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2017/06/22

実検するおじさん

【コラム】コストパフォーマンスってなんだろう?

イヤホンを中心としたオーディオのレビューで、この表現が好きな人がいます。

『コストパフォーマンスが良い』

書き手、読み手問わず、この点を重視する人はいますね。


気持ちはわかります。私だって、少ない投資で大きな結果を得たいですから。

でも、私は極力使わないようにしています。それは、その言葉だけでは、自分の持つイメージと、相手に与えるイメージが一致しないかもしれないからです。

私が思うコストパフォーマンスについて、少し述べてみようかと思います。また、そこから派生して、どういう人が私のレビューを読むと面白いと思うか、というあたりを書いてみます。


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〇コストパフォーマンスを定義する


 コストパフォーマンスを定義するとすると以下になると考えます。これに納得できない人は、この下に続く議論にも全く同感できないと思います。

 Aという商品の性能を100とし価格を100とする。Bという商品の性能も100であるが、価格は50だとする。すると、Aは性能÷価格=1だが、Bは性能÷価格=2である。この比がコストパフォーマンスである。
 コストパフォーマンスが良いと、同じ性能をより低い価格で得られる。逆から見ると、同じ価格なら、より高い性能が得られる。


〇コスパが良いはあり得るのか?


 たしかに、コスパが良い、はありえます。ただ、かなり限定的だと思っています。この辺りを説明するために、一度オーディオを離れて説明してみます。

 10年前の200万円の車と、最新型の200万円の車を比べるとします。

 燃費や装備の数、故障率、振動騒音レベルなどについて、採点ルールを決めて比較したら、最新型が勝つ可能性が極めて高いでしょう。つまり、新しくなるにつれてコストパフォーマンスは向上していると言えます。私がこのように説明を受ければ、コストパフォーマンスが良くなっていると同意するでしょう。

 10年前のある車種と、最新の車種を比較するとしましょう?10年前と言わず、20年前の車、例えば、EK型のシビックが、現行車種より大好きという人がいても変な話ではありません。そういう人は、最新型で燃費は2倍以上で、快適な最新型のフィットよりもシビックが好き、となります。私も、好きな車種なら、逆転現象が起きるのは理解できます。


 では、この20年前のシビックが好きな人が、同じ価格の最新の車と比較して、当時のシビックの方がコストパフォーマンスが良いと言った時、あなたはこれに賛同できますか?


 私が問われれば『いいえ』と答えます。


 この2つの判断は、何が違うのでしょうか?
 それは『好きな気持ち』が評価基準になっているか否か、逆に言えば、数値化できる基準で判定したか否かの差です。

 ここでシビック好きの人が、走行性能をハンドリングや加速性能、その他の指標を基に採点し、コストパフォーマンスが良いと結論付けるなら、説得力があると私は思います。しかし、カッコ良い!や乗った感じが良い!や、思い入れがある!でコストパフォーマンスを語ると変な論理となります。


 話をオーディオに戻しましょう。オーディオは評価を数値化することが極めて難しいと考えています。というのも、周波数範囲や周波数特性、インパルス応答、歪み率などの指標を比べても、数値が良い方が『良い音』と感じるかどうか微妙、という根本的な問題があるからです。

 また、人によって好みが全く違うので、それぞれの項目に点数をつけることはできても、すべてを合計した値の大小を比較して、良い悪いは評価できないと思います。例えを出してみましょう。

例:☆の数は、レビュワーの思う音質
C:低音域☆5 中音域☆2 高音域☆3
D:低音域☆3 中音域☆5 高音域☆4

 CとDを比べて合計点はC:☆10 D:☆12で、点数を比較するとDの方が良いです。しかし、低音の質を重視し、ドンシャリ系が好きな人はCを圧倒的に支持するかもしれません。ドンシャリ嫌いで中音域を重視する人にとっては、点数差以上にDを高評価するでしょう。

 一方で、それぞれの音域の評価は、それなりに客観的に評価できているとするなら、比較しても良さそうです。同じ人がレビューしていれば、何となく傾向は見えるでしょう。つまり、どこかに注目して比較するなら、どちらが良い、と判断できる可能性が高いです。


 例えば、力強い低音を基準にZB-03はコスパが良いでしょうし、語学学習と音楽鑑賞を両立するならカルボテノーレやfinal E2000はコスパが良いと判定できるでしょう。この場合には説得力もあります。

 もしくは、普段は2万円で販売されており、その価格で妥当な性能を持っていると感じているものが、5000円で販売されていれば、これもコストパフォーマンスが良いと言えるでしょう。

 私が、コストパフォーマンスが良いは限定的にありえる、といった理由はこれです。


〇コストパフォーマンスを語った理由



 コスパが良い!や5000円で2万円の音!と言えばセンセーショナルだし、良い物なんだなと人に思わせやすいです。ですので、目に留まりやすい。

 そのような表現をしているレビューを読んで、なぜコスパが良いと判断したのか?とか、2万円の何に比べて良いと思ったのかということを読み取ろうとしても、いまいち書かれていないことがあります。

 私が今回、コストパフォーマンスについて語ったのは、そのようなレビューを読んで『もうすこし何とか説明してくれよ!』と思っている人向けに、私は記事を書きたい、ということを表明したかったのです。

 私が、同じような内容を繰り返したり(けど、本人はより細かく説明しているつもり)、伝わりにくいような細かな話を書いたりする理由は、このあたりにあります。オーディオ関連は個人の好みの影響が大きいです。なので、すごく良い!が人によって違うので『最高って言ってたけど、全然違う!』みたいな事態になりがちです。一方で、『ここの、この部分はこんな感じ』という情報が多ければ、ひとつひとつがピッタリ正確でなくても、全体像が見えてくるのでは?と考えています。

 読み手に忍耐力を要するクソ長い私のレビューのうち、2~3行だけでも『あ~!これが知りたかったんだ!』という喜びを与えることができれば、と望んでおります。とまぁ、こんな感じで、私のスタンスを少しでもご理解いただければ、と思います。

 これはあくまで、スタンスの話なので、どのスタンスが良いという話ではないです。そこはご理解ください。


〇おまけ


 私個人は、理屈っぽいことが好きで、良い悪いではなく、なぜ良いのか、なぜ悪いのかが気になる人ですので『すげー!すげー!』としか書いていないレビューは、読み物として好みではありません。

 しかし、それはそれで有用だと思います。買おうかどうしようか悩んでいる人にとって『すげー良いぜ!買っちまいなよ!』と背中を押してくれる人を探しているときには、そのようなレビューが助けになったりするでしょう。私も、そういう人の言葉を求めているときがありますから。

 そういう言葉を求めている人にとっては、私のレビューは『良いのか悪いのか、はっきりしてくれ!』ともどかしい内容になっていることでしょう。自覚しています(苦笑)まぁ、レビューというジャンルの読み物だと思ってお付き合いいただけると嬉しいです。


※参考記事

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