しかし、三脚不可な場所も多いですし、フットワークの軽さから私は一脚をお勧めします。
そんな一脚も価格やサイズが様々で、どう選べばよいのでしょう? 私は、高価で頑丈な物を選べばOKと思って買ったら失敗しました…。
そんなわけで、使い方(スタイル)別におすすめの一脚の選び方をご紹介します。私のように無駄な出費をし無いように、読んでいただけると幸いです。
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〇この記事を書いたきっかけ
私の基本的な購入パターンは、少しのアップチャージで『より良い物』を買うべき、というものです。というわけで、数年前に、あまり深く考えずにしっかりと丈夫なマンフロットのカーボン一脚MM294C4(現行のMM290C4相当)を購入しました。
そこから、自分の撮影スタイルが固まってゆき、撮影機材に関しては、持ち運び易さも考えた方が良い!との考えになってきました。で、そんななかで既に購入した丈夫で大きな一脚は、畳んだサイズが大きくて持ち運ばない…となってしまいました。そこで、コンパクトで常にカバンに入れて置きやすいベルボンのULTRA STICK SUPER 8を追加購入した次第です。
こんな私の失敗経験をまとめておき、丈夫な一脚が必要な人と、コンパクトさを重視した方が良い人の撮影スタイルをまとめることにしました。
〇マンフロットMM294C4(現行MM290C4相当)
私が最初に購入したのは、マンフロットのカーボン製一脚(4段)MM294C4です。ここで段数とは、収納されている段数で、収納されている状態が1段、そこから3つの節が出てくる物です。現行品ですとMM290C4が相当品のようです。折り畳み時49cm。
カーボン製だけあってサイズの割に軽量で、ロック部分はとても頑丈です。軸部分はカーボン柄が出ていて大変クール。
カメラを設置する台部分は大きく、しっかりとしています。また、三脚ネジも外側に見えている3/8と、その3/8の内側に隠れている1/4の2種類を備えています。(バネで3/8が押し込まれる)
※補足
カメラの三脚ネジは2種類の規格があり、ほとんどのカメラは1/4(ニコンフラッグシップでも1/4)で、大型の雲台などでは3/8となっている場合があります。
〇ベルボン ウルトラスティック スーパー8
そして今回購入しましたのは、Velbon(ベルボン) ULTRA STICK SUPER 8です。これの特徴はとにかくコンパクトに収納できる点です。その分丈夫さに欠けますが、この辺りは後に述べます。とにかくコンパクトです。折りたたんだ時のサイズは、わずか26cmです。
何度も言いますが、この商品の特徴は、非常にコンパクトに折りたためることです。そして、そのサイズからは想像できないぐらい長く伸ばすことができます。
ネジは1/4。台座はMM294C4に比べると小さく、しっかり感は負けている感じです。この辺りは、サイズのコンパクトさを追求した結果だと思います。
〇持ち運びやすさの比較
早速、折り畳み時の大きさを比較してみましょう。
比較のために500mlのペットボトル(20cm)を置いてみました。簡単に言ってしまえば、Velbon ULTRA STICK SUPER 8(26cm)はペットボトルの飲み物を入れることができるカバン(よりちょっと大きい)であれば持ち運ぶことができます。一方、MM294C4(現行のMM290C4相当)はペットボトルの2倍以上の長さ(49cm)です。
お手元のカバンとペットボトルで比較してもらえば良いですが、500mlペットボトルの長さの2倍の物が入るカバンは『かなり大型』です。2Lペットボトルでさえ長さは約30cmですから、それより大きいカバンが必要です。
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〇使い勝手の比較
使い勝手と一言に言っても、使い方によって異なるので比較は難しいです。最初に、伸ばした長さを比較してみます。
このように、ベルボン ウルトラスティックスーパー8は156cmまで伸び、コンパクトな見た目から想像できないぐらい長くなります。マンフロットのMM294C4もほとんど差が無いほどまで伸びます。
何cmまで伸びれば良いのか、というのは使い方によって異なりますが、普通に立って撮影するのであれば(頭越しに高い位置から撮影するのでなければ)156cmもあれば十分です。(私の身長は170cm未満)
では『丈夫さ』はどうでしょうか? これはマンフロットのMM294C4が圧勝です。マンフロットMM294C4は、しっかりと太いカーボン製の軸が曲りにくく頑丈であり、伸ばしのロック部分も非常に頑丈にできていて安定感があります。モータスポーツ撮影をする後輩(超大型レンズを使用)に貸してあげたのですが、ガッシリとして非常に撮りやすかったとのことでした。このMM294C4に慣れてしまうと、ウルトラスティックスーパー8が華奢に感じてしまいます。
では、ウルトラスティックスーパー8は強度不足なのでしょうか? 判定が難しいので、実際に使って撮った写真で考えてみます。ウルトラスティックスーパー8で花火を撮影してみました。
三脚に、おおよそ換算150mmの望遠でバルブ(シャッターを押している間ずっと露光する)撮影しました。なかなか良く撮れていると思いませんか?(自画自賛)
