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2023/05/10

実検するおじさん

プロケーブルさんでVITAL AUDIO VA2とBELDEN 9778のギターシールドケーブルを購入しました

好みのケーブル材で、希望のプラグ、希望の長さでシールドケーブルを作ってくれるプロケーブルさんで、VITAL AUDIOのVA2とBELDEN 9778のギター用シールドケーブルを購入しました。
思ったよりもサウンドに差があったので比較のレビューをします。

○シールドケーブルによって思ったよりも音が違うぞ!


 シールドケーブルで「音が変わらない派」と「音変わるぞ派」があります。個人的には「騒ぐほど変わらんやろ派」でした。が、今回、比較してみた結果は「結構変わる」ということでした。

 音が変わる大きな理由はケーブルの浮遊容量と呼ばれるコンデンサと同じを働きをする要素です。これとギター側の抵抗やケーブルの抵抗との関りによって高音が削れます。原理としてはギターのトーン回路と同じです。削れて音量が下がった分だけアンプ側のボリュームを上げることが多いので体感としては「低音が持ち上がった!」と感じたりします。信号が通る芯部分の素材は大きく影響しないと思うのですが、オーディオ関連での経験則的に銅の純度が高くなったり、銀などが入るとサウンドが結構変わります。これの理由は正直言って説明できないですが、変わるんですよね…。


○VITAL AUDIO VA2とBELDEN 9778とCANARE GS-6の比較


 VITAL AUDIOのVA2はギター用シールドケーブルとして低浮遊容量に開発されています。BELDEN 9778はハイインピーダンス転送用ということでギターに対応したケーブルってわけですね。スペックを比較すると以下の感じ。1m単位では思ったよりも差がありませんが、長くなると差が大きくなってきます。比較のためにカナレのGS-6も記載します。スペックだけを見るとGS-6の抵抗値が小さいのが目立ちます。


VITAL VA2BELDEN 9778CANARE GS-6
浮遊容量[pF/m]100136160
抵抗[mΩ/m]23.835.118


 外観や触った感じの比較をすると、VA2が最も太くてサラサラとした触り心地です。印字がゴールドであることも相まって全体的に高級感があります。9778はそれより細くてゴムっぽい質感であり、グリップが高いというか滑りが悪いです。GS-6は9778の太さに近くてサラサラしています。使用感だけで比較すれば、9778の滑りの悪さが気になりやすく、より細いGS-6の取り回しが最も好みですが、VA2も十分に好みの範囲となっています。

 今回、プラグはノイトリック製にしました。信頼性が高くて好きなのですよ。片方をストレート、片方をL字としました。シルバーの方が見た目が好みなのとコスト削減です。プロケーブル的にもシルバーと金メッキの組み合わせがおすすめらしい。


○VITAL AUDIO VA2とBELDEN 9778とCANARE GS-6の音の比較


 単品でコメントするほどの差が無いので比較をして紹介します。その差はネギや生姜の薬味の有無よりも微妙な差で、醤油や味噌の銘柄の差ぐらいでしょうか。でも、ラーメン屋などではその差が重要と言えるので「意味のある差」であり、「自宅で楽しむレベルでは無視しても支障のないレベル」です。このような微差のために同じTS9でもヴィンテージ品を何万円もアップチャージして購入したりするので、それに比べれば安い趣味だと思います。

 さて、前置きはこれぐらいにしましょう。購入したものはVA2と9778が4mのものです。GS-6は以前に買ったもので2mの物を使用しているため厳密な比較とはなりません。ギターからBOSS GT-1000COREに接続するケーブルに使用し、ヘッドホンで比較しました。内蔵のエフェクトとアンプシミュで歪ませたりクリーンで比較しています。ですので、ケーブルの差が分かりやすい環境です。

 この中で9778が最もシャキシャキと高音寄りのバランスです。低音から中音域にかけて控えめで高音域が抜けてくれます。これに対してVA2は中音域が濃密ですが高音の抜けも十分です。情報量が多い印象。

 大げさに比較すると9778がストラトっぽくてVA2がレスポール的です。ストラトに9778を使って抜けの良さを強調し、レスポールにVA2を組み合わせて濃密さを増しても良し、逆にしてサウンドの平均化を図るのも良いでしょう。VA2で面白いのが、先に書いた通りにケーブルの差は「削れることで残る部分の差が生まれる」はずなのですが、9778よりもVA2の方が音量が大きい印象(アンプを弄らずに比較した)で、高音域も削れていない様子でした。抵抗も浮遊容量もVA2の方が小さいので高音の削れ方が穏やかなはずであり、中音域が強い理由は不明です。

 浮遊容量が大きめで抵抗が小さいGS-6のサウンドは、VA2をもう少しすっきりとさせた印象で、全体のバランスは良好です。ただし、中高音域にわずかに谷があるような鼻詰まり感と言いますか、僅かにワウをかけたような印象があります。ヘッドホンで集中して聴き取れば分かる程度であり問題にはなりませんが意外と癖があります。他に比べて安価であり取り回しが良いので、全体のバランスの良さを評価して選択するのはアリですね。



○ショップ:プロケーブルさんの噂に対する実態


 プロケーブルさんは熱心過ぎる売り文句によって胡散臭く見えて「やばい」だのどうだの噂が立っていますが、実際のところはどうなのか?というところを述べておきます。


 事実だけ言うと、ごく普通の超定番ケーブル材を指定の長さに加工してくれるショップであり、私の信頼するノイトリックのプラグをストレートからL字まで選択して注文できる嬉しいショップであって、受注生産にもかかわらず注文から1~2日程度で発送(これはタイミングとか、注文内容による)してくれるショップであり、Amazonの支払いシステムで購入できる便利なショップで、商売としては超真っ当ですよ。

 価格も、BELDENの同じケーブルを使った完成品と同等とか下手すると安いぐらいでオーダーメイドの手間賃とかも特にないです。届いてから分解してはんだ付け部分も確認したところ、加工も丁寧でした。

 扱っている商品は「貼るだけで磁場環境が良くなる!!」とか「波動の流れが!」とか言っていない、ちゃんとしたメーカーの普通の、まともな製品ですよ。ただ、売り文句が熱心過ぎて怪しく見えるだけです(苦笑)。全体的に文体が陰謀論的だから怪しまれるんだよな。もうちょっとあっさりしておけばよいと思うのだが(苦笑)

 というわけで、全体を総合しまして普通に信頼しているお店です。


リンク:プロケーブル公式サイト



楽天市場だとケーブルの種類が少ないんだよな。プロケーブルさん、見てたら商品を増やしてくだされ。