今回は、SIMGOT JAPANさん(Twitter:@SIMGOT_JAPAN Amazonストアフロント)より提供をいただいてのレビューです。
私がSIMGOTを高く評価する理由である「音作りのバランスの良さ」「ハズレが少なく(個人的には無い)コスパが良い」「作りが良い」ポイントを継承し、良バランスな一本に仕上がっています。
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〇無理矢理一言雑感
全域に繋がりが良くて明瞭、中高音のキレのある表現が魅力。
また、キレと締まりのある低音域の表現の高さがある。
〇SIMGOT EM2Rとは
現在のSIMGOTには、最初のシリーズであるEN、マルチBAのEK、比較的安価なDDモデルであるMT、そして今回のEMがあります。EN700 ProとEM2およびEM2Rは近い価格帯となり、デザインの違い以上にキャラの違いをつけています。
EM2RはEM2の上位(2021年9月現在では併売)モデルとして発表されました。EMに関しては同様に提供品にてレビューしています。
約1.3万円のEM2に対してEM2Rは約1.7万円で価格差があり、付属品やパッケージも上位の物が使われています。ただ、キャラクターはハッキリと異なるので、二つで悩んでいる人は悩ましいポイントかと思われます。
カーボンナノチューブのDD、Knowles 33518のBAのハイブリッド。BAはエアダクトをわざわざ外して組み込んでいます。これにより、(意訳すると)高音域の刺さりを抑えたようです。
質感の良いケース、ケーブル、中音域重視と低音域重視の2種類のイヤーピース、今作はピンバッチも付属します。結構品質が高くて良い物です。
萌えキャラ系とは異なるあたりがSIMGOTの我が道を行く感じがあります。嫌いじゃないですよ。本体筐体、付属品、パッケージの作りの良さがあり、安心して勧めやすいのもSIMGOTの好きなポイント。
〇SIMGOT EM2Rレビュー
今回はSIMGOT JAPAN(Twitter:@SIMGOT_JAPAN)さんよりレビュー品の提供を頂きました。
■全体の印象
中高音の鮮やかなフラット系。前作のEM2は「凹みの小さいドンシャリだが、弊ブログではフラット系とする」としたが、EM2を「ドンシャリ」と評価しなおしたいほどEM2Rは中音域の凹みが小さくなった。低音域のノリの良さを出す厚み、中音域の明瞭さ、鮮やかだがキツさを抑えた高音域とバランスに優れ、ピークや凹みを感じない繋がりの良さが良い。特に、中音域から中高音域(エッジの効いたギターや鮮やかなピアノ)の鮮やかさとかキレの良さは高評価。
どの楽器も上手くこなし、鮮やかな表現が持ち味。正直に言うと全域が明瞭で「全体的に表現が上手い」で済ましたくなるほど。
■各音域の印象
イヤーピースはⅠ型(中高音重視)を使用しています。
ベースやバスドラのアタックが明瞭で、キレや締まりがある。イコライザーを弄って確認したところ、かなり低い音まで再生能力があり、再生機材や音源との組み合わせによって、厚みがあり、締まりのある低音を楽しめる可能性がある。低音の量は楽曲を下支えするだけ必要十分なバランス。
スネアやタムは明瞭で、アタックも強めに鳴る。シンバルは明瞭で鮮やか。シンバルの存在感はあるが、キツさや刺さりは感じず、音量のバランスも良い。
ボーカルは明瞭で鮮やかで良い。どちらかというと女性ボーカルの方が合う。明るく明瞭で鮮明。分離は良好で息の音はそれなりに出て、生っぽさもある。サ行やパ行の刺さりは無い。他の楽器の明瞭さを維持しつつ、ボーカルが綺麗に聴こえて表現も良い点は高評価。
エレキギターは、ディストーションのエッジ感が出て良い。キレがあり鋭いドライブサウンドが得意だし、クリーンのカッティングも良く合う。空間系エフェクトの掛かりが良い。アコースティックギターとの相性も良く、弦鳴りと箱鳴りの双方が出て良い。フラメンコやカッティングの多いアコギパートが印象的な楽曲では良い結果が得られそう。ボーカルやギターの中高音域からシンバルの高音域の繋がりが非常に良い。EM2ではここを評価したが、EM2Rはさらにバランスが良くなった。
ピアノは鮮やかさがあり、アタックが良く出てかなり軽快な感じ。しっとりとしたムーディーな感じも明るく鳴らしてしまうところがある。楽器由来の響きも良く出る。
バイオリンは、明瞭で鮮やかで音抜けが良い。弦をこするザリッとした成分は少な目だが出る。楽器由来の響きは出ているがやや少ない。ポップス等で使われるストリングスやピアノが、楽曲の迫力を出すのに一役買ってくれる。
サックス、トランペットなどはやや細目の音の印象で鮮やか。サックスとトランペットの鳴らし分けは少し苦手。音抜けが良くて明瞭。楽器由来の響きや豊かさは少なめ。渋いダークな感じより鮮やかで軽快な方向性ならジャズなどにもマッチする。
■その他聴こえ方
音源の粗は気にならない。空間的な広がりがあり、残響やリバーブの表現も良い。きつい高音域のピークや刺さりが抑えられているのはエアダクトを外したことが効いてるのかも?
