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2018/06/24

実検するおじさん

【レビュー】使い勝手に溢れた『標準』レンズ LUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.

先日公開しましたLUMIX G 20mm / F1.7 II ASPH.とLUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.の比較記事は、じわじわと人気になっておりまして、皆さん悩むところなんだな、と感じております。

そこで、それぞれ個別にもう少し写真を載せて紹介しようかと考えました。

私はこのレンズを、使い勝手の良さに溢れた良いレンズだと考えています。そのあたりを、実写サンプル写真と共に見てゆきたいと思います。


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※以下に掲載の写真は、大幅なレタッチはしていませんが、細かなトリミングと色の調整はしていますのでご容赦ください。


〇LUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.の概要


 パナソニックの単焦点ラインナップの中では比較的新しいレンズです。パナソニックにおける低価格な25mm=換算値で50mmという王道標準レンズとなります。大雑把なスペックを書いておきます。詳しくは公式サイトへ。

撮影可能範囲:0.25m~∞(撮像面から)
最大撮影倍率:0.14倍(35mm判換算:0.28倍)
最大径×長さ:Φ60.8mm×約52mm
質量    :約125g
付属    :レンズフード


私は、現在使っているカメラGM5とセット販売になっているものを買いました。そもそもの定価も安く、ヤフオクにも多く出ていますのでかなり安価に買うことができます。また、フード付属です。


〇LUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.のおすすめポイント


 私はこのレンズが好きです。正確には信頼しています、と評すべきでしょうか。しかしこのレンズの写りは、シャッターを切れば艶っぽい魅惑の写真を叩き出すでもなく、カリッカリに解像するカミソリレンズでもない『普通』です。ではなぜ私はこのレンズを信頼するのでしょうか?
換算50mmのレンズとはどういう存在なのかを考えてみましょう。


 私は以前は『50mm単焦点で上手く撮れなきゃ写真上手いと自信持てない』などと思っていましたが、最近は、何mmでも満足できる写真を撮れるのが一番、とラフに構えています。それでも50mmという焦点距離は昔から定番なだけに、『焦点距離のひとつの境目』と特別に感じることが多いです。

 換算50mmについて私の感想を述べれば、画角が広くもなく狭くもなくで、画面周辺が押し込まれるような感じもなく、かと言ってクローズアップしすぎない、という焦点距離になります。

 広角側は、画角の変化と見た感じというのの影響が大きく、換算40mm、焦点距離でたった5mmしか変わらないLUMIX G 20mm / F1.7 II ASPH.は『なんだか広く感じる』ということが多いです。(この辺りの比較はこちらへ) 望遠側はすぐさま変化を感じないのですが、75mmぐらいですと注視する構図は得意ですが全体を眺めるという構図には狭いです。

 言い換えると、換算50mmは、被写体に注目する感じでも全体を眺めるにも対応できるような画角なので好きに使ってね、というレンズだと私は考えています。(なのでキットとして付属することが多いのだと思います。逆の見方をすれば、広いわけでもなくクローズアップするでもなくて中途半端、とも言えてしまいますが…)

 そんな画角を持つLUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.は、小型軽量、安価で、F1.7の明るさがあり、25cmまで被写体に寄れます。これはユーザーにとっては、持ち出しやすく、買いやすく、撮影場所の明るさによる制限を受けにくく、被写体との距離の問題も受けにくくなり、使い勝手に溢れていると言えます。

 特別な用途に特化した機材は重要ですが、普段持ち出しておく、カバンにとりあえず入れておく1台としては、使い勝手に溢れるこのレンズは非常に頼もしいのです。だから私は好きです。

※補足

 先のモノクロの写真と最後のテーブルの写真は、かなり暗い店内で撮影しました。ISO高めの設定でノイズは出てきていますが、もっと暗いキットズームレンズだと厳しい環境にあったでしょう。

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〇このレンズを高く評価する理由


 私はこのレンズを『最高に良く写る素晴らしいレンズだ!』とは思っていません。私の印象は『カメラ本体に付属してくる換算50mmの安価なレンズとして最高の仕事をしてくれる』というものです。

