これは、買おうか悩んでいるあなたの背中を押す記事です。
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〇K612PROのレビュー
具体的なレビューは別記事にまとめてあります。各音域の傾向や適したジャンル等については、そちらを読んでいただきたいと思います。無理やり一言で表すと、基本的にモニター用に要求される特徴を持ちながら、無理がなく肩の力が抜けた自然な音を出し、楽しく鑑賞できる一品といったところです。
〇なぜレビューと別記事にしたの?
レビューはできるだけ客観的に、とか、他のレビューと共通の書式にしてやったほうが比較しやすいだろうという考えと、思いっきり主観が乗ったレビューって嘘っぽくなるというか(苦笑)ということで分けました。こちらの記事は、K612PROいいぞ~というのを前面に出したいと思います。
〇K612PROを買った経緯
V-moda Crossfade M-100(未レビュー)を持っていまして、気に入って使っているんですが、物好きの定めなのか、理由なく新たにヘッドホンが欲しくなりまして…
というわけで、いろいろと調べている際にAKGの不穏な噂が聞こえてきました…(AKG本社 って調べると分かるかもよ?)加えてハーマンインターナショナルは、ごっそりサムスンに買われましたので、今後、モデルの整理や方向性の変更が無いとは言い切れず、AKG製品を買おう!と考えるに至りました。
で、色々調べていると、K612PROあたりが自分に合ってそうと思いまして、He&Biさんのところにコメント入れますと、なんと即日回答(次回更新まで10日前後かかることが多い)やっぱりK612PROで決まりかなぁと思って、ネットで販売店を調べていたら在庫切れが目立ちました。(渇望感の増幅)そんななか、ある店で新春セール+ポイント還元でほぼ最安値となっているのを発見しました。
いろいろ書きましたが、ここまでがほぼ1~2日の出来事でして、偶然は2つまでは許容しているんですがね…ここまでくれば必然でしょ?というわけで珍しく試聴なしで即決購入しました。(最初は良さが分からなくても、ジワジワ分かってくるだろうという予想)
〇AKGってどんな会社?
もともとはオーストリア ウィーンに拠点を持つ会社で、日本国内は『アーカーゲー(ドイツ語読み)』とか『アカゲ』と発音することが多いです。『エーケージー』でも通じると思います。収録用の高性能マイクにて定番品を多く生み出しています。マイクの他にも、収録用やマスタリング用のヘッドホンの定番品を生産しており、その筋の人には知られたブランドとなっています。
私は興味がない人から比べれば多少は機材に詳しいですが、業務で触れていたりするわけではありません。ただ、試聴、レビュー記事、マイクの収録テストなどを統合しますと、AKGという会社自体の特徴として、脚色は少なめで、中高音から高音の透明感というのが特徴ではないかと考えています。(ヘッドホンの場合は開放型にこの特徴が顕著)
〇K612をおすすめするポイント
というわけで、ここからがこの記事の本題です。レビュー記事には書かなかったおすすめするポイントです。レビュー記事はこちらにまとめてあるのですが、レビューは基本的に厳しめに書いています。なので、実際のところレビューよりも守備範囲が広いですよ、っていうのが主ですね。
AKGの開放型、特にK701なんかが綺麗な高音というイメージを確立しています。ざっと評判をまとめますと『K701はクラシックやジャズ向けで、低音が弱めでロックなどには合わないかもよ』というものがいくつか見られます。(He&Biさんは、K701に対して、十分な低音が出ていると評しています。)
K612PROもその系譜の端にいるわけですが、ものすごくざっくり言うと『K701よりちょっと低音が出て、ちょっと高音が出ない』というイメージのようです。(K701を持っていないので、厳密な比較ができないのですが…)というわけで、ある意味『K701の特徴がちょっと薄まった』とも言えてしまいます。
今回、私がK612PROにした理由で、K612PROを選んでよかったと思えるポイントはこのあたりにあります。AKGの開放型っぽさがありながら、かなり普通な、ポテンシャルが高いヘッドホンだというポイントです。
〇K612PROとロックとの相性
