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2019/02/06

実検するおじさん

【レビュー】ZIRCO PEZZOは低音域の表現に上手さがあり、ボーカルも明瞭なバランス型【ZERO AUDIO】

今回紹介するZERO AUDIO ZIRCO PEZZOは、ゼロオーディオの新シリーズZIRCOシリーズの一角として登場しました。
この商品は、発売のかなり前からサンプルとして展示されていたのですが、製造上の理由ということで、発売までかなりの時間が経ってしまった、という経緯があります。

約5000円と弊ブログのメインターゲットとなる層で、初期のサンプルで試聴した際に発売になったら必ず買おうと決めておりましたので今回レビューします。


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レビューに関する決め事はこちら


〇無理矢理一言雑感


 低音域の表現が上手く、ボーカルから中高音にかけても明瞭で使いやすい
 小型軽量で使いやすい点も高評価



〇ZERO AUDIO ZIRCO PEZZOについて


 低価格帯で人気商品を多く有するゼロオーディオの新機軸ZIRCOシリーズの、安い方ということになります。より高価格なNEROは、ケーブル途中で中継されてBluetoothケーブルと接続できるなど意欲的な製品になっていることを考えると、このPEZZOは基礎を固める商品と考えて良さそうです。

 ハウジングにジルコニア(をセラミックとして加工した物)を使用しており、これがZIRCOシリーズの特徴となっています。
プラグはカルボテノーレ、メッツォ等と比べてグレードアップしています。また、Lチャンネル側には小さなリング(?)が付いていて、左右が分かりやすくなっています。これは分かりやすくて良いですね。


 ケーブルは若干癖が付きますが絡みにくいタイプ。イヤーピースは先端が細く尖ったような形状となっており、耳の奥側でフィットさせるタイプ。人によってはフィッティングに難が出るかも。
 筐体は小型軽量で、イヤーピースさえフィットしてしまえば装着に難は無く軽快な使い心地。タッチノイズは少ない方。また、音量は取りやすい方。



〇ジルコ ペッツォのレビュー


今回取り上げているのはこちら。価格はリンク先からどうぞ。


■全体の印象

 ドンシャリ系だがボーカルも十分に出ている。かなり高音に鋭いピークがあるが、それを除けばバランス型。低音の締まりがあって厚みもある。ボーカルは柔らかすぎず鋭すぎず中庸な感じで、他に埋もれるようなことは無い。中高音域も明瞭で、キレのあるギターも悪くない。シンバルがかなり鋭くキツく感じやすいところがある。
 箱出しの状態では、中高音以上のキツさが目立ったが、100時間程度の慣らしで収まった感じはあるので、購入の際は留意してほしい。
 音量を下げると、中高音のキツさや荒っぽさはほとんど感じない。ボーカルが若干柔らかくなる感じはあるが、全体のバランスが崩れずに聴きやすさがある。


■各音域の印象

 ベース、バスドラ、タムのアタックは少し強めで締まりやキレもそこそこあって上手い。低音域および重低音も楽曲に厚みを出す程度に十分出ている。ベースラインおよびバスドラが前面に出てくる感じで、ノリの良さがある。音域全体に見て、このあたりがこのイヤホンの得意分野で、他を上手くバランスさせている感じ。
 試しに重低音~低音をイコライザで持ち上げてみたところ、かなり低いところから厚くキレ良く出て、かつ他の音域との分離を保っており、ポテンシャルの高さを感じる。
 シンバルや、鉄琴のような金属的な音を出す楽器(パーカッション含む)は、かなり高い所にあるピークでかなり鋭くキツく感じる時が有る。楽曲によってはここが強調され過ぎる場合がある。表現は荒く、繊細さは無い。

 ギターのディストーションのエッジ感も出るが、どちらかというと厚みのあるサウンドの方が得意。全般的に上手いと言って良いレベルだろう。アコースティックギターも悪くない。
 ピアノはやや暖かめに厚めに鳴る感じで、軽やかさは少し苦手。バイオリンは、鋭さと厚みがありバランスが良い。楽器由来の響きは少なめで、ソロ演奏を集中して聴くには表現に物足りなさがあるが、楽曲にストリングスが多めに入っている楽曲では、楽曲の鮮やかさを出してくれるのに一役買ってくれる。もう少し低い音のチェロなどもなかなか上手い。