 私はこれを『かなりの褒め言葉』として使っています。
 
繰り返しになりますが、このレンズの良い所は、持ち出しやすく、買いやすく、撮影場所の明るさによる制限を受けにくく、被写体との距離の問題も受けにくくなり、使い勝手に溢れている点です。(最初の写真でレンズが大きく見えますが、カメラGM5が小さすぎるだけです)
 このような点に私は、パナソニック開発チームの『使いやすく良く写るレンズをより安く作ろう!』という気概を感じます。これが私がこのレンズを高く評価する理由です。


 かなり撮影に慣れている方であれば、撮影時に、ボディーについているそのレンズは、どれぐらいの絞り値で周辺減光が出て、どれぐらい絞れば周辺部の解像度が均一になって、どれぐらいの位置に被写体を置けばそのレンズの美味しい所を使えるか、もしくはピントが合うのか合わないのか、は頭に入れて立ち回っているでしょうし、高価で写りの良いレンズを使いこなすのであればそれが必要です。
 しかし、LUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.は、使い勝手の悪さや気を付けるべきウィークポイントも無く、比較的寄れ、あれこれ考えずにパッと撮っても、性能はだいたい引き出せます。

 これは普通のレンズとしては極めて重要なことです。
 だから私はこのレンズが好きです。

 このレンズでなければならないアジや特徴はありませんが、減点すべき苦手要素の極めて少ない優等生レンズで、初めての単焦点レンズとしてお勧めしやすく、複数の魅力的なレンズを持っている人にとっても『普通』をカバーする標準レンズとして価値があります。

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〇スペックから見た他レンズとの比較


 このレンズと比較されるのはパナソニックであれば、LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.LUMIX G 20mm / F1.7 II ASPH.の2本でしょう。

 ライカ銘を持つLEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.は写りの面で評価が高く、F値も1.4と更に明るくてボケも期待できます。一方、LUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.が勝っているのは、最短撮影距離です。LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.の最短撮影距離は30cmなのに対し、LUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.は25cmです。これは、被写体に対してどれだけ寄って撮れるかを示しています。

 もし購入を悩まれているあなたが、被写体との距離感やレンズの特性を活かせる構図や設定を理解した上で立ち回れるのであれば、LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.はアップチャージ分だけ良い結果を与えてくれるでしょう。

しかし、そうではない、もしくは色々な場面に対応しやすいレンズを考えるのであれば、被写体に寄って撮りやすく、ボケ味も悪くなくて安いLUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.は有力な選択肢となります。


 LUMIX G 20mm / F1.7 II ASPH.と比較すると、最短撮影距離(もしくは最大撮影倍率)はかなり近い数値です。(この辺りの比較は直接比較した記事を用意しています) 写りの面はLUMIX G 20mm / F1.7 II ASPH.が優勢とされていますが、換算40mmと換算50mmは見え方が結構違います。特に被写体に寄った時が顕著です。(長い間使い比べてきましたので…)
 誤解を恐れずに言えば、LUMIX G 20mm / F1.7 II ASPH.の換算40mmは結構クセがあります。それを上手く使えたり、換算50mmではちょっと狭いと感じやすい街角スナップではLUMIX G 20mm / F1.7 II ASPH.の方が良い結果を得られやすいです。一方、LUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.はより『普通』な写り方をします。ですので、画角による見え方の影響をあまり考えたくない、もしくは考えることに慣れていない人にとっては、LUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.は良い結果を得られる可能性が高いです。


〇最後に


 このLUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.は、単焦点レンズの楽しさを味わってみたい、という人には非常にお勧めできる良くできたレンズです。小さく軽く持ち運びやすい、被写体に寄れるので使いやすい、ということはレンズ交換式カメラに慣れていない人にとっては非常に重要です。そんな使い勝手の良いレンズが非常に安価に購入できるというのは非常に恵まれていると考えています。

 過度な期待をするにはこのレンズには荷が重いですが、単焦点レンズとの付き合い方をこのレンズで練習して、自分に必要なレンズを見極めてゆくための足掛かりとして非常に優秀です。ここから、単焦点は特に必要ないと考えてゆくのか、さらにクローズアップできるマクロレンズに進むのか、ポートレートが好きなので換算85mmのような望遠寄りのレンズの方がマッチするのか等を検討していっても遅くは無いです。

 レンズへの投資で重要なことは、出来る事を増やすための投資であることです。そういう観点でこのレンズは、標準ズームレンズから次のステップとして優秀だと私は考えています。


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