後に書きますが、人のために撮るのは『やりがい』があります
途中、撮影頻度が下がったことはあれど、私にとってここまで自発的に続けてきた事は無いといって良いでしょう。伸び悩みを脱する考え方(経験)などをまとめてみようと思いました。
技術的な内容は全く触れません。取り組む姿勢とか気持ちの置き方とか、そういう内容になります。『最近撮影してなくて』とか『伸び悩んで飽きてきた』とかそういう人の助けになればと思います。
一応、撮影趣味をベースに書きましたが、各分野に通じる話だと思っているので活用いただけると大変うれしいです。
今回も、弊ブログのコラムにありがちな、めっちゃ長い記事です。
〇私のカメラ履歴
さて、最初に思い出話を書いてゆきますが、読み飛ばしていただいても特に問題ありません。
中高生の頃は、カメラに興味はありましたが所有することはありませんでした。ただ、卒業アルバムのクラス毎のページを私と他数名が担当することになり、友人たちの生き生きした姿を残せたり、写真にみんなの良さが出ている等と褒めてもらった時には嬉しかったです。
そんな経験もあり、就職して撮影趣味をはじめるためPanasonic GF-1を購入しました。GF-1を選んだのはモデル末期で安かったことと、m4/3で古い(安い)レンズを色々と付けて遊べる点が決め手でした。結局、良いオールドレンズは高価だったりして『オールドレンズは案外高くつくのでは?』と考えて、Nikon D7100を購入しました。Nikonは使いやすく、そこそこ良く写るレンズが安く手に入るメーカです。そういう点が気に入っており、Nikonを買って良かったと現在でも思っています。
実は、D7100の購入前後は写真撮影の頻度が下がっており、この期間は伸び悩み期でした。上手くなりたいが方法が分からないとか、何を撮ったらよいか分からない、という時期です。オールドレンズに興味を持っていたのも『撮影趣味というより撮影機材収集趣味』という雰囲気が強かった表れでしょう。
D7100は撮影技術向上に向き合おうというのと、友人がフランスに赴任している間に撮影旅行に行きたい!という理由もあって思い切って購入したという経緯がありました。
良い経験でした
フランス旅行に行くことを決めてから、スキルアップを目指して写真ワークショップに参加するようになりました。その時に物撮りの基礎を学んだことが、現在のブログ用写真の撮影に活きています。
〇写真撮影が上手いとは何だろう
写真撮影をする人なら、上手く撮影したいと思うのは自然な流れです。では、上手いって何でしょうか? 難しい問題ですが、少なくとも以下の要素を持っていることだと私は考えます。
・被写体に接する頻度が高い
・良いと思えるポイントを掴む感受性
・撮りたいように撮れるテクニック
素晴らしい風景写真のために過酷な環境に通う方を私は尊敬します。そこまででなくても、カメラを持ち歩いて被写体と接する頻度を高くするのは大切です。そんな撮影機会を増やして、カメラマンとしてのセンサー感度を上げた状態で生活して「ここを撮れば格好良い!」と掴める感受性は非常に重要です。それを、手持ちのテクニックを活かして撮影することで『良いと感じられる写真』が生まれると思っています。
何気ない風景をパッと撮って良い感じに撮れる人が「私にはテクニックは無い」と言うかもしれませんが、少なくとも【撮りたいように切り出せるテクニック】はあると考えます。
ここでテクニックは撮影技術だけではなくて、ポートレートで相手の良い表情を引き出すコミュニケーションや、良い表情を逃さない感受性や反射神経等も含まれます。物撮りなら、その物が良く見える角度を引き出す事もテクニックと言えるでしょう。
〇あなたは撮影が楽しいですか?
さてここで質問です。あなたは撮影が楽しいですか? シャッターを切るのが楽しいですか?
撮影が楽しいことは悪いことではありません。特に、カメラを買った直後は何を撮っても楽しいものです。そういう期間はガンガン撮ってください! チャレンジの回数というのは上達にかなり重要な要素です。
しかし、長い目で見て『楽しい!』という気持ちだけでは技術的な伸び悩みがきたり、毎回同じ物を撮っているだけと飽きを感じた時にバッタリと撮影を辞めてしまう可能性もあります。
逆に、「最近楽しいと思えない。不満が多い。」という人は、それは成長のチャンスです。楽しいだけの時期を脱して、次のステップに進んでいると私は考えます。
私は楽しいと思っているから撮影趣味が続いているのですが、同時に、かなりフラストレーションを抱えながら撮影に臨んでいます。シャッターを切った瞬間に『やった!面白い!』と思えるのは年に数回ってところかもしれません。
今でも記憶にある会心の1枚
撮りたいイメージが形になると快感です
私は上達にはフラストレーションは必要だと考えていますし、フラストレーションと上手く付き合っているから続いていると感じています。
〇フラストレーションの根源
では、私の考えるフラストレーションって何でしょうか? それは『こんなにも格好良い風景なのに格好良く撮れない!』とか『〇〇の写真っぽく撮りたいのに全然違う!』とかそういう不満です。
つまり『なりたい姿とのギャップがあることへの不満』です。問題解決の基本として『現状と理想の姿の差が問題』と定義されていますので、現在の自分への問題意識がフラストレーションと言えます。逆に不満が無いということは、完璧超人か理想の姿を持っていない、もしくは現状を上手く把握できていないと言えるでしょう。
成長したいという欲求がある場合に限りますが、本当に成長のためには不満って必要なのか疑問に思う人もいると思います。その点には、先人の言葉や研究結果がアドバイスをくれています。
