なぜ定番のシューグーを使用しないのか、セメダイン スーパーX2をお勧めする理由などを説明しつつ、修理方法を説明します。
〇ランニングシューズの靴底が剥がれた
ランニングシューズの底が剥がれてしまいました。これは、この靴を買ってから何年も放置状態にしていて劣化してしまっていたのが原因です。私のランニングシューズのように、スニーカーでもスポンジ系素材とゴム素材、異種のゴム素材を貼り合わせた靴底って多いと思います。
なので、同様の剥がれを経験した人も多いかと思います。
〇ランニングシューズやスニーカーの靴底の材質
実はかなり以前に、すり減ったランニングシューズの靴底を、定番のシューグーを盛ることで補修する方法を紹介しました。
しかし、今回はセメダイン スーパーX2を使用しました。シューグーを使用しなかったのは、今回の靴底のゴム素材がシューグーとの相性が悪いからです。
『ゴム』と一言で言っても種類や特徴は様々です。産業や趣味の世界では、ゴムの種類が異なれば接着剤やグリスなどをマッチするように変えなければならないのは『当たり前のこと』です。その点、セメダイン スーパーX2は天然ゴムや合成ゴム、シリコンゴムまで対応して多用途です。
シューグーは接着の他、盛って靴底を成形した時の強度やグリップが高かったりで優秀ですが、素材とのマッチングが悪いとどうしようもありません。
〇選んだのはセメダイン スーパーX2
シューグーと今回の靴底素材の相性が悪いので、様々なゴムの種類との相性が良いセメダインを選択しました。
こちらの特徴は、様々なゴムに適合すること、凹凸面が得意なこと、衝撃に強いこと、水分に強いことです。靴底って曲げ、衝撃、水分に夏場は高温と、かなりの過酷な条件です。そういった厳しい条件でセメダイン スーパーX2は有用です。
〇靴底貼りの下準備
まず、剥がれた場所以外に、剥がれそうになっている部分が無いかチェックすることが重要です。爪で引っ掛けて剥がれないか確認してください。
これを怠ると、修理後に履いてみたらすぐに別の部分が剥がれるなどして二度手間になります。二度手間になります。経験者は語る。
貼り直す箇所が決まったら、使い古した歯ブラシと水、中性洗剤などを利用して汚れを洗い流します。砂埃や油汚れが付いていると接着剤の密着が悪くなります。
洗ったら洗剤を残さないように洗い流して、良く乾燥させてください。パーツクリーナーなどを併用するのもアリです。洗剤も保湿成分などの無いものを選びましょう。
〇接着剤は両面に薄く塗る
準備ができたら…
接着剤に付属するヘラを使って薄く塗りつけます。しっかりと押さえつけて塗り付けるのを意識します。表面に『載っている』だけだと剥がれの原因になります。しっかり馴染ませます。また、泡立ちもしないようにしましょう。
パーツ側と靴本体側の両面に薄く塗ります。密着させることが重要なので、接着剤の量は少量でOK。これでも少し多かったかも…。
塗り終わったら一呼吸(1~2分)置いて貼り合わせます。片側塗って、もう片側…と塗っていると時間が経過しているので、それほど時間は置かなくてOK。
合体させたら、間に挟まっている接着剤を押し出すように微妙に揺らしながら押さえつけます。大きい部品なら、押さえる部分を変えながらしっかりと押さえつけます。
〇貼り合わせたら…
ベストなのは、紐で縛ったりテープで押さえたりして圧着するのがベストです。ただ、自分は手抜きをして、貼ったまま放置しています。
硬化のための放置期間は念のため1週間としています。セメダイン スーパーX2のメーカ推奨は24~48時間ですが、貼り合わせ面積が広いこと、曲げや衝撃の大きい過酷な環境であることから長めに設定しています。
これは経験則です。というのも、シューグーは超大盛りだったので時間が非常に必要でした。硬化時間が短いとせっかく手間をかけて下準備したのに、硬化が十分ではなくて削れが早かったです。ですので、今回も長めに硬化時間を設定します。
使い終わった接着剤は冷蔵庫(自分は場所の都合で冷凍庫)に保存しましょう。長持ち具合がぜんぜん違います。
〇修理が完了して
快調に使用できています。
セメダイン スーパーX2はさすがの多用途・耐衝撃性能で不安なく固定できています。
まだまだ溝が残っている状態で剥がれて使用できなくなるのはもったいないです。私のようなランニングシューズ以外にもスニーカーでも多く採用されている構造だと思いますから、レアモデルの靴底が剥がれたりすると悲しいですよね…。接着剤の性能が高くて、修理も簡単なので修理して使うと良いですよ!