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2022/01/01

実検するおじさん

リコーGR3を2年間愛用して「買って良かった」と感じている話

2019年の年末セールで購入し、2020年1月から運用を始めた私のGR3。物撮りから望遠気味の方が得意で、広角系の写真に苦手意識がありました。
そんな私が28mmの単焦点レンズを搭載したGR3を買って2年。どんな写真が撮れているか、どう感じているかこの機会にまとめてみます。




○今回の紹介

・リコー GR3


○リコー GR3についておさらい


 小型のボディにAPS-Cの大きなセンサに換算28mmでF2.8のレンズを搭載するコンパクトカメラです。特化したことで高い描写力を実現しているのが伝統です。また、スナップシューティングの使い勝手を追求して進化してきたところが特徴で、起動からシャッターを切るまでが短かったり、細かな操作性にこだわって作られています。
 GRシリーズの存在が他社の進化のベンチマークとなってきた、特にスナップシューティングの部分は参考にされてきていると考えています。

 クロップ機能があり、センサーの一部分だけを切り取った、デジタルズームと呼ばれるような機能ですが、28mm→35mm→50mmと切り替えることができます。また、「寄り」に強いのも特徴ですね。通常時最短10cm、マクロ時最短6cmまで寄れます。さらに、エフェクトが多彩かつ、そのままでも良い画を出してくれる点は魅力ですね。



○使い勝手の感想


 私はGR3を常にバッグに入れて、外出先でラーメンを撮ったりカフェの写真を撮ったりすることが多いです。また、良い景色があればサッと取り出して撮影する機会が増えました。

 物撮りでは50mmにクロップすることが多いです。ラーメンぐらいのサイズ感だと35mmでないと入りきらない場合もあります。逆に風景だと28mmの画角を楽しんでいます。

 コンパクトで持ち運びやすく、サッと撮っても満足できる画を叩き出してくれるところは「さすがGR」と唸りたくなります。


○街角スナップが楽しい


 自分が苦手としていたけどチャレンジしたかった街角スナップ。キレの良い描写をしてくれます。

※エフェクトは使用していますがJPEG撮って出しです。
明暗差が激しい環境でも真っ黒には潰れずに粘ってくれます。
またGR3で好きなのはHDR機能です。良い感じに調整してくれます。
28mmの画角は広く捉えられて魅力的ではありますが、不要なものが入り込んだり、対象が不明確になってクセがあります。それを使いこなせるようになってくると、魅力的な画を叩き出すGR3はとても楽しいです。



○近距離の物撮りも良い


 物撮りで重要なのはピントを欲しい所に合わせたら食いつくことかな?と感じています。その点、GR3はピンポイントで指定してやると、かなりがんばってピントを合わせ続けてくれます。
革のグラデーションとか上手く捉えられていると思います。



○GR3を持っているから思うGR3Xとどちらにする?


 GR3は換算28mmのレンズを搭載するのに対し、GR3Xは換算40mmです。換算40mmは私の元愛機であるパナソニックのm4/3用レンズのLUMIX G 20mm/F1.7と同等になります。m4/3とAPC-Sでは縦横比が違いますが…。
 その経験から言うと、真っ直ぐ見た感じの50mmの画角と比較すると『ちょっと広い』のが特徴で、画面の端で人間の眼よりも広く写っているのを感じます。
 また、28mm程度と比べると広角特有の難しさが薄く、シーンを切り取りやすいです。50mm程度の「普通」から比べて少し癖があって面白いです。
 めちゃくちゃ当たり前のことを言っていますが、この感覚の違いは重要です。この感覚が変わる、広角っぽい画格から標準っぽい画角に変わるのが換算40mmぐらいだと思っており、GR3Xが40mmとしたのは絶妙だと感じます。


 テーブルフォトや人物をメインに撮る人はGR3X、今回私がアップしたような広角ぎみに取りたい人はGR3が良いと思います。




○最後に


 性能の高いカメラを備えたスマホが必携アイテムとなった今、スマホの得意とする画角と被るGR3とGR3Xをわざわざ買おうと考える人は、普段のスマホでの撮影に不満を覚えている人や、写真に本気で取り組んでみようと考える人だと思います。

 GR3は、そんな「拗らせた人々」を満足させる『写真を撮るツール』として良い物だと感じます。写真初心者が使ってみても良い感じにまとめてくれる親切設計と、こだわりたい人が突き詰めるヘッドルームの高さがあります。


 といっても、それなりに写真の仕組み(画角とか露出とか)がわかってこそ面白い機材だと思うので、そのあたりの基本がわかっている人や、これから勉強するつもりで購入を検討するならオススメのカメラだと感じます。