シャッター開時間5秒ほどです。多少、光がフラフラしているのが手ブレのせいです。(風で花火の火が流されているのも多少あります)しかもこの日、なぜか手ブレ補正無しのレンズで撮影してしまいまして…。手ブレ補正有のレンズであれば、もう少しマシに撮れると思われます。
テストで一脚無しで撮影してみましたところ、換算150mmでSS5秒となると手振れが酷過ぎて断念しました。それほど一脚の威力は高いです。そして、ウルトラスティックスーパー8でも十分な保持力が期待できます。
〇一脚の選び方をまとめる
以上を考えまして、使用用途別に適した一脚を考えてみます。
☆丈夫な一脚を選ぶべき人
・運動会など一発勝負に賭ける人
・超重量級機材を支える必要がある人
・大型機材を持ち運べるカバンを持っている人
・どっしり腰を据えて撮影するスタイルの人
とにかく運動会や学芸会、年に1度あるかないかの撮影スポットで最高の性能を発揮させたいなら、頑丈さを優先して選んだ方が良いでしょう。一脚か三脚かという問題はありますが、個人的には動くものに対しては一脚の方が(三脚雲台の扱いに慣れていない人には特に)お勧めです。
ウルトラスティックスーパー8は良くできた一脚ですが、頑丈さはMM290C4等に劣ります。ですので、大型のフルサイズ一眼レフ+超望遠レンズを支えたい、もしくはモータースポーツのように動きが大きな被写体を撮りたいなら、四の五の言わずにガッチリとした一脚を選んでください。
先にも示したように、MM290C4は折り畳み時に約50cmあります。これがすっぽり入るカバンはなかなか大きいです。そういうカバンを普段から持ち歩いている人は問題ないでしょう。(もしくは、カバン本体に一脚を結び付けておく仕組みがあるならそれでもOK)
折りたたんでも伸ばしても大きい一脚は、移動時には取り回しが面倒です。よって、どちらかというと撮影場所でセットしたら動かないようなスタイルの方がマッチします。三脚と違って一脚は比較的動きやすいので、三脚よりも動きやすくて、コンパクト一脚よりも動きにくい、といったところです。
☆折り畳みコンパクトな一脚を選ぶべき人
・対運動会用機材を普段にも活用したい人
・比較的機材が軽い人
・荷物を少なくしたい人
・歩きながら構図を決めるタイプの人
購入した機材はできるだけ活用したい人は、とりあえず持っていけるコンパクトサイズを選んだ方が良いです。大きく立派な一脚は良い物ですが、私の場合は全く持ち出さなくなりました。
自分の機材が軽ければ、そんなに立派な一脚は必要ではなく、ウルトラスティックスーパー8のような比較的細い一脚でも十分です。機材が重いか軽いか、の判定は難しいですが、10枚中 2~3枚なら手ブレなく撮影できる機材や設定であれば、まぁ超重量級とは言えない、と思って良いのでは?と思います。
私のように、性能はちょっと妥協しても持ち運びやすさを優先するなら、コンパクトな物、特に、ウルトラスティックスーパー8を選ぶべきです。ここまで長く伸びて短く畳めるのは他にありません。折り畳み時に26cm(500mlペットボトルより少し大きい)なので、ちょっとしたカバンの隙間にも入れることができます。
ウルトラスティックスーパー8なら、カメラに着けたまま折りたたんでしまっても持ち運びしやすいコンパクトさです。また、ちょっとカバンに入れ直したり、片手で持って歩くのも苦になりません。なので、歩きながら『おっ良さそう』と思ったらサッと写真を撮るというスタイルの人は、コンパクトな一脚を選んだ方が良いです。
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〇最後に
ウルトラスティックスーパー8を購入するまでは『既に一脚を持っているのに、コンパクトさを求めて買い増すのは無駄かなぁ?』と悩んでおりましたが、買って良かったと感じています。
実は今回、先の花火を撮るために出掛けたのではなくて、用事で伺う先で『花火大会があるよ』と事前に教えてもらっていた、という経緯でして、その用事の荷物とカメラを持っていくことを考えると、折り畳み時にコンパクトなウルトラスティックスーパー8は非常に有用でした。なにせ、普段使っているトートバッグに放り込んで持ち運べましたから。もし、大きなMM294C4しか持っていなければ、持ち出しを躊躇ったかもしれません。
比較的華奢なウルトラスティックスーパー8でも十分すぎる仕事をしてくれるので、(非常にシビアな状況でなければ)そこまでコンパクトにならない安価な一脚でも十分な性能が得られると考える事もできます。
確かにそれは正解で、お子さんの運動会だけ使えればよい、と考える人は安価な物でも導入した方が良いです。ただ、普段から活用したいとか、もっと面白い写真を撮りたい(機材を使った工夫のある写真を撮りたい)と思っている人は、私の経験を言わせてもらうなら、丈夫さかコンパクトさのどちらかを追求した選択をしたほうが良いです。一脚なんて何本も買い換えるものじゃないですから、ちょっと投資しても良いのではないでしょうか?
私は典型的な『一脚はコンパクトタイプを選ぶべき人』でした。ウルトラスティックスーパー8を買ってから痛感しています。みなさまも、私の経験と照らし合わせて、自分に合った一脚を選んでみてください。
たしかに結構高価ですが、安くて畳んでも大きくて華奢な一脚は、持ち出しすらしなくなってしまいますよ…。