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2019/05/18

実検するおじさん

[レビュー]SIMGOT EM2はボーカルの鮮やかさとギターのキレの良さで高評価

何度もファンだと公言してきたSIMGOTさんですが、日本での取り扱いが止まって久しく、寂しい思いをしておりました。そこに朗報が。SIMGOT JAPANが再始動し、日本での取り扱いが復活しました。

そんな折、SIMGOT JAPANさん(Twitter:@SIMGOT_JAPAN Amazonストアフロント)よりEM2のレビュー依頼を頂きましたので快諾しました。

以前よりSIMGOTは音作りの上手さに定評があると感じておりました。今回のEM2も上手くまとめているのを感じて高評価です。


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レビューに関する決め事はこちら


〇無理矢理一言雑感


ボーカルの明瞭さと、中高音域の各楽器にキレがあり高評価
特に中音~中高音~高音への繋がりが良くバランスが良い



〇SIMGOT 洛神シリーズ EM2とは


 洛神シリーズはEM5、EM3、EM1とSIMGOTが一時撤退をする直前に発表(日本未発売)だったシリーズで、このEM2のリリースを引っ提げて日本再上陸を果たしました。
 このEM2は、評価の高いEN700 PROのダイナミックドライバーと、ポータブルオーディオファンならおなじみのknowlesのBAドライバーのハイブリッドタイプとなっています。
SIMGOTは外装は紙の光沢感のみで商品を表す非常に控えめなデザイン。裏面の説明も薄い印字で雰囲気重視。

 化粧カバーをから箱を引き抜くと洛神のマーク。洛神という中国風の名前を持たせているということは、無国籍や欧米風を装わず『中国ブランドなんだ』という気概を感じて私は大変好意的に思っています。どうせならもうちょっと洛神というシリーズネームをPRに使って欲しいなと思っています。
使い勝手が良くて質感の良いケースが付属します。私これが好きです(笑) たまにキャンペーンで配布しており、積極的にもらっています。
手元に届いたのはクリアー。全体的な作りは丁寧だと感じました。少なくとも価格を考えてガッカリしない。
 イヤピがEM2とEN700 PROでは異なっていて、EM2はシリコン一体成型(EN700PROは違う素材とのコンビだった) 音質(マッチング)を優先したのか、コストダウンなのかは不明です。

ケーブルは絡まると引っ掛かりがありますが、クセが付きにくくて柔らかく、取回しは良好です。EN700 PROと比べると若干コストダウン感はありますが、価格抑えめのモデルなのでここはトレードオフということで。安っぽい感じはないです。
 EN700系に比べてコンパクトになり、ステムが長くなったことと、耳の窪みに入りやすい形状になったことから、装着感が良いです。EN700系の装着感に難があった人でも、上手くフィットするようになったのではないか?と思います。

 イヤーピースは説明のある通り。Ⅰ型が中高音の抜けを重視したタイプで、Ⅱ型が中高音を抑えて低音が出るタイプ。使い比べてみると差はあります。とはいえ、EM2らしさを失わない程度の微調整です。私は中高音の抜けを重視するのでⅠ型で使っています。
 ケーブルの抜き差しはしっかりしています。EM2では筐体側に凸があって、ケーブルに凹があります。


〇SIMGOT EM2レビュー


今回はSIMGOT JAPAN(Twitter:@SIMGOT_JAPAN)さんよりレビュー品の提供を頂きました。




■全体の印象

 中高音の鮮やかなフラット系低音域の厚みは必要十分からそれなりといった印象。スカスカした感じはない。EN700 PROの中音~中高音を少し持ち上げて明瞭さを出した分、低音域の印象が弱まった感じ。(低音域の音量自体は減っていないように思う)
 正確には凹みの小さいドンシャリではあるが、凹みの小ささと中高音域から高音への繋がりの良さを評価してフラット系とした。高音は鮮やかだがキツくないぐらいに抑えられている。全体的に分離の良さが高評価。
 どの楽器も上手くこなし、特別苦手なポイントが見当たらない優等生。
 全体的に鮮やかでキレのある方向性。


■各音域の印象

 先にも書きましたが、イヤーピースはⅠ型(中高音重視)を使用しています。Ⅱ型(低音重視)の方は、後で少しだけ追記というかたちです。

 ベースやバスドラのアタックはそれなりで、キレや締まりもそれなり。強く歪ませたベースのエッジ感は強めに出るし、ベースラインも明瞭。楽曲を下支えするだけ必要十分なバランス。
 スネアやタムは明瞭で、アタックも強めに鳴る。シンバルは明瞭で鮮やか。刺さりやキツさが出ないギリギリのところ。スネアやタム、シンバルの音量のバランスは取れていて、シンバルがやたら近いようなこともなく優秀。ボーカルやギターの中高音域からシンバルの高音域の繋がりが良く、大きなピークも感じないバランスが良い。

 ボーカルは明瞭で鮮やかで良い。どちらかというと女性ボーカルの方が合う。柔らかさと鮮明さのバランスは中庸かやや鮮明な(鋭い)方向性。各楽器が明瞭だが埋もれる感じはなく、分離も良好で高評価。サ行やパ行の刺さりは無い。息の音はそれなりに出る。生っぽさもそれなりだが、価格なりには良い方かもしれない。ボーカルの定位は良くはない。(ベタッとした感じまでは悪くない) ボーカルとの適正な距離がある印象で『耳元でささやく感じ』は無い。各楽器が明瞭だが、しっかりとボーカルが主張してくれて全体を通して最も印象が強い。

