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2019/11/24

実検するおじさん

[レンタル]aune audio BU1は十分な駆動力と表現力の高さを持ち高評価

aune audioのポータブル用DAC+ディスクリートヘッドホンアンプであるBU1のレンタルレビューです。
aune audio BU1のレビュー
作業用PCで音楽を聴く以外で、音楽を聴く機会はiPadにて音ゲーをする時が比較的多く、そういうときに例えば『駆動力が必要なHD6XXなんかを使えればなぁ』なんて思っておりましたので気になっている商品でした。

今回は七福神商事さん(Twitter:@TSH_corporation 公式通販サイト)より打診をいただきましてレビューをいたします。




〇レビューの経緯


 今回は七福神商事さん(Twitter:@TSH_corporation 公式通販サイト)からのレンタルレビューです。先日の大阪ポタフェスにてお声掛けをいただきまして快諾いたしました。個人的に非常に興味のある商品ですので、じっくりと聴きながらレビューしていきます。




〇無理矢理一言雑感


 十分な駆動力と表現力の高さを持ち高評価。
 大きな駆動力が必要なヘッドホン(イヤホン)において低音域の厚みとキレを引き出してくれつつ、中高音域の細かな表現も上手い。
 基本的に、濃い味付けをするアンプではない。


〇aune audio BU1について


 最初にauneと呼ぶことが多いですが、関係のないショップが検索でひっかかるのでaune audioと書いています。
 さてBU1は、バッテリ内臓ポータブル向けでUSB入力のDAC+ヘッドホンアンプという商品になります。このヘッドホンアンプ部はディスクリートアンプとなっており、既に販売されて評判の良いB1シリーズもディスクリート(B1シリーズはA級動作と、もうちょっと凝った仕様)ですので、期待できます。

※参考 aune B1sのレビュー


aune audio BU1のレビュー
実物は、イエローゴールドとピンクゴールドの間ぐらいかな?
B1sと比べると窓から見える部品・配置が異なります。見えない部分にDACなども搭載されていますから、変更を受けているのも当然ではありますが、B1シリーズをバージョンアップしていった中で得た知見をBU1にも反映させている(七福神商事さん談)とのことなので期待できますね。

 そもそもディスクリートアンプを設計するためには、真空管やトランジスタなどの部品ひとつひとつについて、その部品のスペックをよく理解して流す電流を微調整し、歪みが小さくなるような範囲で使用すべく設計する必要があります。
 この辺りはauneは、A級動作のアンプを設計しちゃうようなメーカですし、放熱関連への検討なども得意なのが容易に想像できますから、安心や期待もできます。そういうニッチな分野の商品に対して、新商品を意欲的に、そして「良い音だよなぁ」と感じさせる魅力ある製品を提供するauneの姿勢が私は好きです。





〇テスト環境と操作系


 いろいろと試してみましたが、主にSurface Go+BU1+SENNHEISER HD6XX(HD650近似)にてレビューを書いています。メインのPC+いつものDAC+HPAと比較してみたり、iPad Pro+BU1で試してみたりと色々です。iPadOS・Windows10、共に何も設定せずに接続するだけで音が出ました。ただし、Windows 10にてこだわるなら、いつも使っているプレーヤーで「こっちのドライバーを使って…」などの設定は必要です。

 使い方は、USBケーブルを機器に接続して、ヘッドホンなどを繋いだBU1の電源を入れれば音が出ます。ゲインの切り替えスイッチが付いていて、ハイゲインとローゲインに切り替えが可能です。切り替えは電源OFF状態で行いましょう。切り替えにより明確に音量が変わります。

 HD6XXとSurface Go(Windows 10)の組み合わせでは、最大ボリュームにできない程の大音量が出ました。
 iPadとの組み合わせでは、BU1のゲインスイッチがハイ側で、iPad側とBU1側が音量最大において、HD6XXでギリギリ気持ちよく鑑賞できる最大ぐらいまで大きな音量が取れました。この辺りは、音源の質やOS等によって変わると思いますので参考まで。




