Mackie(マッキー)というメーカは正直に言ってなじみがありませんでした。今回、このCR-Budsを試してみて、かなり好みの音を鳴らしてくれるメーカだと感じました。
…が、他のモデル(イヤホン)は結構音の方向性が違うんですよ…。個人的には価格に関係なく、このCR-Budsが好みでした。
そんな、低価格ながら私の好みに超ヒットしたCR-Budsをレビューします。中高音鮮やか系が好きな人は試す価値があります。
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レビューに関する決め事はこちら
〇無理矢理一言雑感
ボーカル域から中高音域にかけて非常に明瞭でバランスが良い
明るく鮮やかなサウンドが好きならば買っておいて損は無い
〇Mackie(マッキー) CR-Budsについて
Mackieはオーディオメーカのなかでも、ミキサーやスタジオスピーカー、録音機材といったジャンルを得意とするメーカで、イメージ的にはDENONというよりRolandといったところでしょうか。そのなかで、ヘッドホン、耳掛けタイプのインイヤーモニターがラインナップされており、このCR-Budsは最廉価モデルとなります。…なのですが、個人的なことを言わせてもらえば、イヤホンはこれが一番良かった…。
プラ筐体。窪み、艶有無の切り替えやチャンファーが緑に塗られていたりして、安っぽい感じは無いです。ケーブルもきし麺ケーブルで質が良く、クセも付きにくくて良い。ただ、ケーブルの重さが気になったりタッチノイズが大きくなりがちだったりで好き嫌いが分かれるところ。プラグ部の作りも悪くないです。
各サイズのイヤピが付属します。いたって普通です。結構大きいサイズが付属するので、耳穴が大きくてフィットしないということはなさそう。
〇マッキー CR-Budsのレビュー
今回取り上げているのはこちら。価格はリンク先からどうぞ。
■全体の印象
ボーカル域・中高音域がかなり明瞭に出たドンシャリ系。シンバル等の高音は出ているがキツさは無い程度。中高音域中心のカマボコに低音を持ち上げたバランスといった方が近い。タムやスネアの弾ける感じが良く出て、楽曲全体にノリの良さを出しているし、低音域はベースラインとバスドラが明瞭で楽曲全体に厚みが出ている。重低音~低音は多くは無いが必要十分。
ボーカルは非常に明瞭で、鋭すぎない良いバランス。ギターのキレや音抜けの良さは非常に良い。ボーカルや中音~中高音域の表現を重視して、低音域もある程度出てノリの良さが欲しいのならぜひとも試して欲しい1本。
音量は取りやすい。
■各音域の印象
ベース、バスドラのアタックが明瞭でノリの良さがよく出る。タムやスネアの弾ける感じが良く出て非常に心地よい。重低音は少なめ、低音域もどちらかという少なめだが、楽曲に厚みを出す程度に必要十分出ている。ベースやバスドラのキレや締まりはそれなりから、上手い方。イコライザで低音を持ち上げてみたら十分に追従しているし、価格を考えたら非常に良いポテンシャルを持っているように感じる。
シンバルは金属的で乾いた音を鳴らすがサスティーンは短くあっさりとした表現。細かな表現もそこまで上手くない。ただ、量のバランスやキツさの無さが秀逸で、目立ちすぎず、埋もれず、上手くバランスを取っている。
ギターはキレが良く出て、乾いた鋭いサウンドの方が得意。テレキャスのリアのキレの良さは秀逸。ウォームなサウンドはもう少し厚みが欲しいが、上手いと言ってよいだろう。アコースティックギターも上手い。
ピアノはやや軽やかな感じの方が得意。響きはそれなりに出る。バイオリンは、鋭く明るい感じ。多少、線が細い感じもする。楽器由来の響きは少なめで表現もあっさり。楽曲のストリングスパートが鮮やかに鳴ってくれて良いバランス。
吹奏楽器も鮮やか。サックス系とトランペットの鳴らし分けはそれなり。楽器由来の響きや厚みや豊かさは少ない。
