↓他の記事も読みたい方はこちら
サイトマップと管理人ご挨拶
画像・記事の二次利用も上記まで
※当サイトはAmazonアフィリエイト、Google Adsense、楽天アフィリエイトによる公告を掲載し、収入を得ています。

2022/01/02

実検するおじさん

キャビネットシミュレータをギター用ヘッドホンアンプとしてHD25で使う[AMT Electronics CN-1 カメレオンCAB]

大昔はギターで遊んでいたのですが触らなくなって早○年。もったいないということで遊び始めました。
ギターアンプで大音量で楽しむが最も良いのは分かりますが、日本の住宅事情では難しい。小音量だって気を使います。ヘッドホンアウトのある練習用小型アンプはたくさんありますが、意外と面倒だなと感じておりました。

そこで、エフェクターサイズのキャビネットシミュレータAMT Electronics CN-1 カメレオンCABをヘッドホンアンプとして使い、ゼンハイザーのヘッドホンHD25と組み合わせて楽しんでます。
これが意外と便利で良い感じ、ギターを楽しむ最小構成のひとつでは?と感じています。




○ギターアンプは大きいが、ギター直挿しヘッドホンアンプも味気ない


 最もコンパクトに楽しむのであれば、ギターのアウトプットに直挿しするギターアンプや、Bluetoothトランスミッタを繋げるタイプがあります。


 これらの有用性は理解しているのですが、好きなエフェクターを並べたり、アンプシミュレータを繋いだり、好きなヘッドホンを使ったりと拡張性を考えると、自分は好みではありませんでした。保守的なんですわ。


 そこで選んだのがAMT ElectronicsのカメレオンCABです。詳しい機能は後に述べるとして、こちらはギターアンプや録音機材に出力するアウトプットと、ヘッドホンアウトがあります。そのため、ギター出力のレベルの信号を入れてやると、ヘッドホンを鳴らすための出力を出してくれるものとなります。私はこの点に着目しました。


○AMT Electronics CN-1 CHAMELEON CABとは?


 AMTは、様々な有名アンプのシミュレーターペダルを販売しています。かなり早い段階からアンプシミュに力を入れていたメーカーで、一時期は話題になっていました。

 現在は競合モデルが多くなったり、PC側で処理するソフトウェアが普及したために影が薄くなりましたが、今でも面白いと思えるモデルが多くあります。


 カメレオンCABは、このようなアンプシミュと組み合わせて使用することを前提としたもので、スピーカー1発のキャビや4発モデル、ヴィンテージの甘いスピーカーから近代的なものをシミュレートしたり、録音のマイク位置によるサウンドの差をシミュレートします。それによって、アンプシミュでは得られないキャビと録音環境による差を生み出すものです。これをキャブシミュレータと呼びます。


 このような音質の変化を加えた出力を、ヘッドホンを駆動するアンプから出してくれます。つまりカメレオンCABは、入力した音をギターのスピーカーキャビネットから出したような音にしてくれる商品だと言えます。



○どうしてキャブシミュレータが必要なのか?


 ハイファイなオーディオ機材ですと、スピーカーによる味付けは「基本的には小さい」です。まぁ、色々と意見があると思いますが。

 一方、ギター用のスピーカーとキャビネットは、それ自体が楽器やアンプの一部、音色を変えるエフェクターのような扱いとなっています。
 エレキギターが発明された当初は、ギター専用のスピーカーなんてありませんでしたから、学校の校内放送用のスピーカーなんかが流用されたと言われています。
 当時においても、オーディオ機材としては良い音がしないスピーカーであり、中音域が強く出る、オーディオ的にはクセの強いものでした。しかし、これが逆にギターにマッチしたのか、マッチするようにアンプを調整したのかは不明ですが、それが「エレキギターの音」として認知されるようになったようです。

 そうしますと、ギターアンプから出る電気信号による音だけを聞いても、ギターサウンドは完結しません。個人的な見解ですが、ギターアンプの小さな差よりもキャビネットとスピーカーによる差の方が大きいように思っています。

 そのため、アンプシミュレータにこだわる前に、キャビネットシミュレータを採用した方が良い結果が得られると考えました。



○CN-1を使ってみて


 なかなか良い結果が得られています。ここにギターの出力を直挿しした音は、さすがにペラペラとしていて味気ないですが、オーソドックスなサウンドのエフェクターをローゲインに設定して挟むと、十分に楽しめるサウンドになります。


