発売前のイベントでの展示において好評を得ており、これまでの商品の評判からも良い物だろうと考えて購入しました。金属筐体のEXCLUSIVE 5です。
日本では同時にEXCLUSIVE Kingという上位モデルも発売開始（海外では先行して発売されていた）となり、なかなか悩ましい所かと思いますので、そのあたりも少し触れたいと思います。
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〇無理矢理一言雑感
中高音以上の鋭さが特徴で、元気なドンシャリで音抜けの良さがあり楽しさがある
〇TFZ EXCLUSIVE 5とは
TFZは50～100ドルの価格帯において高い評価を得る商品をリリースしてきました。そのTFZから新シリーズとして筐体のデザインはほぼ共通で、素材がプラ、プラ+金属、金属と３種類で、EX 1 3 5がリリースされました。数字が大きくなるほど価格も高くなります。音質的には上位下位というよりもキャラ違いといった雰囲気が強かったです。（試聴程度ですが。）今回はEXCLUSIVE 5を購入しました。
ケーブルはコネクタもしっかりした編みケーブルで、イヤーピースも複数種類付属するなど、この価格帯に初めて挑戦する人にも、買い慣れた人にも十分に説得力のある内容です。ケーブルの質もクセが付きにくく、柔らかく、引っかかりも少ない等、なかなか良い印象です。
〇TFZ EXCLUSIVE 5レビュー
今回はWooeasy Earphonesで購入しました。
商品ページはこちら TFZ EXCLUSIVE 5
だいたい1万円というイメージ。
アマゾンだと以下のリンク。
■全体の印象
ドンシャリ。中低音以上の分離が良く、中高音からの音抜けが良い。全体の印象から中高音以上が明瞭で鋭さがあるので、中高音をピークとしたカマボコのようにも思うが、ハイ上がりと評価するには低音が十分に効いているのでドンシャリとした。
それぞれの楽器やボーカルは比較的近めに感じるが、ホールの反響などの表現もなかなか良く、空間的な広がりも良く出る。
温かさの少なめのキレのある音が印象的で、ポテンシャルは高いが好みが分かれる。他にもEX1 3というキャラが大きく違う（そして有力な）ライバルがいるので、良く比較して欲しいが、好みに合えば満足度の高い一本になりえる。音量は取りやすいと判定できるレベル。
■各音域の印象
ベース、バスドラはやや柔らかく締まりやキレは控えめで、ベースラインやバスドラのアタックの印象は弱め。低音の量自体は多めだが、ベースラインが明瞭に聴こえやすくなるような帯域が弱いのか柔らかいのかで、このような印象に。また、低音～重低音が強めなイヤホンにあるバスドラによる音圧も弱めで、このあたりを求める人には物足りかも。ドンシャリ、と言うと低音の強さを気にする（もしくは期待する）人もいるかもしれないが、このイヤホンは、中高音以上の特徴が気に入るかどうかがポイントになると思うのでそちらに注目すべき。
（2017年11月追記：DAPを変えて色々と試してみると、低音域を鳴らすのには駆動力が結構必要なようで、どうしちゃったの？というぐらい低音が出る環境もあった。どうやらX10では本来の性能分だけ低音が出ていなかったのかもしれない。）
スネア、タムはやや柔らかめで主張も弱め。シンバルは細かなアタックまで表現するし、鮮やかだがやや鋭くてキツイと感じる人もいるかもしれない。入念に慣らしを行った結果、中高音以上のキツさは緩和されたので気になる人は慣らしをすることを推奨したい。シンバルはドラムの中でも目立つ方だが、定位が良いのかドラムが一か所に集まったような鳴り方（シンバルだけやけに近い等が無い）であり好印象。
ボーカルは男性女性問わずに音抜けが良く分離も良くて明瞭。ただ、男性ボーカルは中低音が少な目の影響で太さや力強さが控えめになりがちで、ギターやシンバルが派手な曲だとやや埋もれやすい。女性ボーカルの方が前に出てくる感じがあってクリアで明瞭。 息の音はそこそこ鳴らすが生っぽさや温かみは控えめ。中高音のキレや量の割にサ行などの刺さりはほとんどなく優秀。
エレキギターは、ディストーションのエッジ感がでるし、ザクザクとした刻みも出てキレがある。乾いたキレのある音の方が得意で、力強く太いサウンドは細くなりがち。中高音に寄って鋭い音作りのギターを中心に、シンバルが強めな楽曲では、全体的に鋭くなりすぎてキツイと感じる可能性もある。空間的な広がりを良く表現するおかげか、リバーブのかかりが良いように感じる。
バイオリンは、明瞭で、鮮やかで、楽器由来の響きも出るし、弦をこするザリッとした成分も（個人的には適量）鳴らし、音抜けも良くて良い。クリアとか繊細とかいう方向性。 あと少しだけ豊かさとか温かみがあると個人的には良かったが好みの範囲。
サックス、トランペットなどは音抜けが良く、楽器由来の響きも出て細くなりすぎずに上手い。ピアノはアタックも出て、明るく鮮やかな印象。音の分離、各楽器の分離が良いため、中低音の豊かさや温かさの不足さえ感じなければ、ジャズなども良い。
