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2018/10/04

実検するおじさん

[レビュー]NUARL NX01A2は空間表現の上手さが光る

NUARLのファンで、このブランドに対して甘いのは自覚しております私ですが、新作が発売されましたので早速購入しました。
NUARL NX01A2 レビュー
ということで購入しましたのはNX01A2です。NX01Aの後継として登場しました。私の記憶との比較で申し訳ないですが前回品に比べて低音域の厚みが増したように思います。

詳しく見てゆきましょう。

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レビューに関する決め事はこちら


〇無理矢理一言雑感


フラット系でやや低音に厚みがあり、中高音域の再生能力も高い渋い1本。
空間表現の上手さが光るが、これを良いとするか音が遠いとするかで評価が大きく分かれる。


〇NUARL NX01A2とは


 NUARLは携帯用備品などを製造販売する会社の派生ブランドで、面白い物ではNUARLブランドから高性能なUSB充電器などを販売しています。

↑買いましたので、また記事にしますね。

 そんなNUARLはワイヤレスイヤホン、リモコン付きNEシリーズ、リモコンを排して音質を優先したNXシリーズとラインナップは豊富です。このブランドの面白い所は、採用の少ない技術を積極的に取り入れたり、使い勝手や自社ブランドの立ち位置をよく考えているところですね。音も好みで個人的に応援しています。

 今回のNX01A2はNX01AのマイナーアップグレードでNX01Aと併売されています。NX01Aとの差でトピックスとなるのは、全機100時間のエージング済みであることと、フォームイヤーチップが同梱されたことです。音は、私の記憶で申し訳ないですが、NX01A2の方が厚みが出てノリの良さが出たと思っています。
なかなか使い勝手の良いイヤホンケースが付属します。こういうの何本も入るから好きなんですよ。筐体は鏡面となった金属製。写真では表現しにくいですが、NX01A2は渋めのガンメタリックとなっています。作りは良く、値段なりからそれ以上の満足感は感じられます。ケーブルは編みタイプで、柔らかくクセが付きにくくて、扱いやすくて非常に良いです。パッケージは各モデルに共通するイメージで作られており、トップモデルにしては簡素かな、と思わないでもないです。(自分はどうでもよい)
今回のトピックスはMagic Earというフォームタイプイヤピを付属させてきたことでしょう。これだけで1200円ぐらいします。


〇NUARL NX01A2レビュー



紹介する商品はこちら。価格などもこちらへ。




■全体の印象

 フラット系で中低音が少しだけ盛り上がった感じ。中高音から高音にかけても詰まったりした感じもなく伸びている。楽曲によって(正確にはボーカルのマスタリングによって)はボーカル域が柔らかめに聴こえるので、ドンシャリ風に聴こえることもある。
 定位や空間の表現の上手さがある。高音、特にシンバル類の歪みが少ない印象で、キツさもなく金属的な鳴りが綺麗に伸び、表現の上手さがある。
 全体的に、音源との位置関係を表現しようとしているのを感じ、これを求めるなら合う可能性が高い。逆に、各楽器やボーカルが耳元で鳴るような鳴り方を期待すると違うと感じるだろう。


■各音域の印象

 低音はフラットと言うには少し盛り上がって聴こえる。量的にはさほど多くない。バスドラのアタックやベースラインは音源によって印象が異なり、強めになる楽曲では締まりのある鳴り方をするし、柔らかめに鳴る場合はそのように聴こえる。音源の特徴が出やすい。
 他の音域にも言えるが、イコライザの影響が大きい。DAPに調整機能があって、少し低音の張り出しが物足りない場合は少しだけ持ち上げてやると印象がかなり変わる。低音をイコライザで大きく盛り上げても他の音域に影響をあまり与えずに、破綻感無く、ぐっと低い所まで、強くなるような印象となる。(環境や聴く楽曲によって印象がかなり変わる可能性がある)

 スネアやタムのアタックはそれなり。これも音源による差が大きい。シンバルはサスティーンが長く、金属的な鳴りが良く出る。シンバルの細かなニュアンスも良く出て上手い。かなり派手に鳴る楽曲でも鳴らし分けるし、歪んだ感じも少ない。また、ドラムの定位が良い。

 ボーカルは上手い。ただし音源による差が大きい。最低限のリバーブやコンプしかかかっていない場合は、リップノイズや息の音が上手く出て、非常に艶っぽくて上手く感じるし、定位や複数人で歌っている時の鳴らし分けも上手い。この場合も、歌い手との適度な距離があるような感じ方をする。一方、やや暖かみを出したようなマスタリングだと、距離が遠すぎたり、もやっとした印象となって悪い評価となりやすい。
 どちらにせよサ行やパ行の刺さりは無く、特定の音域や男女による聴こえ方の差は少ない。
 ボーカルもイコライザの影響もが大きく、もし、すこしモヤッとする感じがあるなら、中高音域をほんの少し(ほんの少しだけ)持ち上げると、クッキリした感じが出て改善する場合がある。

 エレキギターは全般的に上手い。ディストーションのエッジ感やキレが良く出る。どちらかというと太さや豊かさのあるサウンドの方が上手い感じがするが、軽やかなカッティングも上手くこなす。リバーブや空間系エフェクトの掛かりも非常に良く、この辺りもギターの表現の上手さに繋がっている。キャビの箱鳴り感も出る感じで好み。


