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2017/06/16

実検するおじさん

【レビュー】Rock Zirconは安価ながら楽しいドンシャリサウンド

安価な中華イヤホンで定番教えて!となるといくつかありますが、ドンシャリ系で使いやすい物となると、Rock Zirconは外せないでしょう。

AliExpressで13ドルほどで、日本のAmazon(マーケットプレイス)での販売価格も2000円程度と、非常に安価に購入可能です。その実力を調査します。

※追記
2018年1月現在では、Amazonで1500円ほどで購入できます

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レビューに関する決め事はこちら


〇無理矢理一言雑感


この価格帯にしては作りの良さがあり、ノリが良く楽しくお勧めしやすい


〇Rock Zirconとは?


 中国メーカのイヤホンが低価格だけど良い音だよ!というように話題になり始めた後、日本円で2000円程度の価格帯で定番のひとつとして挙げられるイヤホンです。最近では既に定番すぎて話題に出ないぐらいですが、好き嫌いはあるにしても、おおむね高評価を得ているように思います。


〇買ったきっかけ


 このイヤホン自体は知っていたのですが、購入までは至っておりませんでした。そんな折、Amazonのショップさんからレビューの依頼をいただきましたのでこの度レビューすることといたしました。レビューはいつも通りのスタンスでいきます。


〇Rock Zircon パッケージ 概観など


 付属品はイヤーピースが付いてきます。ケーブルは良く見てもらうと分かるように、イヤホンプラグ部からが布巻きで、分岐から先が細めのゴム系の配線に変わっていて、なかなか考えて作ってあります。
 ケーブルやリモコン(&マイク)、プラグが同系色にまとめられていますし、筐体もコンパクトでミニマルな雰囲気が出ていて、デザイン性に気を使って作られているのがわかります。個人的に結構好きですね。
 プラグの根元でケーブルが屈曲するので扱いやすいです。ケーブルは柔らかく、扱いやすいですね。筐体がコンパクトなのもあり、運用面ではかなり便利。


〇Rock Zircon レビュー



今回取り上げるのはこちら。価格などはリンク先からどうぞ。




■全体の印象

 ドンシャリ。高音側の持ち上がってくる周波数は結構低い所にあって、男性ボーカルでもやや高い音程の曲なら篭ったり埋もれたりする感じが薄く、ベース、バスドラ、ギター、ボーカル、シンバルがよく聴こえる。ドンシャリの雰囲気がしっかり載って(ギターがミッドカットが強調される)こってりの味付け。
 派手でノリが良く、ロックやポップス、ゲームのBGMなどを楽しく聴くなら、良さが活きてなかなか良い。分解能や繊細さは価格比でそれなりだが、ノリ良く楽しめるという点で十分に価値がある。音量は取りやすい。


■各音域の印象

 重低音はそこそこ低い所まで出ており、低音が楽曲全体に迫力を出している。他の音域も明瞭なのもあり、全体を潰すほどの強さは無い。バスドラの音圧も出ていて、締まりがあってなかなか良い。バスドラやベースのアタックはやや丸まる。
 一方、タムやスネアのアタック(バチンという音)は強調されて聴こえることがある。

 ギターのディストーションの表現は、価格の割に上手い。乾いたキレのある音と力強いドライブサウンドの両方をそれなりに上手く鳴らすが、どちらかというと力強い感じの方が得意。音抜けも良い。繊細さに欠けるが、イヤホンの特性がギターの勢いを出すように、うまくマッチしているように感じる。

 女性ボーカルは明瞭で、生っぽさや繊細さは控えめにクリアな方向性。息の音やリップノイズは鳴らさない。サ行タ行の刺さりも少ない。男性ボーカルは、低い音程だとドンシャリの谷の部分にかかることがあり、やや埋もれる感じがある。

 バイオリンは弦のザリッとした音やホールの残響も鳴らし、空間的な広がりがある。高音まで出ており音抜けが良い。若干、強弱がつぶれて抑揚が小さく感じるが、残響の感じや音抜け、価格を考慮するとなかなか良い

 トランペットやサックスは、やや温かみがあって音抜けも良く、なかなか良い。こちらも抑揚はやや潰れ気味。繊細さが足りないのを理解していれば、空間的な広がりも手伝ってジャズも悪くない。