 吹奏楽器の鳴らし分けもそれなりにこなす。鋭いトランペットよりも、暖かみのあるトランペットや、サックスの方が得意な感じ。

 ボーカルは明瞭。暖かさや厚みとクリアさは中庸。細かな表現の上手さや生っぽさは控えめ。息の音は楽曲によって差がある感じ。サ行は刺さることがあるが、慣らし後はいくぶんマシになった。
 ボーカルの立ち位置は中庸で、適正な距離がある感じ。鋭いギターの音やシンバル等の中高音域以上が相当派手な楽曲でなければ埋もれることは無い。

 どの楽器と特定するのが難しいのだが、中高音域の表現が大雑把というか荒っぽく感じることがある。楽曲や再生機とのマッチングが悪いと気になる可能性がある。



大雑把な聴こえ方は普通はボーカルが強いことを念頭に置いてもらって、
バスドラ&ベース≧ボーカル≒シンバル等高音域>ギター&ピアノ
というような印象。



■その他聴こえ方

 サーノイズは目立ちやすい。ソースの粗も分かりやすい方だ。ホールの反響などは多少出すが、空間的な広がりは少な目。定位もそこまで良くない。音量を大きくすると定位と分離、中高音域の表現が悪化する感じがあるので、すこし抑え目に聴くのが耳にとってもバランスとしても良いだろう。

 打ち込み系の表現はかなりうまい。低音域の締まりのある表現がノリの良さを出す。かなり低音が多い楽曲でも、他の音域の分離を保ったまま鳴らすので、低音の厚みのあるEDMなどもマッチする。

 イヤーピースを先が丸い(より一般的な)タイプに置き換えて、より耳の外側でフィットさせると低音域のノリはスポイルされる感じが多少あるが、中高音域の荒さが目立ちにくくなり、バランスもより良くなるので、イヤピを持っている人は試してみるのも良いだろう。


■お勧めできる人
 
 ロック、ポップス、打ち込み系が好きで、勢いやパワフルさを求める人に。低音の量ではなく質を求める人にはマッチする可能性がある。ボーカルも明瞭なバランス型で、超苦手な分野も特にないように感じる。


■お勧めできない人

 あくまでノリ良く聴かせるタイプなので、ボーカルの歌唱力や表現力に重きを置いた楽曲や、空間的表現を重視する楽曲、各楽器の表現が重視されるクラシックでは物足りなさを感じるかもしれない。


■雑感

 このイヤホンで注意すべきはイヤーピースと耳とのフィッティングだろう。ここがクリアできれば、耳の奥側でフィットさせることで、このイヤホンの持つ低音域の上手さが出て、良さが出る。
 イヤピ交換でさらにバランス型になると書いたが、その分、低音域の魅力は減る。良さが無くなるほどではない。ここを許容できれば、小型軽量でバランスの良いイヤホンとして重宝するかもしれない。



〇買い物かごの中身の評価



大雑把なお買い得度を評価する指標です。基準はこちらから。

お買い得度 ☆☆☆★★
使い勝手  ☆☆☆☆★
お勧め度
  一般  ☆☆☆☆★
  趣味人 ☆☆★★★

コメント

 お買い得度は5500円で検討。小型軽量で音量も取りやすく、左右が分かりやすい使いやすさもあって、バランスも良いので☆3。付属品などによる加点が無いのでこれぐらい。中高音の荒っぽさを減点するともう少し厳しい評価になる。
 使い勝手も、先に書いた通りの内容に加え、ロック、ポップス、打ち込み系など広くマッチすると考えて☆4。
 一般には、イヤーピースが耳にフィットする前提で、音質だけなら☆3かと思うが、小型軽量で、楽曲全般とのマッチングも悪くなく、音量も取りやすい点を考えて☆4。販売店も多く試聴機も多い点も加点材料。
 趣味人には、より低価格~同価格帯で有力なライバルが多く、強みに欠けるところはあり☆2としたが、イヤーピースでのチューニングなどを追い込めるなら☆3となるかもしれない。中高音域以上の荒っぽさをどう評価するかで意見が分かれそうだ。


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