今回はIC-CONNECTさん(Twitter:@icconnect_news)よりaudirect Beam 2SE-21を提供いただきましてのレビューです。音が良くて良いです。かなり気に入りました。
〇無理矢理一言雑感
手軽さから考えて文句ない音質が得られる。鮮やかながらキツさを抑え、全域の情報量が多い楽しいさサウンド。また、HD650クラスの鳴らしにくいヘッドホンでも音量を稼ぐことができる。
〇audirectについて
audirectは中国のコンパクトなDAC+HPAのオーディオインターフェイスを得意とするメーカーです。実は今回のBeam 2の前モデルとなるBeamを持っていまして、この辺りとも比較したいと思います。
最近、IC-CONNECTさん(Twitter:@icconnect_news)扱いで展開が始まりました。IC-CONNECTさんは良心的な代理店ですので、日本の市場実績が浅いブランドでも安心して購入することができますね。
〇audirect Beam 2se-21
名前が分かりにくいですが、Beam 2のセカンドエディションの2021年版ってことでしょうか? 似たような型番でいくつかあるので、今回紹介品が欲しい場合はIC-CONNECTさん取り扱いの物を選ぶことをお勧めします。
ES9281ACPROを搭載し、DSD、MQA対応です。また、日本向けの21ではサンプリングレートも上げたものとなっているそうです。ケーブルはLightningの他、USB-Cと、USB-C→USB-A(2.0等に使われる四角いタイプ)への変換コネクタが付属します。私のような、スマホとモバイルPC等で接続環境が混在する人でも便利に使えます。 サイドにはゲインを調整するボタンがあります。長押しでLEDの点灯ON-OFFを切り替えることができます。
〇インプレッション
サイズと使い勝手から考えれば文句なし。ややクールな印象の弱ドンシャリにも思うが、それほど味付けを感じずに楽しむことができる。中低音から中高音、パートで言えば高めの音域のベースからボーカル、ギターの明瞭さと情報量の多さを感じる。また、初期のBeamにはあった高音域で無理していてキツくなっていたところが見事に修正されいる。ここは非常に高評価。このあたりの性能アップとチューニングでBeam2 SE-21は、耳の肥えた人のサブ機として満足ゆくものになっているのではないか?と思う。
Beam2 SE-21の注目ポイントは、かなり音量が取れる点だ。イジワル試験だがDROP HD6XX(ゼンハイザー HD650同等品)で試してみたところ、ハイゲインモードで通常使用ではこれ以上は不要と思うところまで音量が取れた。最大音量時には、中音域から高音域が荒っぽくなるところはあるが、そこまでをこのコンパクトなアンプに求めるのは酷だろう。
比較的鳴らしやすいHD-25で試してみたところ、十分すぎる音質と音量で、正直に言って感心してしまった。ここまでの性能があれば、相当に鳴らしにくいイヤホンでない限りは良い結果が得られると思われる。
〇使い勝手
何も考えずにiOSとiPadOS、Windows10に繋ぐだけで音が出る。このあたりの手軽さは、手軽さが売りな商品であるので重要だしポイントが高い。先に書いたように音量も十分。バッテリー消費の増加は厳密には影響がありそうだが、気になるほどではなかった。ケーブル、筐体共に作りが良く、安心感がある。これだけで使い勝手は合格点。
その他、減点するほどではないが気になるところがあった。
ひとつめは発熱。涼しい季節で稼働させていても、はっきりと暖かい感じるほど発熱する。金属筐体を採用して放熱が優秀であるものと思われるが、そこそこ発熱しているようだ。初期のBeamではプラ筐体で熱は感じなかったので、かなり設計思想を変えてきていると思われる。おそらくは小型ながら出力の大きく性能の高い(そして発熱の大きい)アンプICを搭載しているのだろう。今の季節は大丈夫だが、真夏の動作は気を付けた方が良いかもしれない。
ふたつめはゲインが大きく変わる点。サイドのボタンを押すことでゲインがH→M→L→Hと切り替わるのだが、LowとHighのゲイン差がかなり大きく、本体側の音量を大きく設定していると驚く時がある。イヤホンを壊してしまうほどまでは無いと思うが、繊細なモデルの場合は注意が必要だ。
みっつめは3.5mmのジャックが奥まっている点。やや奥まっている所にあり、手持ちではHD6XXはギリギリで接触不良があり、HD-25では支えてやらないとまともに音が出なかった。ほんの少し、たぶん0.2mmとかそんなもんなのだろうが、修正してほしい点である。かなり微妙なところなので、個体差で自分の個体が不利な方向に取り付いている可能性はある。多くの場合は大丈夫だろうが、リケーブルで大型のジャックが使われている場合などは十分に注意する必要がありそうだ。
さて、ゲームや動画試聴をする際に気になる遅延は、最近のこの手のインターフェイスは体感できるような遅延ゼロで楽しむことができる。大容量通信の普及により音楽ゲームの音質も上がってきていますし、こういうインターフェイスで良い音で楽しめるのは良いもんです。
〇買い物かごの中身の評価
大雑把なお買い得度を評価する指標です。基準はこちらから。
お買い得度 ☆☆☆☆★
使い勝手 ☆☆☆☆★
お勧め度
一般 ☆☆☆☆☆
趣味人 ☆☆☆☆★
コメント
1.2万円で判定。変換ケーブルレベルの低出力品で5000円から、音質と出力に期待できるレベルのもので1万円~2.5万円といったところで、1万円以上がボリュームゾーン。そう考えるとBeam2SE-21はボリュームゾーンど真ん中だ。他の商品とじっくり比較する必要があるが、これだけ音質の良さと出力が望める点は有力と考えて☆4つ。私に複数商品の比較の経験があれば、☆5になる可能性あり。繋げればすぐに使えて、音量も十分でであることから、使い勝手を高く評価したい。気になるところは残るので☆5は付けられないと考えて☆4。
一般へのお勧め度は、まともなDACを持っていないとすると、これがあれば相当な環境のレベルアップが望める。かなりのイヤホンもまともに鳴らすことができるだろう。また、これを買ってからDACを購入しても、サブ機として運用できるため無駄になりにくい。☆5。趣味人には、かなり環境が整っている状況から必要性を感じない人も多いだろうから☆4。もう気軽で良いんだよと考え始めてきた私のような人には十分すぎる性能かつコストパフォーマンスで☆5だろう。
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