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2017/02/27

実検するおじさん

【レビュー】ZB-03は力強く締まった低音が魅力

 ZERO AUDIO ZB-03を購入しました。ハイレゾ対応を謳った商品で、巷では締まりのある低音が評価されています。それに異論はありませんが、他の音域とのバランスや中高音の表現などにも注目してレビューしたいと思います。


 以前、カルボテノーレ(レビュー記事)を購入して、そのコストパフォーマンスの良さから、ZB-03にも注目しました。

 ZB-03は、カルボテノーレなどと比較されることも多いこの商品ですが、方向性が違う分も多く見受けられます。そのあたりの比較もしましたので、このレビューを読んで参考になれば幸いです。

※追記 カルボメッツォのレビューを書きました!
    ZB-03とCARBO MEZZOを徹底比較しました!
    ZERO AUDIO ZB-03とカルボテノーレを徹底比較するを書きました!
        音漏れに関する記述も追加しました!
    

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レビューに関する決め事はこちら


〇無理矢理一言雑感


力強く締まりのある低音が印象的かつ全体的な性能も高い


〇ZERO AUDIO ZB-03を買ったきっかけ


 ZB-03は、低価格ながら高品質なイヤホンを発売するZERO AUDIOが、2016年9月頃に発売した期待の新商品で、注目度が高いと判断して購入しました。また、低音に力強さがありドンシャリ傾向なイヤホンも欲しいと考えました。


〇ZERO AUDIO ZERO BASS ZB-03について


 ZB-03はZERO AUDIOの中でハイレゾ対応を謳った低価格帯のイヤホンになります。ZB-01、ZB-02とシリーズになっており、同時に発売されました。カルボシリーズとは別ラインになります。レビューが長くなったので、このあたりはあっさりといきます。

見えにくいですがケーブルを束ねるクリップが付属します。


左:カルボテノーレ 右:ZB-03 
大きく見えますが、カルボテノーレが小さいので、ZB-03は普通か小さいぐらい

〇ZB-03のレビュー

今回取り上げているのはこちら。価格はリンク先からどうぞ。

■全体の印象

 ドンシャリ。力強く締まった低音が印象的。低音の力強さとキレの良さに起因して、全体としてパンチがあり、高音の強さも相まって刺激が強い系に属する。ボーカル近辺は他と比べるとやや弱く、やや柔らかい表現。ここを豊かな表現と取るか、クリアさが足りないと取るかは個人の趣向の差が出やすい。ギターのディストーションのエッジ感は出る。シンバルは強く、細かい音まで鳴らす。
 音量は取りやすい。ただし、音量を大きめにすると低音の強さが気になる可能性がある。


■各音域の印象

 ベース、バスドラのアタックが明瞭で、それに付帯する重低音までしっかり再生する。その上、締まりのある低音である。低音域の締まりと量感で、全体の力強さを引っ張っている

 タムのアタックが明瞭。厳しく言えばスネアのクリアさは控えめだが、弱く感じるほどではない。若干ベースの音域に入ってくる低めのタムの音は、力強く主張が強い。

 ギターのディストーションのエッジ感も出ているし、細かなカッティングなども表現できる。低音が控えめなピアノ弾き語りなどを聴くと、ボーカル&ピアノが明瞭なのが確認できる。しかし、低音部基準で音量を決めると、相対的に弱く聴こえる可能性がある。また、この音域はどちらかというと温かみがあって響きがあるタイプ。

 ボーカルはどちらかというと温かみがある表現だが明瞭と言えるレベル。他の音域が強いので奥まって聴こえやすい。クリアさが特徴なものに比べると負けるが、埋もれてしまうこともない。低音が良く出る特徴のため、主旋律以外の低い成分が聴こえてボーカルが力強く感じることがある。音楽ではなくセリフなどを聞いた時に、そう感じることが多く、問題になるほどではないが、違和感の原因となる可能性がある。

 サックスやトランペットは、どちらかというとやや温かみがあって響きがあり、力強い表現をしてなかなか良い。サックス、トランペットに加え、ピアノなどもそうだが、中高音~高音表現が得意な商品と比べるとクリアさは一歩譲る。弦楽器も響きがあるのだが、弦がこすれるザリッとした成分が丸まってしまっているため、評価が分かれそう。

 シンバル等の高音は明瞭で近めで強め。細かな音も表現し分解能も価格の割に高い。高音域にかかってくるエッジの効いたギターのディストーション等についても、細かいところまで表現する。

大雑把な聴こえ方は普通はボーカルが強いことを念頭に置いてもらって、
ベース&バスドラ>シンバル等高音域≒ボーカル>(≒?)ギター&ピアノ&>スネア>超高音
というような印象。


■その他聴こえ方

 ソースの粗は中低音~中高音では分かりにくい方だ。ただし、高音域の歪が多い音源では粗が目立つ可能性がある。(古い音源で、サーというノイズなども大きく聴こえる)
 ボーカルについて基本的に先に書いたような特徴だが、黄色い声援のようなキャーというような高い音は、 高音域に入って強く、キツく、痛く聴こえやすい。それぐらいの音域から持ち上がっているようだ。
 打ち込み系の表現はうまい。低音の力強さと高音の派手さによる。聴き疲れる感じは低音起因で有る。高音がきつい音源だと高音の痛さも出るが、まだマシな方と評価したい。


