基本は通販のみであるにも関わらず知名度があり、人気が高い商品です。
「これがケンタウロスなのかぁ」という感慨があって面白いのですが、それ以上に使い勝手が良いペダルで気に入っています。
☆本日の紹介品:StudioDaydream KCM-OD Gold
〇KLONのケンタウロスについておさらい
私が述べる必要もないぐらい知名度があり、様々な考察が為されています。
色々な事情があって、有名なケンタウロスのマークがあったりなかったり、金色だったりシルバーだったり、時期によって音が違うとかなんとか。
しかも、オーダーシステムが「ユーザーのプレイスタイルやジャンルに合わせてチューニングして納品」だったらしく、個体差もあるとの噂です。
これほどまで考察されているのは、なんとなくエヴァンゲリオンのようですが、それぐらいにレジェンダリーな作品な訳です。
ちなみにケンタウロスは、特徴的なケースが入手できなくなったことを理由に生産が終了しました。そのため、クローン製作も盛り上がったわけで。そして、時を経て本家KLON KTRが次期モデルとして復活して、今も(一応は)生産しているようです。(シン・エヴァかな?)
ケンタウロスはアウトプットレベル、トレブル、ゲインのオーソドックスな3ノブスタイルです。特徴は、昇圧回路を内蔵したことによるヘッドルームの広さと、ペダルオフ時にも効いているバッファーの優秀さ、歪ませた音に原音がミックスされることが後に大きな影響を与えました。
これらの技術がケンタウロス発祥かどうかは私は調べていませんが、これらの技術を搭載したペダルは、ケンタウロスを踏んで産まれているといっても過言ではないのでは?と感じます。
ケンタウロスはオーバードライブに分類されますが、ブースターとしての使用が有名です。また、バッファーの効果によって「繋ぐだけで音が良くなる」とも言われたりしています。
〇StudioDaydream KCM-OD Gold V9.0について
KCM-OD Goldのヴァージョン9.0となります。2022年9月現在で最新です。
KCM-ODはゴールドとシルバーがあり、ゴールドは基板の銅箔の厚さからゲルマニウムダイオードから抵抗、コンデンサまでコダワリまくり、ケースサイドから各種微調整が可能となって約2.7万円です。シルバーは約1.7万円で、良質な設計はそのままに、比較的手に入りやすい部品で構成しているようです。
自分はそこまでケンタウロスに思い入れがあるわけではないのでシルバーとゴールドと悩みましたが、タイミングよくゴールドが入荷したことと、説明文を読むとゴールドには「やりたいことを全部詰め込みました!!」という気持ちよさがあり、購入を決意しました。
〇StudioDaydream KCM-OD Gold V9.0のレビュー
クリッピングを選択することができ、ケンタウロスと同じゲルマニウムクリッピング、シリコン、LEDの3種類を選べます。また、ローブーストの量を調整できます。バッファーON-OFFも選べますが、ここではONを前提とします。
内部で昇圧されており、9V入力専用です。この手の昇圧系ペダルだとDCアダプタによっては動作が不安定になったりします(某ソウルフードみたいに)が、こちらはかなり安定していますね。このあたりも高評価。
ゲルマニウムクリッピングは、ちょっともっさりというか柔らかい、いなたい雰囲気で、ヴィンテージっぽいとしか言いようがないかなぁ、という感想。本家がゲルマニウムを使っていますし、せっかく良質な部品を搭載してくれているので、基本はこれを使っています。
シリコンはもう少しクールな感じ。ゲルマニウムに比べて中高音の鋭さが乗っかる印象のように感じます。LEDはジャリジャリとハッキリ。ゲインを上げるとファズっぽさもある歪みです。
最初にオーバードライブとしての利用から。ゲインを上げると、優しさのある歪みの中に、原音の芯があります。ニュアンスには追従してくれるものの、ボリュームで歪んだり歪まなかったりといったアンプライクさは薄く、しっかりコンプが効いて、ハッキリ歪む印象です。ゲイン下げ目、トレブル上げ目で、ストラトのフロントで弾くと鈴鳴り感があって好きです。
KCM-ODのチューニングが上手く、極端すぎることをしなければ、どのセッティングでも使いやすいサウンドです。また、ハイゲインにしてもノイズが少ない!!!!!
ローブーストを効かせると、ヘッドホン使用の環境だとローが出過ぎる印象。
ギタースピーカーであるキャビネットを模擬した音を出すキャビネットシミュレータのAMT エレクトロニクス CN-1 カメレオンCABを買いました。これをヘッドホンアンプとして使用しています。エフェクターの音の違いが分かりやすく、非常に便利です。
一方、アンプに繋ぐと、アンプとスピーカーの特性に関わらず、上手くローを引き出してくれます。ローが出にくい小型アンプや、ジャキジャキしたギターの補正に使うのが良いのでは?
次にブースターとして。純粋なブースターとしても、音の太さが増して、ちょっとコンプ感があって、密度が上がる印象です。個人的には、単体では歪んでるかどうかぐらいのローゲインに設定したブースターで、後段をプッシュして歪みを増す設定とすると、後段の単体でゲインを上げるよりも歪みに複雑さが増して好印象です。
最近、自分はジャズの練習をしているのですが、↑の写真の設定+ローブースターを効かせて、ストラトのフロントでアンプもロー寄りにして、ジャズギターの太くて丸いサウンドが楽しくて弾いていることが多いです。めちゃ気持ちよい。
〇作りが良いKCM-OD おすすめです
とにかく作りが良いです。ケースの質感の良さ、ノブやジャック、スイッチといった操作部分に高品質な物を使っている感触、サウンド、ノイズの少なさなど、満足感が高いです。
Youtubeで本家との比較動画などがアップされていますので視聴してみますと、方向性は同じだけど、本家よりも整っている、ハイファイな印象で、日本人が作るペダルっぽいよなぁと感じています。
ですので、完璧なクローンペダルではなく、あくまで「強くケンタウロスを意識した良質なオーバードライブ」としては、かなりの高評価な逸品ではないか?と感じています。単機能なオーバードライブに2万8000円は高く感じますけど、これだけのものを作ろうとしたら、そりゃ高くなりますぜ?と思います。
ケンタウロスではないけど、ケンタウロスの面影を感じつつ、満足感の高い、良質なオーバードライブが欲しいなら、是非。
StudioDaydream 公式サイト
Amazonでも取り扱いがあります。