〇フラストレーションの重要性
生前の立川談志が弟子の立川志の輔について語ったインタビューの中で、芸を極めるためには、というくだりで『憤りが必要だ』と語っていました。これを私が聞いた時に衝撃がありました。(なので、技術の向上にはフラストレーションが必要と考えるに至ったわけですが…)
もしかしたら、談志師匠は異なる・さらに深い意味で言っていたのかもしれませんが、私にはそのように受け止められました。その後読んだ書籍【究極の鍛錬】の中でも、楽しいと感じるだけの練習は無意味だということが実例を持って示されています。ですので、少なくとも『上達にはフラストレーションを感じるのは当然』というのは間違いなさそうです。
プロは、このフラストレーションと戦い続けて上達して、その立場いると私は考えています。なので、お金を払う価値があるということですね。
一方、趣味で楽しむ分には、さすがにそこまでストイックになるのは辛すぎます。なので、フラストレーションを感じつつ上手く付き合うのが、今回の論旨である【長く続けて上達するコツ】に繋がると考えています。
〇写真撮影に目的を持つ
目的を持つ、といっても『写真が上手くなりたい!』という目的ですとフラストレーションとがっぷり四つになって戦わなくてはなりません。これはなかなか辛い。もう少し具体的で達成しやすい目的を設定しましょう。そうすると、まだまだ上手く撮れないという不満を持ちつつも、小さな目的を達成する達成感が生まれて続きやすくなります。
私は『フランス旅行で綺麗な風景を撮りたい!』とか『ライブイベントで友人の写真を撮ってあげたい』という気持ちで上達が進んできています。
他にも例えば『子供の成長を綺麗に残したい』『大好きな花を美しく撮って残したい』等々、色々考えられますね。
そうやって直近の目標を決めることは続けるモチベーションに繋がり、撮影する機会が生まれます。(コスモスが咲いたからカメラを持ち出そう、のように) また、被写体が決まってくると練習すべきスキルや機材が絞られてきます。そうしますと、そういう目的に合ったセミナーや参考書を選びやすくなりますし、機材の相談もしやすくなります。
『誰かのため』は新しいことにチャレンジするモチベーションになる
誰かの役に立つというのも重要です。自分では不満の残る内容でも、人からありがとう!と言われるとやはり良い気分になりますし、よっしゃ!難しいけどチャレンジしてみるか!というモチベーションに繋がります。それに、自分では気づいていなかった『自分の写真の良さ』に気付くきっかけにもなります。(できれば、どのように良かったか、を聞ける人がいると良いですね)
〇もやもやしたフラストレーションを具体的な課題に落とし込む
自分のもう一つの大きな目的に『ブログに映える写真を撮りたい』というものがあります。で、頑張って撮っても何か違う…という思いが無くなりません。
ここで『何か違う』を『ライティングが違う』『背景の処理が違う』など、より具体的にしてゆく必要があります。幸い、商品写真というプロが撮った写真がゴロゴロしていますので、そういうのを見つつ、こうやって撮っているのかな?などとアタリを付けることで差を具体化してゆきます。
「いや、差が分からないから苦労しているんですよ」っていうのも分かります。この差を具体的に理解するためには、ある程度ワークショップに参加するなどして、上手い人の撮り方を吸収してやる必要があります。もしくはHow to本なども参考になりそうです。
〇最後に
長くなりすぎたのでそろそろまとめます。
とにかく写真が楽しいという人は、楽しいと感じている間にとにかく色々とチャレンジしてみてください。そうすると見えてくる事もありますし、写真が上手い人と自分の違いに気付くようになってきます。
写真を撮るのは楽しいけど上手くならないと感じている人は、どういう写真を撮りたいか具体的に設定してみてください。この段階にいる人は、自分が何を撮るのが得意なのか苦手なのかが分かっていない可能性があります。ですので、自分が良いな!とかこういうのを撮りたい!というのを見て、そのイメージを自分の中に取りこんでください。
上手く撮れないという漠然とした不満が大きい人は、その不満は初心者から脱しようとしているサインですから、その感覚を大切にしてください。おそらくこの段階の人は自分の撮りたい写真が見えつつあると思われます。そことの差が【取り組むべき課題】です。どうやってその差を埋めればよいか分からなければ、今までやったことないことにチャレンジするか、ワークショップに参加するか、参考書を手に取るか等、今までと別のことをする必要が出てきます。
なにかしら取り組むべき課題が見えてきたが、それに向き合うのが辛いという人は、達成しやすい具体的な目標を持ちましょう。誰かのために写真を撮って感謝されるというのが良いですが、季節の移り変わりを残すとか、そういうのでもOKです。小さな達成感が趣味を続ける活力になります。
ここまで偉そうなことを書きましたが、私だって威張れるほど撮影が上手い訳でもありません。しかし、撮り慣れてきているという実感はあります。もしくは、打率が上がってきているという実感ですかね。撮りたいというイメージに少ない枚数で近づけるようになってきました。これはイメージとの差を埋めるという練習を繰り返してきたからだ、と考えています。
そういう練習って苦しいもんです。フラストレーションです。
フラストレーションを感じつつ、フラストレーションと上手く付き合う。これが撮影に限らず趣味を続けるコツなのではないかな?と思います。
↓物々しいタイトルですが、めちゃくちゃ面白いです。お子さんの教育方法とかにも効果を発揮しそうです。そこらの安直なビジネス書よりもタメになります。