ボーカルは明瞭で音抜けが良く非常に上手い。線が細くなりすぎず、鮮やかさが出ていて良く、クリアな表現。息の音は良く出る方。どちらかというと女性ボーカルの方が得意に感じる。ボーカルの細かな表現の上手さや生っぽさはそれなりだが、価格を考えるととても良いと言っても良いだろう。刺さりは無いと言って良いレベル。
ボーカルの立ち位置は中庸から少し近い感じ。ギターやピアノその他が派手でもボーカルが埋もれることは無い。
大雑把な聴こえ方は普通はボーカルが強いことを念頭に置いてもらって、
ボーカル≧ギター&ピアノ>バスドラ&ベース≧シンバル等高音域
というような印象。
■その他聴こえ方
サーノイズは目立たない。ソースの粗も分かりにくい方。聴こえ方は、広い場所で楽器は近めに置いて演奏されている感じに聴こえる(奥に広い感じ)。なので、これを空間的な広がりがあると評価するか悩む。ホールの反響などはそれなりに出る。定位はそれなり。価格を考えれば良いと言って良いだろう。音量を上げても定位や分離の悪化は少なくて優秀。
打ち込み系の表現はうまい。バスドラやタム、ベースラインの表現がノリの良さを出し、中高音の鮮やかさが合う。
■お勧めできる人
ロック、ポップス。特に女性ボーカル系を重視する人。低音の量を求めず、中高音の鮮やかさが欲しい人は試す価値がある。クラシックやジャズも表現がややあっさりしている点を除けば、バランスは悪くない。
■お勧めできない人
バイオリンソロや、トランペットの名手の演奏など、表現力が物を言う楽曲だと物足りない感じ。だが、この価格でそこまで望むのは野暮ってもんだ。低音の量は多くないので、量感を求めるなら別をあたった方が良い。
■雑感
細かいことを抜きにして言わせてもらえば『このイヤホン、値段とか置いておいて、めっちゃ良い』です。もちろん、表現力に着目すると足りない部分はありますが、この価格のイヤホンに求めるのは野暮だと思います。
さて、低価格帯のイヤホンであればひとつぐらいはある『分かりやすい欠点(下手なポイント)』も無いのが良いです。個人的には『とりあえず持ち出す1本』でここしばらく不動であったfinal E2000やE3000を押しのけて、これになりました。
私は音域ごとのバランスを重視するタイプなのですが、このイヤホンは違和感のある鋭いピークもなく、中高音が明瞭に、低音も少なめながら必要十分(最低限)に出て、非常に良いバランスが取れています。このバランスにピンと来た人ならば、試聴だけでもして欲しいと推薦できる程です。
〇買い物かごの中身の評価
大雑把なお買い得度を評価する指標です。基準はこちらから。
お買い得度 ☆☆☆☆☆
使い勝手 ☆☆☆☆☆
お勧め度
一般 ☆☆☆☆☆
趣味人 ☆☆☆☆★
コメント
お買い得度は2800円で検討。中高音鮮やか系が好きという前提で評価をお読みください。この価格で、好バランスや明確なネガポイントが無く、音量が取りやすくて、小型軽量ということで☆5つ。毎度のことながら、☆3~4の他のイヤホンより音質が確実に優れるという訳ではない点は注意。
使い勝手も、上記の内容と、ボーカル重視の人は多いだろうと考えて☆5つ。
お勧め度は、一般向けに、出費少な目に、ボーカルが鮮やかに明瞭に聴こえる!とか、ギターなどの楽器の細かな表現が聴こえる!という嬉しさがあると考えて☆5つ。取扱店舗が少な目なのがネックか。作りの良さも評価ポイントのひとつ。趣味人には、高いイヤホンも良いけど、低価格帯の底力も感じて!とこの評価。バランスさえ好みに合えば、低価格帯のイメージが変わるかも。
ちなみに、他の(より高価な)モデルもあるのですが、かなり方向性が異なるので注意。(悪いとは言わないけど、CR-Budsが好きならヒットしない可能性が高い)
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