 エレキギターは、ディストーションのエッジ感が出て良い。キレがあり鋭いドライブサウンドが得意だし、クリーンのカッティングも良く合う。空間系エフェクトの掛かりが良い。アコースティックギターとの相性も良く、弦鳴りと箱鳴りの双方が出て良い。フラメンコやカッティングの多いアコギパートが印象的な楽曲では良い結果が得られそう。
 ピアノは鮮やかさがあり、アタックが良く出て軽快な感じ。楽器由来の響きも良く出る。ピアノがしっとりとダークな感じな楽曲とのマッチングはそれなり。

 バイオリンは、明瞭で鮮やかで音抜けが良い。弦をこするザリッとした成分はやや多い。緊張感や神経質さは控えめ。楽器由来の響きは出ているが少ない。ポップス等で使われるストリングスやピアノが、楽曲の迫力を出すのに一役買ってくれる。

 サックス、トランペットなどはやや細目の音の印象で鮮やか。音抜けが良くて明瞭。楽器由来の響きや豊かさはそれなり。渋いダークな感じより鮮やかで軽快な方向性ならジャズなどにもマッチする。

大雑把な聴こえ方は普通はボーカルが強いことを念頭に置いてもらって、

ボーカル≧ギター&ピアノ>シンバル>ベース>バスドラ



☆イヤーチップの違い

 Ⅱ型は低音が出やすいタイプになっている。元々が中高音鮮やかなので中音域以上の鮮やかさを大幅にスポイルする感じではない。弱ドンシャリの雰囲気となって、こちらの方を好む人も多いだろう。EM2の良さだと私が考える中高音のキレの良さは、Ⅰ型の方が出るため、私はⅠ型を選択したが好みで選べばよいだろう。


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■その他聴こえ方

 音源の粗は、高音側のキツさは少し出るが、全般的には出にくい方。空間的な広がりがあり、残響やリバーブの表現も良い。ローファイな音源とのマッチングはあまり良くない。定位は全体的に良くはない。

 音量は取りやすく、iPadなどでもバランスや表現の悪化は少ない。小音量でもバランスの悪化が少なくてボーカルやストリングス、ピアノの明瞭さが失われにくく楽しめる点は良い。



■お勧めできる人

 ボーカルの明瞭さや鮮やかさを求める人。ストリングスやピアノが印象的なポップスなどを好む人。ギターのキレが欲しい人。明るい感じのアコースティックギターやフラメンコなどもマッチする。軽やかとか元気のあるクラシック、ジャズも良い。低音の量がこれぐらいで良ければ打ち込み系との相性も良い。



■お勧めできない人

 ボーカルの艶や囁くような近さを求める人。全体的に厚みや暖かみのある音が欲しい人。打ち込み系との相性は良いが、EDM等の深い低音を求めると少し違う。低音の締まりやキレも良い方ではないので、そのあたりを求めると希望と異なるだろう。



■EN700 PROとの比較

 もっとも異なるのは中高音の音量。とても雑に言うと、EM2はEN700 PROの中高音域を持ち上げたバランスになっている。(ダイナミックドライバは共通ですし)
 鮮やかさやキレのEM2、暖かさや豊かさのEN700 PROといったところ。
 EM2はEN700 PROにBAを足した構成のため中高音域が持ち上がっており、音量を中高音域主体で決める感じになって、相対的に低音域が弱く感じるといった具合だ。
 よって、レビューから低音域の評価が悪くなった印象を受けるかもしれないが、そういう理由があることを留意いただきたい。

 EN700 PROに中高音域のキレをもう少し欲しいと感じた人には、EM2はうってつけと言って良いだろう。価格差はあるが上位・下位モデルという印象はない。



■雑感

 パッケージからのプレゼンテーションから全体的な作りと付属の良さ、大きな欠点が無くパッと聴いて『良いな』と思わせる音のバランスと、トータルの満足感が高い。そういった意味で、1万円クラスのイヤホンを試したことがない人にも勧めやすいと感じた。
 中高音域の明瞭さがセールスポイントだが、キツさが出たり鋭いピークの無いバランスに留めている辺りが、SIMGOTはサウンドのバランス感覚が良いなぁと感じる。キレの良さを求めるとシンバルがキツかったり近すぎるイヤホンが多いと感じている人は試す価値がある。
 個人的には、ポップスなどでストリングスやピアノが鮮やかに鳴る楽曲との相性がよいと感じた。ピアノなどが鮮やかでもボーカルがシッカリと目立ってくれる辺りは、このEM2の良さと言って良いだろう。
 


〇買い物かごの中身の評価


大雑把なお買い得度を評価する指標です。基準はこちらから。

お買い得度 ☆☆☆☆★
使い勝手  ☆☆☆☆☆
お勧め度
  一般  ☆☆☆☆★
  趣味人 ☆☆☆☆★

コメント

 お買い得度は約13000円で購入として判定。音の良さ、色々な楽曲へのマッチングの良さ、作りの良さ、質の高いケース、イヤピ2種と、高品質そうなケーブルなど、お買い得度は高いと判断して☆4つ。
 使い勝手も、上記の評価ポイントを考えて、フィット感が向上した点と扱いやすいケーブルで☆5。
 お勧め度は、一般向けには、初めての1万円越えイヤホンだとしても納得できる明瞭なサウンドと、作りの良さやイヤピなどの付属品の良さで☆4。試聴可能な店舗などでの扱いが出てくれば試して買えるポイントも考えて☆5に変更したい。
 趣味人には、この価格帯においてかなり有力な候補になりそう、と考えた。直接的なライバルはTFZ No.3あたりだろうか。良い勝負ができるだろう、と考えて☆4。機会があれば試してみてほしい。


今回はSIMGOT JAPAN(Twitter:@SIMGOT_JAPAN)さんよりレビュー品の提供を頂きました。


Salute to Art and Science
『芸術と科学に敬意を』
 SIMGOTのこの姿勢、大好きなんですよね。


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