音量は非常に取りやすく、ローパワーな環境でも良い結果が得られやすい。大音量でも破たんしづらく、実質的な許容入力が大きい。小音量でもバランスの悪化が少なくてボーカルやストリングス、ピアノの明瞭さが失われにくく楽しめる点は良い。
■お勧めできる人
ボーカルの明瞭さや鮮やかさを求める人。ストリングスやピアノが印象的なポップスなどを好む人。ギターのキレが欲しい人。明るい感じのアコースティックギターやフラメンコなどもマッチする。質の高い低音域の表現を期待するなら選んでも良いだろう。
■お勧めできない人
ボーカルの艶や囁くような近さを求める人。全体的に厚みや暖かみのある音が欲しい人。
■EM2との比較
EM2でも音域の繋がりが良くて表現が上手かったが、EM2Rでさらに良くなった。特に、EM2ではシンバルやサ行やパ行に少しピークがあったが、EM2Rではスムーズに繋がった。
鳴らしやすさ(必要な駆動力を小さくした)点がポイントのようで、iPhone⇒バスパワーのDAC⇒EM2Rで試しても表現の悪化は感じなかった。ただ、(推察だが)この鳴らしやすさの影響なのか、パワーのある機材を持っている人が、「EM2Rはかなり派手になった」と評価しているパターンもある。普通は、鳴らしにくいイヤホンにおいて機材間の差が生まれやすいのだが、ちょっと珍しいタイプである。
私の比較的ローパワーな環境では、EM2Rはドライで明るく、低音域から高音域になめらかに繋がる高バランス機との印象であった。他の人のレビューを読む際には、使用機材にも注目してやると、傾向が分かるかもしれない。
■雑感
SIMGOTは好みなサウンドを鳴らしてくれるブランドなのだが、EM2Rは特に好きなモデルとなった。他のブランドを含めても好みの上位に位置する。その分、ちょっと褒め過ぎたとも思うので、差し引いて考えてほしい。パッケージや付属品、全体的な作りの良さで満足感を覚えつつ、一聴して「良い」と思わせる音のバランスで満足感が高い。しばらく使用しても飽きお感じなかったので、満足感が持続しそう。EN700 PROが2万円であることを考えても、非常に戦略的な
サウンドと価格である。
SIMGOTのどのモデルでも感じる「チューニングの上手さ」を感じるモデルだ。質の高い低音域や、鮮やかな中~中高音域を目立たせたくなりそうなものだが、音域の繋がりがよく、音域による凹凸が抑え込まれている。
〇買い物かごの中身の評価
大雑把なお買い得度を評価する指標です。基準はこちらから。
お買い得度 ☆☆☆☆★
使い勝手 ☆☆☆☆☆
お勧め度
一般 ☆☆☆☆★
趣味人 ☆☆☆☆★
コメント
お買い得度は16800円で購入として判定。EM2が約13000円に対して差額分の良さは十分にあるし、2万円クラスのモデルとも勝負できる魅力がある。音の良さ、色々な楽曲へのマッチングの良さ、作りの良さ、質の高いケース、イヤピ2種と、高品質そうなケーブルなど、お買い得度は高いと判断して☆4つ。
使い勝手も、上記の評価ポイントを考えて、フィット感が良い点と扱いやすいケーブル、上質なケースが付属して☆5。ローパワーな機材でも鳴らしやすいのも加点要素。
お勧め度は、一般向けには、音のバランスの良さ、作りが良い点と鳴らしやすい点を加点し、予算が許せば試して欲しい気持ちを込めて☆4。初挑戦で約1.7万円は少し高いか。 趣味人には、低音域の表現と全域で鮮やかな表現はオススメポイント。一芸を持ちながらバランスも良いのでオススメできる。☆4。
今回はSIMGOT JAPAN(Twitter:@SIMGOT_JAPAN)さんよりレビュー品の提供を頂きました。
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