■音の印象


 比較として駆動力の弱いDAP(手持ちの古い物やiPad直挿)にヘッドホンなどを挿した状態と比較などしながら述べます。


 駆動力の必要なHD6XXの音に低音の厚みとキレや締まりが出る。同じく駆動力が必要なAKG K612 Proでも同様の傾向があった。鳴らしやすいイヤホンでチェックした際には、低音域の印象が(HD6XX程は)大きく変わるわけではなかった。
 このことから、

・BU1+ヘッドホン
  ⇒音域バランスの変化が大きい
・BU1+イヤホン
  →音域バランスの変化が小さい

という関係になる。ここから、BU1の駆動力は十分と判断し、音のバランス(特に低音域)を変えるようなチューニングではないと判断した。

 中高音域は鮮やかでBU1由来の刺さりやキツさは無い。この辺りは、使用する機材によって印象が大きく異なりそうだ。
 表現力や分解能の高さがあり、楽器の数やボーカルの人数が多い楽曲でも潰れたりゴチャついたりしない。息の音やリップノイズの表現の上手さもあり、ボーカルの良さがある。


 「低音が出る」と書いたが、これは駆動力の問題であって、基本的には音域バランスの味付けは薄め、もしくは中高音鮮やかだと思われる。(使用ヘッドホンなどによって印象が違い過ぎて…) もともと中高音が鋭くて低音が控えめの機材を使用する場合は、鋭く鳴り過ぎる傾向も感じ取れたので注意してほしい。



■雑感

 HD6XXとの相性が良かったのかな?と思っている。どちらかと言うと中低音に厚みがある機材とのマッチングが良いように感じ、それらの性能を十分に引き出してくれそう。ヘッドホンやイヤホンの個性を引き出すタイプのアンプであるので、使う人によって評価がばらつくのでは?と思わなくもない。

 自分は、iPad Proで音楽ゲームを好きなイヤホンやヘッドホン(HD6XX)で楽しむ、というような使い方がメインになりそうだと感じた。もう一つは、出先のホテルなどでSurface Goで音楽を聴きながら作業したり。ポータブル用において、これぐらいの出力があれば『駆動力の大きいアンプ』と評価できそうで、いろいろな使い方を想像したくなる。


 惜しむらくは入力がUSBのみであること。USB入力の場合は、出力側(DAPだったりPCだったり)のUSBクロックの安定性が効いてくるし、同軸入力に比べてノイズの影響を比較的受けやすい。一方、光入力であればそのあたりを回避できる。
 そういった意味では、BU1をPCにて使用する場合には、クロックの安定性の確保やノイズ対策などの手当て(デスクトップならまだしも、ノートPCは手当てしにくいよな…)が重要になるかもしれない。



■音楽ゲームで使ってみた

 iPad Pro+BU1のように、DACを接続した時に気になるのが遅延です。映像を見る時にも気になりますが、ゲーム時の方がシビアなので、そこんところの使い勝手や実力はどうだろうか?と思っておりました。
 結論から書くと『全く遅延を感じない』です。デレステ(難易度27) ミリシタ(難易度18)で、BU1アリ・ナシを交互にやってみましたが、特に違和感を覚えるようなことはありませんでした。
 ゲーム時の楽曲の音質は、ぶっちゃけ大したことがないですが、HD6XXあたりで上手くごまかしながらプレイしつつ鑑賞しておりますと、十分に楽しめる音質を実現してくれて魅力的に感じました。



〇最後に


 良いなぁ…買おうかなぁ…と悩んでます。HD6XX(およびK612 Proあたりも)相性が良いのが欲しくなる理由のひとつです。

 私が考えるに、以下のようなタイプの人が合うのではないか?と思います。


・多段運用に抵抗感が無い
・鳴らしにくい気難しい愛機だ
・出先でヘッドホンを使いたい
 (出張先のホテルなど)

 少なくとも、私のメイン環境のTopping D3よりも駆動力があり、DACの性能も高いように感じる(D3にある高音域での荒っぽさがBU1では出ずに分解能が高い)ので、このサイズと運用のしやすさ(人によってのマッチング)には価値があると感じます。

 相変わらず作りも良くて綺麗ですので、店頭やイベントで手に取ってみることをお勧めします!



 デスクトップPC用のメインのDACも買い替えたいんだよなぁ…