■お勧めできる人
 
 ロック、打ち込み系が好きで、キレのある低音を求める人に。また、ドンシャリだがボーカルは明瞭と評価できる範囲なので、極端なドンシャリを好まない人へ。
 トランペットやサックスが温かく響きがあるタイプなので、ジャズなども悪くない。個人的に、マイルスデイビスなどを聴いた時に『良いな!』と思わせる魅力があった。ただし、ウッドベースの押し出しが強い音源だと、低音の主張が強くバランスが崩れたり、聴き疲れの原因となるかもしれない。


■お勧めできない人

 高音~超高音の音量は悪くないが低音の主張が強く、中高音のクリアさは控えめなので、中高音~高音のクリアさを求める人は別を探したほうが良い。また、低音の強さを望まない人には合わないが、もともと低音が控えめな音源なら、案外うまくこなす可能性がある。
 クラシックは表現自体は悪くないのだが、中音域がやや弱まり、金管楽器の高音や低音域がやや目立ってしまう感じで、バランスの悪さを感じるかもしれない。

もう少し続きます
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■雑感

 低音域の強さを許容できるかどうかで評価が分かれそうだ。音源によっても低音がきつめだと低音過多で聴きづらく、聴き疲れの原因となりうる。逆に、低音の強さが許容できれば、キレと量感のある低音域は魅力的。
 とはいえ、屋外で小音量で使用した際は低音の圧迫感が控えめになり、高音の強さも気にならなくなる。その際もボーカル周辺も引っ込み過ぎないため、レンジが広い使い勝手が良いイヤホンという印象が強くなる。
 イコライザで低音を抑えめにして、トランペットやサックスなどを聴くと、明瞭ながらやや温かみがあって響きのある表現はなかなか良い。そのあたりを上手くコントロールできれば、中低音から中高音にかけての温かな表現を楽しめるかも。
 低音域が注目されるのに異論はないが、個人的には先述の金管楽器の表現が評価されると嬉しい。


〇ZB-03の音漏れについて


 多く検索されているようで追加で調査しました。カナル型イヤホンとして音漏れはやや多いです。iPodなどでは、静かな環境では1/3程度の音量から少し聴こえます。この程度の音量ですと、迫力は小さくなりますがZB-03の応答の良さから全域の音は出ています。(どこかが聴こえないとかは無い。)
 電車内などであれば、もう少し音量を上げられるかな?と思いますが、全開でガンガン鳴らすような使い方では漏れが激しくなるでしょう。図書館などのような静かな環境では、それなりの配慮が必要そうです。


〇ZERO AUDIO カルボテノーレとZB-03の比較


 カルボテノーレ単品のレビューはこちら

※追記 ZERO AUDIO ZB-03とカルボテノーレを徹底比較するを書きました!

比較するのはこちらですね。価格はリンク先からどうぞ。

 ZB-03の方がカルボテノーレより低音は一段も二段も低いところまで、量感をもって鳴らす。低音の力強さ、高音の強さにより、ZB-03の方が聴き疲れしやすい可能性がある。

 カルボテノーレの方が乾いてクリアで透明感のある中低音~中高音を鳴らす。ZB-03はやや温かみがあり、中低音と相まって響きがある表現をする。スネアあたりの音域で差が大きい。

 高音域となるエッジの効いたギターのディストーションでは、ZB-03の方が細かな表現までこなして明瞭で、カルボテノーレのような高音域での潰れは少ない。また、シンバル等もZB-03の方が強く、より高い音を出す。

 確かに、高音域~超高音と重低音はZB-03の方が出ているのだが、中高音はカルボテノーレの方がクリアである。クリアだから良いかと言うと微妙で、トランペットなどの表現で差を感じる。ミュートをつけたトランペットなどは、カルボテノーレは細くなりがちだが、ZB-03は温かみや響きを伴って良い。また、カルボテノーレは会場のエコーなどは弱いか大雑把な表現だが、ZB-03はそのような弱い音も表現する。このあたりがトランペットなどの温かみや響きの差に影響しているようだ。



〇買い物かごの中身の評価



大雑把なお買い得度を評価する指標です。基準はこちらから。

お買い得度 ☆☆☆★★
使い勝手  ☆☆☆☆★
お勧め度
  一般  ☆☆☆☆★
  趣味人 ☆☆☆★★

コメント
 お買い得度は4500円購入時で判定。時間が経って値段が少し下がれば4となる。レンジが広く、昨今の求められる傾向に合っているし、どこかの音域が超苦手というのもないですし、小型でケーブルにクセが付きにくく、音量も稼ぎやすいため使い勝手を4。
 日本メーカである安心感と、入手性も良い(試聴機も多い)ことから、一般へのお勧め度を高めに評価したいと考え☆4つ。ただ低音が強いので、合わない可能性を考えてマイナスして☆3つと悩んだ。趣味人には低音の量感と締まり、高音の分解能の高さが魅力的だし、やや柔らかながら、それなりにクリアな中音域を評価したいが、もう少し中音域に繊細さが欲しいと考え、☆3つ。5000円以下で使いやすいイヤホンで、それなりに良い物を探しているなら☆4つ付けて良い。

その他参考
【レビュー】カルボメッツォは力強くキレがある低音のパンチが真骨頂
★ ZB-03とCARBO MEZZOを徹底比較【比較レビュー】

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