厚みがあり、暖かさのあるサウンドで、駆動力もあって満足しています。
〇大雑把なサウンドの傾向
サウンドは暖色系で、高音域の鋭さは控えめで、中低音以下が厚いサウンドです。ボーカルやギターの鮮明さは失わない程度でチューニングは上手いです。ただ、しっかりとキャラクターのある音なので、再生環境にキャラクターを求めない人は避けた方が良いでしょう。
aune audioはDACはキャラ付けの無いサウンドですが、アンプ類はキャラクターがはっきりしています。X1s GTのDACライン出力を引き出すとサウンドの傾向が大きく違うかもしれませんね。DACのチップは非公開。バランス出力に対応し、LRの上下で4つのディスクリートアンプを内蔵しているそうです。その効果もあってか、駆動力が高いように感じました。
購入直後は高音域の金属的な共振のような変な残響感が出ていました。電解コンデンサのエージングが進んだのでしょうか? 40時間経過後ぐらいからナチュラルなサウンドになりました。この点は要注意。
〇ヘッドホンとの組み合わせを選ぶ
これまでの私のメインはDROP HD6XX(ゼンハイザー HD650相当)でした。これと組み合わせると、ちょっと厚みがありすぎる気がします。中高音域のキレもギリギリで得られる程度。ただ、エレクトロニカ等で使われることがある「スネアやハイハットの音を短く圧縮したようなプチッとかパチッといった音」が制動しきれず、ぼやける印象がありました。残響感があるという印象。これはちょっと想定外でいただけません。
これまで低音域が少し物足りないと感じていたAKG K612 PROが、アンプの駆動力がこれまでのアンプより向上したことと、アンプのサウンドのキャラによって、想像以上にマッチするのに気が付きました。AKG特有の高音域の鮮やかさも良く出ています。同様にK701あたりが好きな方はaune audio X1s GTとのマッチングが良いかもしれません。同様に、現代的な鳴らし方をするヘッドホンに組み合わせることで、HD650風のちょっとオールドライクな古き良きオーディオサウンドを提供してくれると考えると良さそう。
そこで、いろいろと考えたところ、以前にお借りしてインプレッションしたHIFIMAN ANANDAがマッチするのではないか?と考えて、購入することにしました。組み合わせますと、中高音域のあざやかさと低音域の厚みがあり締まった表現が非常に良いです。マッチングが良いと感じています。特に、締まった低音が鳴ってくれる点は、アンプの出力が十分に得られていることによる効果だと思われます。
HIFIMAN ANANDAは中高音鮮やかなバランスで、低音域から高音にかけて非常に明瞭で質の高いサウンドを聴かせてくれるポテンシャルの高さがあります。また、鳴らしやすく使いやすい点も高評価です。良さが分かりやすく、初めて高級機を検討しようという人にもお勧めできます。
〇USB接続時は曲の頭切れに注意
ネットを見ていますと「曲の頭切れが気になる」というレビューがありました。私は光接続(S/PDIF)で接続しており、このような頭切れは発生しませんでした。しかし、USB接続(変換コネクタを挟んでiPadと接続)しますと頭切れが観測されました。
ゲームのサウンドをX1s GTで鳴らしますと、画面転換で無音になるタイミングで一旦出力がカットされるようで、画面転換後の最初の音が切れる(フィルターがかかっているのか、じわっと聞こえてくる)感じがありました。おそらく、光接続の場合は無音とはいえ常にデータが送信されているようで、USBだと無音時はデータがカットされるのかな? カットされたところから音が出るまでに若干のタイムラグがあるようです。試すことができていませんが、動画を見たりしている場合は、無音に感じても環境騒音というかホワイトノイズ的な音が出ているはずなので、このような問題は無いかもしれません。画面転換中もサウンドが鳴るゲームも同様です。このあたりは注意が必要です。
〇まとめ
厚みがあるキャラクターのはっきりしたサウンドで、ヘッドホンとの組み合わせを選ぶところがあります。しかし、全域で鮮やかな現代的なヘッドホンと組み合わせると、厚みがありつつキレもある気持ちの良いサウンドを鳴らしてくれます。
接続時はUSBよりも光接続を推奨します。この点さえ注意すれば、比較的安価に、気持ちの良いサウンドを楽しめます。
ビックカメラが安いですよ。