↓他の記事も読みたい方はこちら
サイトマップと管理人ご挨拶
画像・記事の二次利用も上記まで
※当サイトはAmazonアフィリエイト、Google Adsense、楽天アフィリエイトによる公告を掲載し、収入を得ています。

2023/02/20

実検するおじさん

グローバーオールマンのセルロイドピックは、かつてのフェンダーピックの代わりになるか?[比較レビュー]

素材が変わってしまって評判を落としているフェンダーのセルロイドピック。セルロイドの生産が無くなってきていることもあり、代替製品も少ないです。その中で、セルロイドピックを製造しているグローバーオールマンを購入してみました。

現行、少し前、かなり古いと三世代のフェンダーピックを所有していたので、グローバーオールマンがその代替になるか比較してみました。

その結果、完璧な代替にはならないですが、他のピックに比べれば近いニュアンスがあり、工夫によって差が縮まることを確認しました。




〇かつてのフェンダーのセルロイドピックから素材が変わってしまった


 フェンダーのセルロイドピックはかつての素材から変わってしまってフィーリングが変わってしまったと言われています。自分もそれは確認しています。セルロイドは産業的には「過去の素材」であり、自己発火の危険性もあるため生産が無くなってきています。そのため、フェンダーも過去に使っていた素材が手に入らなくなり、素材感が変わってしまったと考えられます。これは仕方がない。


 写真は、左からグローバーオールマンの0.65mm、10年以上前(古)のフェンダー、5年ほど前(旧)のフェンダー、新しいロット(新)のフェンダー、グローバーオールマンの0.80mmとなります。フェンダーはすべてMidiumです。
 旧フェンダーはサテン仕上げのような傷が深めで、古と新はそれよりもツルっとしています。握った感じは新はちょっと滑る感じですが、古はそれほどではありません。


〇グローバーオールマンのセルロイドピック


 最近のフェンダーのピックが変わってしまって、それの評判が良くないこともあってか、身近なところではフェンダーピックの取り扱いが減り、グローバーオールマンのピックの取り扱いが増えてきました。日本導入は2014年ですが海外では老舗ブランドのひとつだそうです。今回、こちらを購入したので比較します。

 グローバーオールマンのセルロイドピックは艶のある質感で、今回のティアドロップとおにぎり型、ジャズ型などの種類があります。色も、ホワイト、ブラック、各種模様のあるタイプがあります。今回は比較のために同じホワイトを購入しました。

 ティアドロップはフェンダーのものよりも先がとがっており、上部も角ばっています。おにぎり型も丸っこいフェンダーよりもDUNLOP(カメさん)タイプに近い角ばった形状です。



〇古いフェンダーピックと比較する


 フェンダーのピックはMedium、グローバーオールマンは0.65mm、0.70mm(もう少し厚いものもある)を購入しました。ネットショップだとちょっと表示が違ったりします。(ネットショップは実測かも)


0.8mmがフェンダーMediumに近いです。0.65mmはフェンダーに比べてコシが無いペラペラ感があります。


 0.8mmはフェンダーよりも少し厚いです。エッジ部分は、フェンダーは丸めている感じに対して、グローバーオールマンはもう少し鋭く細くなっています。ともに切りっぱなしではありません。グローバーオールマンはピック上部のバリが激しく、刺さる感じが残っているものも混じっているので削ってやる必要がありそうです。弾く部分には影響ありませんが仕上げがちょっと悪いですね。


〇かつてのフェンダーピックの代替となるか?


 結論を書くと、完璧な互換にはならず、重視するポイント次第では代替となります。

 グローバーオールマンは艶があり、半艶のフェンダー(旧・古)と触り心地の違いが気になるならば代替できないでしょう。

 弾いた感じはグローバーオールマンの方が僅かにツルっと感がありますが、弾きこんで削れてくると両社が近づいてきます。先端が尖っているのも多少削ってやれば近づきます。(一枚、削ってみた) また、古フェンダーの方が少し前のフェンダーピックよりもザラザラ感が少なく、グローバーオールマンに少し近いです。
 フェンダーの素材はどの時代も厚さのわりにしっかりしており、コシがあります。少し厚いグローバーオールマンの0.8mmよりもしっかり感があり、グローバーオールマン0.65mmはペラペラ感があります。その観点から、フェンダーよりもわずかに厚い0.80mmが感触が近いです。
 以上を検討すると、グローバーオールマンの先が尖っていることによるタッチの違いと艶感の違いによる触り心地に差はあるが、そこをクリアすると、ピッキングの感触は近いと感じました。


〇グローバーオールマンのピックはセルロイドが好きなら試してみる価値あり


 今回の比較では、グローバーオールマンのセルロイドピックは、どちらかというと、かなり古いフェンダーのセルロイドピックに近く、少し前のフェンダーピックとは差があるとの結果になりました。良質なセルロイドピックが減っている現代においては、有力な選択肢となるでしょう。
 ここに書いた差は、他社の素材の違うピックや他のセルロイドピックに比べると差は僅かであり、厳密に検討すると…というものです。とはいえ、その厳密な差がプレーヤーの求めるものであるので無視はできません。

 グローバーオールマンのピックは150円ぐらいするので、値段の割に切断時のバリが残っているなど、もう少し何とかしろと思う節もあります。ただ、好きだった「あの頃のフェンダーピック」が手に入らなくなっていることを考えると、グローバーオールマンは代替の選択肢に入ってくると考えられます。今回はトライしませんでしたが、紙やすりで表面を荒らして、かつ先端を少し丸めてやると、相当近いフィーリングになる可能性があります。

 お高めのピックではありますが150円程度ですからトライしてみる価値はあると思われます。