 鉄琴等のかなり高い音も鳴らし、シンバルで楽曲の勢いを出す程度に音量も出ている。しかし、この音域の分解能は低めで、派手に鳴らす部分では潰れ気味だし細かな表現は出ない。やや細く鋭さがある。超高音に向かってきつめに減衰している感じ。

大雑把な聴こえ方はミックスがボーカルが大きいのが前提で
ベース&バスドラ≒女性ボーカル≧ギター&ピアノ≧シンバル>男性ボーカル(低音側)


■その他聴こえ方

 ソースの粗は出にくい。音量も稼ぎやすくポータブル機やスマホに適する。
 やや高めの音程の男性ボーカルや女性ボーカルのロックなどを聴くと、特に篭った音域というのが無く、派手で濃厚な印象になる。音量を上げれば低音起因で聴き疲れは出るかもしれない。
 打ち込み系への適性は高い。低音の締まりと強さ、中音域の力強さ、高音の抜けが良いことが理由。小音量にすると中高音以上のキレの良さが落ちてきて、低音の主張が強めな、ちょっと抜けの良くない感じになってしまいがち。


■お勧めできる人
 
 ドンシャリの派手な感じ、もしくは締まりのある低音と、ボーカル(特に女性ボーカル)を両立させたいが安く済ませたい人。エレキギターの表現を重視する人。たぶん、ギター用スピーカーの特性と相性が良いのでは?と思うぐらい良い感じに鳴る。(その分、いくぶんローファイな感じも)


■お勧めできない人
 
 ボーカルは明瞭だが生っぽさや繊細さは控えめでノリが良いため、バラードなどを重視するなら、ちょっと違うかも。オーケストラ演奏は、ドンシャリがきつめで中低音が凹んでいる点や繊細な表現が苦手なので苦手。ただ、全体的に音抜けが良いし、ホールの残響感も出すので、音源に依ってはうまくこなすかもしれない。


■雑感

 基本的に、ロックやポップスなどの中で、勢いがある楽曲には良く合う。その他、打ち込み系でも、シューティングゲームBGMなどが好きなら適するだろう。
 そういった分野への適性が高いことを前提にしておいて、バイオリンソロなどもなかなか悪くなくて驚いた。ただ、中低音の凹みが大きく、チェロが低い音程の響きの豊かさと、高音域の抜けの良さが目立って、真中が音抜けが悪かったり響きが足りないように感じるなど、ややチグハグなところがでたりするので、そのあたりを理解した上で付き合えば、なかなか楽しめる。

 偶然の産物かもしれないが、音のバランスや作りを見ると、良く考えて真面目に作っているのでは?と個人的には思う。

 ここが超不得意!というのを挙げるなら高音域で、シンバルが潰れがちだし、きつめに減衰しているのか、不自然にサスティーンが短い感じがする。ただ、他の音域がなかなか良いため、高音域の粗が目立ちがちだが、価格を考えれば妥当かそれ以上かと思う。



〇買い物かごの中身の評価


大雑把なお買い得度を評価する指標です。基準はこちらから。

お買い得度 ☆☆☆☆★
使い勝手  ☆☆☆☆★
お勧め度
  一般  ☆☆☆☆☆
  趣味人 ☆☆☆★★

コメント

 お買い得度は2000円購入として判定。表現の粗さはあものの、元気のある曲を楽しく聴けるという価値が高い。2000円で一芸を持っているなら高評価しても良いのでは?と考えて☆4つ。Aliexpressで買うのもAmazonで買うのも価格差がほとんど無いというのも、お買い得度の高評価要素。※追記:2018年1月現在では、Amazonで1500円で入手でき、この価格なら☆5つと迷うところ。使い勝手も、コンパクトさ、扱いやすさ、マイクとイヤホン装備等々、高評価要素が多く☆4つ。
 一般には、これぐらいの価格帯で、ドンシャリ系で良い物、という条件なら☆5つ。フラット系が好きならもう少し低い評価です。多少投資すれば良い音が楽しめるという好例になるのではないかな?と思います。
 趣味人には、これでなければならない必要性が低いのが悩みですねぇ。話のネタとしても弱いですし。良い物なので、興味があれば買って損は無いです。


 箱を開けて試して『げっ、結構良いじゃん』と呟きました。好きなバランス、楽しいバランスで鳴ってくれている!という驚きの意味です。価格以上の音!と言うと語弊があるのですが、2000円払って得られる満足感としては満足度が高いと評価しています。





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