NikonのD7100はバッファが比較的小さくて連射が弱いと言われています。しかし、通常使用する分には不足は感じません。正確に言うと『不足は感じなくなった』です。それは書き込み速度が速いSDカードに乗り換えたことがきっかけです。
現在主力のSDカード。
これを撮るために古いSDカードを引っ張り出してくる羽目に(苦笑)
では、高速なSDカードに変えると何が変わるのかを考察してみましょう。これが分かれば、SDカードへの投資の価値が分かってくるかもしれません。
というわけで、カメラのファイルバッファや書き込み速度、ボトルネック、それによる撮影時の影響も合わせて説明します。
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〇カメラのバッファとSDカード書き込み速度と連射速度
いきなりいろいろと出てきました。この3つの要素が関係しあって、連射性能が決まってきます。もちろん、シャッタースピードの最高値とかも関係がありますが、カメラを変えないと変わらないので、そのカメラだったら…ということです。
この3つがどのように関係しあっているかを図にして説明してゆきますので、頑張ってついてきてください。
〇連射してたらカメラがフリーズしたぞ!
詳しく言うと、ファイルの書き込み待ち状態になって、ある程度書き込まないと次の撮影ができない状態と言えます。こうなると何もできません。その間にシャッターチャンスが来るかもしれませんし、何よりイライラして良いことはありません。
この状況を理解するために、撮影したデータがSDカードに書き込まれるまでの流れを図にしたので見てみましょう。
〇画像データとバッファと書き込み速度の関係
撮影された画像は画像処理されて一度バッファに貯められます。バッファとは一時的に貯めておく場所というイメージをしてください。この場合はすぐにSDカードに書き込みができるので書込部にデータが送られてSDカードに保存されます。この時、書込速度と書いた矢印は細いことに注目してください。 これは、他の部分に比べて速度が遅いことを表しています。
各部の正確な速度(ビットレート、ボーレート?)は分かりかねますが、普通に考えてSDカードへの書き込み速度が一番遅くなります。(速度はRAM>ROMという関係)
〇書き込み速度が遅い場合に起きる問題
では、この書込速度が遅いとどうなるのでしょうか?写真を連射したとしましょう。
書込速度が遅いので、SDカードに保存する前にバッファにどんどん写真が送られてきます。書き込みきれない速度で写真が増えてゆきますので、バッファに貯まる一方です。(滝のような水をタンクに入れ続けて、出口は蛇口ぐらいだとタンクの中身は増える一方というイメージ)
こうなると写真の行き場がなくなるのでカメラ側で撮影ができないようにストッパーがかかります。(タンクから水があふれないように入ってくる水を止める)つまりこれが操作不能のフリーズのようになってしまう状態です。
言い換えれば、SDカードへの書き込み速度が、カメラの撮影速度のボトルネックとなっていると言えます!
これを回避するには3つの方法があります。
1.バッファ(タンク)のサイズを大きくする
2.写真のサイズを小さく(入れる水の量を少なく)する
3.SDカードの書き込み速度を速くする(出口を大きくする)
バッファサイズは、カメラ性能に依存しますので変更できません。新型に乗り換える、ってことはできるかもしれませんが、乗り換えずに能力を上げよう!という意図の記事に反します(苦笑)
というわけで、2か3になります。
〇ファイルサイズを小さくした場合
こうすれば、バッファが満タンになる前に書き込みができて、フリーズが回避できます。しかし、それを超えて連射すれば、やはりフリーズになってしまいます。それに、やはり大きな画像で撮影したいですよね?〇書込速度が速いSDカードの場合
では、書込速度が速いSDカードに変えてみましょう。
書込速度の矢印が太くなりました。するとどうでしょうか?バッファは満タンにならずに、ドンドンとSDカードに書き込まれてゆきます。
これが速いSDカードによる効果です。
目安を書いておきます。
D7100はほぼ最大サイズで撮影すると、RAW+JPEGで1回の撮影で30MBのファイルを生成します。この条件で、CLASS10 (書込30MB/s程度と思われる)のSDカードですと、連続撮影が続くと操作不能に陥ることがありました。
そこでCLASS10 書込40MB/s(保証値)のSDカードに買い替えましたところ、連射速度は途中から落ちる(と言ってもやや遅くなる程度)で、連射し続けることができました。※参考値です!
しかし、使ってみると、この小さな差が案外大きいことを感じます。ちょっとした無反応がちょっとしたイラッの積み重ねになるんですよね・・・
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☆速度は書き込みだけではない
書き込みが速いSDカードは読み込みも早いです。読み込みは、さっきの図を逆方向に写真が動くのですが、撮った後に画面で確認する際に、読み込みが速いとサッサと表示できてスムーズです。
数枚撮って、チェックして、また撮影して、という流れを多くとる人にとっては、想像以上に読み込みによる『一瞬の待ち』が多いのです。速いSDカードに乗り換えて、『うわっ、俺、待たされてたんだ』と思うと思います。(笑)
☆まとめ
いかがだったでしょうか?
これが分かったからと言って、連射速度が速くなるわけでも、写真がうまくなるわけでもありません。しかし、なぜ速いSDカードを買った方が良いの?という疑問は解決できるかと思います。
ちなみに管理人はSandisk派です。
自分が使っているものはモデルチェンジして無くなってしまいましたが、より速く、価格も安い製品が下のものとなります。これぐらいの製品が、中~大型の一眼レフには費用対効果的におすすめできるクラスですね。
こちらは海外リテール品と言って、海外流通品を安く売っているものですので、品質に差はありません。その他のメーカ品で同じようなスペックを探すと、とても高くなってしまうので、このあたりがおすすめです。わたしの個人的な経験則ですと、Sandisk製では、ハズレのSDカード(もしくは機器と相性が悪いもの)を引いてしまったり、書き込みミスによるデータ破損に見舞われたことはありません。
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