たしかに、ズンドコ押してくるタイプではありません。しかし、ちまたのイメージ程、ロックが苦手っていう訳ではないと考えています。POPSでいうなら、Superflyあたりを聴きますと、ドラムのスネア&タム&シンバルのアタックディストーションの効いたギターのエッジ感と、パワー感のあるボーカル、必要十分なベースで、なかなか臨場感があります。
低音がしっかりでてくるヘッドホンが、壁や塊で押してくるイメージなら、K612PROは輪郭(エッジ)が押し出してくるイメージですかね。
もうちょっとロックに合うという所を掘り下げます。K612PROでは、高音がきつく感じるなぁという音と、エッジが立っててカッコいいと思える音に分かれます。マスタリングの違いというのもありますが、何となく分類してみます。
合うなぁと思ったのは、ギターアンプでも歪ませたVOXやORANGEのような音です。ダークな、と言いますか、そういうディストーションですと、歪のエッジ感とヘッドホンの高音の応答性が相まって、勢いが出ます。
逆に合わないというか、高音がきつく感じるのは、比較的モダンなマーシャルやモダンハイゲインアンプの歪ですかねぇ。エッジ感の勢いを通り越して、音抜けが良すぎる感じです。
巷で言われている、AKGのモニタ系にある低音は少なく高音が伸びるという方向性ですが、K612PROに関して言えば、低音は結構出ていると思います。レビューの方には、最近の低音が多い傾向を加味して控えめに評価しました。しかし、ロックを楽しめるぐらい出ていると思っています。
ベースの雰囲気によっても印象が異なります。例えば、ベースでも比較的高めの音で、ベースラインが複雑な、ベースラインが踊っているような曲では、KK612PROでも明瞭に聴こえてくる音域に入ってくるため、低音が良く出ているように感じやすいです。逆に、低音寄りなベースラインでは強く聴こえてこず、低音が弱めに感じてしまうかもしれません。
〇私が思うK612PROの真骨頂
個人的にK612PROで好きなのは、スネアのニュアンスが良く出ることと、クラシックギター、フラメンコギターの明瞭さ、音抜け、キレの良さによる勢いでしょうか。
例えば、下のCDのような、一流のドラマーによる演奏なんかを聴きますと、こんなにもドラムって表現豊かなのか!と驚きます。
フラメンコギターのCDは持っていないのですが、youtubeなどで聴きますと、音場の広さなども相まって非常に心地よいです。良い演奏のCDを買おうと、最近物色しているほどです。同様に、ピアノの演奏もよいですね。
このようにヘッドホンのポテンシャルの高さから、これまで買っていなかったジャンルの音楽にも興味を持たせてくれる魅力があります。
〇長時間使っていたいと思える魅力
エージングが進んだのか、自分が慣れてきたのか微妙なところですが、元々少なかった高音の痛さが更に落ち着いて聴き疲れが少なくなり、低音が良く出ているように感じるようになりました。イメージとしては、ほんの少し低音寄りにシフトした感じです。
変な話ですが、より普通になったとも言えます。元々のポテンシャルが高いと思っていますので、普通に良いものという印象が強くなりました。
装着感も悪くなく、聴き疲れしにくい音なので、数時間このヘッドホンで音楽を聴いていても違和感が無かったりします。というか、もうちょっと聴いていたいと思わせてくれます。
M-100等は勢いがあり、打ち込み系の音楽は楽しく聴けるのですが、長時間使用すると低音の強さで、やや聴き疲れする感じがあります。一方、先に書いたようにK612PROは、そこそこノリが良く、音場が広く、高音のキツさも少ないので、楽しさと気楽さが両立できます。
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〇まとめ
気になっている人は、新たな情報が見つかったり、気になっていたポイントについて説明がありましたでしょうか?
さまざまな商品を買って長期間試した人ならともかく、試した数が少なかったり、試聴程度では良さが分かりにくい商品かなと思います。
上位互換な商品を持っていれば、あえて買う必要はないと思われますが、例えば密閉型でドンシャリ系や低音が強いヘッドホン・イヤホンを多く持っていて、傾向が違うヘッドホンを試してみたいけど、高価なものは気が引ける、という人にはぴったりだと思います。
想像以上に普通なので拍子抜けするかもしれませんが、手持ちの物と使い比べると良さが分かってくるかなと思いますので、ぜひ試してみてください。
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