大雑把な聴こえ方は普通はボーカルが強いことを念頭に置いてもらって、
女性ボーカル≒シンバル≧ギター＆ピアノ＞男性ボーカル≧スネア＆バスドラ≒ベース
ギター＆ピアノ以下の順位は、楽曲による印象にかなり差がある。具体的には、ベースを男性ボーカルの前後に置くかどうかと悩むぐらいに変わる。
■その他聴こえ方
録音の粗は高音の荒れ起因でやや感じる。サーノイズは鳴らす。
ボーカル、特に女性ボーカルは明瞭ながら刺さりも少なく、上手いと評価したい。他のキレの良い表現などを総合して、アニソン全般に合うと感じることが多い。一方で、ボーカルがクリアな方向性に振れているので、ボーカルの生っぽさや艶っぽさのような表現力を求めると物足りないだろうと予想される。
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■お勧めできる人
全体的にすっきりとクリアさを求め、鋭さやキレを重視する人。また、中高音域以上の鋭さに耐性がある人。ボーカル域を明瞭に聴きたい人。音抜けの良さや空間的な広がりもあるので、今使用しているイヤホンの篭りや狭さが気になっている人へ。キレの良さから打ち込み系全般にも合う。
■お勧めできない人
ボーカルの力強さや温かみ、アコースティックな楽器の響きや温かみを重視する人。空間的な広がりを表現するので、ホールでのライブ音源など悪くないが、温かみには欠ける。打ち込み系でも、低音の締まりやキレが控えめなので、このあたりから不適と判断する人もいそう。
繰り返しになってしまうが、中高音以上のキレや鋭さ（それに起因するキツさ）は、人によっては許容できないレベルかもしれないので、要注意。しっかりと慣らしをすれば、痛さはほとんどなくなるが、中高音寄りのバランスは変わらないので…
■雑感
基本的にドンシャリ傾向ながら、ボーカル域のクリアさと、極端な周波数特性上の凹凸が少なそうな印象を両立している点が良い。ポテンシャルの高さを認めたうえで、好みの差が出そうなイヤホンだなと感じて悩ましい。なにが悩ましいって、EX1 3と同じメーカから同じ形状の材料違いで販売されており、それぞれがそれぞれに良い点を持っていて、EX1が日本価格でも7000円程度と非常に安価であることだ。断言するには十分な検証が必要であるが、EX1とEX5の日本価格における差である7000円の差は無いように感じたし、EX5の方が好き嫌いの差が出そうなバランスだと感じた。
その分、EX5が好きになれば、この価格で良い結果が得られる選択肢になるだろう。他のイヤホンと比較してみると、どちらかというと『もうすこし低音が出て豊かとか温かみがある』音の方が多いので、それらとの使い分けが可能なEX5の存在価値はあると感じる。ただし同時に日本展開が始まったKingもかなり良い品なので、EX5まで予算が許すなら、Kingも一度検討して欲しいところ。正直に言ってKingの方が好みだったかなぁとか思ったりした。（Aliexpressだと日本価格ほどの差がない。Kingは装着感の問題とか、EX5と音の傾向が違うなど、一概にKingの方が良いとは言えないので注意。）
最後は褒めているのか悪く言っているのか良く分からなくなったが（苦笑）、他に比べた時に優位性のある明確な特徴があるイヤホンであるので、自分の好みに合いそうなら試す価値が高い。
〇買い物かごの中身の評価
大雑把なお買い得度を評価する指標です。基準はこちらから。
お買い得度 ☆☆☆☆★
使い勝手 ☆☆☆★★
お勧め度
一般 ☆☆☆★★
趣味人 ☆☆☆☆★
コメント
お買い得度は14000円で購入として判定。サイズ、装着性、音質、ケーブルを含めた取り回し、価格などを総合的に評価して、かなり良いバランスを実現していると感じ☆４つ。ただし、EX1と3の存在と、好みの差を考慮すると☆３つと悩む。Aliexpressにて10000円前後で購入できるなら文句なく☆４つ。使い勝手は、シュア掛けイヤホンの取り扱いに慣れているなら☆４つでも良いが、より小型なイヤホンからのステップアップを考えるなら、多少重くなったり大きくなることから、☆３つが妥当かと感じる。
一般へのお勧め度は、品質は比較的安定しているような噂だし、国内正規品を買えば保証も得られることからお勧め度は高めに付けようと考えた。一方で、一般には高価格帯に入ってくる値段の中では、好みに差が出そうな音なので☆３つ。試して気に入ったなら安心して買って良い。
趣味人向けには、ポテンシャルの高さ、はっきりとした特徴がある点を評価し、自分の好みと十分に照らし合した上で購入判断できるなら、良い結果が得られるだろうと判断して☆４つ。
今回はWooeasy Earphonesで購入しました。
商品ページはこちら TFZ EXCLUSIVE 5
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