 ピアノは鮮やかさも響きの豊かさもあって上手い。キレの良さや軽やかさもあるが、それらを上乗せする感じは無い。バイオリンは、弦をこするザリッとした成分はそれなりで、楽器由来の響きが良く出る。豊かさはそれなり。高音域まで鮮やかで、空間的な広がりや表現の上手さもあって、ホール録音などを聴くと上手い。チェロなどもう少し低い音域の楽器も上手い。

 トランペットやサックスなどの吹奏楽器は、鳴らし分けも上手い方で響きも出る。どちらかというと豊かな感じに聴こえて、トランペットなどのある種のキツさみたいなものが少しだけ丸まる感じはある。金属的な鋭さや鮮やかさを上乗せするようなタイプではない。

大雑把な聴こえ方は普通はボーカルが強いことを念頭に置いてもらって、

ボーカル≧ギター≧ピアノ>ベース>バスドラ>シンバル


■その他聴こえ方

 サーノイズは鳴らすが耳障りな感じは少ない。ホールの残響や反響、リバーブの表現が上手い。基本的に、ホール録音のような音源とのマッチングが最も良く、続いて実際の楽器を録音してマスタリングした物、完全な打ち込み系と続く。打ち込み系も下手ではないが、マスタリングとの相性が悪いと、妙にモヤッとしたり、定位が定まらなかったりしていまいちノリに欠けることがある。音量は取りやすいし、駆動力による音のバランスの変化も小さめ。

 どちらかというとアコースティックな楽器との相性が良い。楽器の響きや反響の表現が上手いこと、イヤホンのクセを極力載せずに音源に従った音を鳴らす特徴などがマッチしているように思う。エレキギターや打ち込み系との相性も悪くないので、クラシックやジャズ専用と考えるともったいない。

 各楽器・ボーカルの分離も良いので、人数の多いグループや手数の多い楽曲を好む人も試す価値がある。


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■お勧めできる人

 ホール録音のクラシックやジャズなどを聴く人にはぜひ試してみてほしい。各演奏者の立ち位置が良く出て、演奏のニュアンスも良く出る。各楽器・ボーカルの分離も良いので、人数の多いグループや手数の多い楽曲を好む人も試す価値がある。
 キレッキレを求めると物足りないが、そうでなければギターとの相性も良いので、そのあたりを求める人へ。


■お勧めできない人

 耳元で囁くようなボーカルを求める人。そのような音源なら悪くないのだが、音源の特徴に従った鳴り方なので、すべての楽曲を耳の近くで鳴らして欲しい人には合わないかもしれない。低音の量や高音の強烈な鮮やかさを求めるとどちらも物足りないだろう。


■雑感

 憶測で申し訳ないが、イヤホンにおいて出来るだけスピーカーで音楽を聴くような感覚を出そうとした1本ではないか?と感じる。実際、ホール録音の音源を聴くと、音源(演奏者)との位置関係が良く分かり、定位も良くて非常に心地よい。(逆にイヤホン特有の近さを求めると違うと感じやすいとも思う)

 各楽器を録音後にマスタリングした物(ほとんどはこれ)は、マスタリングが上手ければ非常に心地よく聴こえるが、意図的に距離感やホールの雰囲気を付加したようなものだとチグハグに聴こえることがある。打ち込み系など、割り切ってガンガン鳴らしてくれるとそれはそれで気持ち良く聴けるのだが…。

 作りの良さや、定位(距離感)に着目した音作りなど個性があって、個人的には好きな1本である。中音域から高音域にかけての正確さというか生真面目さがある渋い音が好きなポイントだ。ただ、広くお勧めしやすいかと言われると難しい。自分の好みが良く分かって、色々なイヤホンの特徴が分かっている人で、NX01A2の特徴にピンっときた人は買って損は無いと思う。


〇買い物かごの中身の評価



大雑把なお買い得度を評価する指標です。基準はこちらから。

お買い得度 ☆☆☆☆★
使い勝手  ☆☆☆★★
お勧め度
  一般  ☆☆★★★
  趣味人 ☆☆☆☆★

コメント

 お買い得度は約12000円で購入として判定。最低でも☆3を付けるだけの音質があり、ケース、扱いやすいケーブル、フォームタイプイヤーチップが付属して、エージング済みである点を考えて☆4とした。使い勝手は、金属筐体でやや重さがあるのが評価が分かれそうだが、扱いやすいケーブルと音量の取りやすさ、ケースなどを考えて☆3。☆4と悩んだが控えめに。
 お勧め度は一般には、パッと聴いて良さが分かりにくいタイプだし、鳴らし方も好みが分かれそうなので控えめに☆2。クラシックやジャズを良く聴く人には☆3~4付けたい。趣味人には、こちらも好みの差が大きいが、この価格帯では定位の良さと空間表現の上手さ、中高音から高音にかけての歪みっぽさの少なさなど、一度試聴でも良いからチェックいただきたい1本。

私の思うNUARLらしさをキチンと押さえている辺りが、開発陣のさじ加減の上手さや一貫性を感じます。

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