのでこれを積極的に評価し、低音の質を高評価して☆4つとする人がいても反論はしない。

※参考
 ZB-03レビュー記事:【レビュー】ZB-03は力強く締まった低音が魅力
 ZB-03との比較記事:ZB-03とCARBO MEZZOを徹底比較【比較レビュー】

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