 この状態は、ある意味で「電気的に理想的なギターアンプがキャビネットを駆動している」状態になります。なので、通常のギターアンプのように「エフェクターで大きな信号を入力することでギターアンプが歪む」現象は発生しません。これにより、実際のギターアンプを使ったり、アンプシミュレータを使うよりもスッキリと、歪みの複雑さが無いサウンドになります。

 これはデメリットではありますが、メリットでもあります。エフェクターのクセを掴みやすいんですよね。微差をチェックしやすくなります。
 本来のギターアンプもキャビネットと同様に「中音域にフォーカスしたサウンド」なので、前段のエフェクターもトーンを絞り気味にしたりして調整する必要があります。

 ベストは、気に入ったアンプシミュレータを挟んだり、アンプライクとされるエフェクターをキャビシミュの直前に入れることでしょう。




○AMT Electronics CN-1 カメレオンCABの操作方法


 実はこいつ、まともな説明書が入っていません(苦笑)

 なので、少し操作方法を。

 注意してほしいのは、こいつにはボリュームがありません。本来はアンプシミュのマスターボリュームで調整するという想定なのでしょう。CN-1+エフェクターの構成で楽しむなら、最終段のエフェクターでボリュームを調整してください。


 左上の「CAB」は、キャビネットのサイズ違いをシミュレートするものです。動かしてみると、左回転で1発のコンパクトなキャビで、右回転で2×2の大型キャビネットっぽくなります。サウンド的には、左回転で低音と高音が削れて中音域にフォーカスして、右回転でハイファイで低音が出る印象です。

 右上の「MAGNET」は磁石の種類をシミュレートするものです。左回転でヴィンテージ風のアルニコっぽく、右回転でネオジのような現代的になります。サウンド的には、左回転で中音域にフォーカスして丸い感じ、右回転でエッジが立ってキレが良くなります。ただ、キレが良くなりすぎて過激な印象がありました。

 左下の「TURN」はマイクの向きをシミュレートします。右回転でマイクをスピーカー方向に向けて、左回転で逆向きにするイメージです。スピーカー方向に向けるとシャキッとキレがある感じで、逆向きにすると丸い角の取れた印象です。

 右下の「POSITION」はマイクの距離かな?と思います。左回転でマイクを遠ざけて、右回転でキャビの前に近づけるイメージです。サウンドは、左回転で柔らかく、右回転でクリアになります。


 どのノブも、文章だけでは効果が同じように見えるかもしれません。自分も「このように効きます」と表現しにくくて苦しいのですが、サウンドはハッキリと別々の効き方をします。おそらく、効いている周波数帯が異なるのでしょう。

 参考までに私の調整方法は、マグネットを右回しにすると過激になりすぎるので絞って、ポジションとターンを右回しにするとツインリバーブを大音量で鳴らしたような鋭さが出るので耳が痛くないように絞っています。


○ヘッドホンはゼンハイザーのHD25の相性が良い


 CN-1に合わせるヘッドホンとしてロックサウンドに合うと言われるゼンハイザーのHD25を使っています。私の推測ですが、「ロックに合う」とは「ロックギターの音域が上手い」ということだと考えています。実際に、ドンシャリではあるのですが、より低い低音はバッサリカットして、高音域もある程度のところからカットされており、ギター用スピーカーの特性を低音側と高音側に拡張したような特性です。

 また、HD25は比較的鳴らしやすいので、出力が期待できないカメレオンCABのヘッドホンアウトでもマッチします。

 あまりハイファイなヘッドホンや、ドンシャリが激しいヘッドホンは、高音域の刺さりがアンマッチになりがちです。耳が痛ければエフェクター側でトーンを絞れば良いのですが、本来は出てほしいキレまでスポイルされることがあり、HD25ぐらいがちょうど良いのではないか?と考えています。エフェクターやキャビシミュだけではなく、ヘッドホンも含めてサウンドを完成させるイメージです。



○エフェクターの特徴が分かりやすくて良い


 先に書いた通り、理想的なアンプを使っているのと同じ状況になって、エフェクターの音をダイレクトに聴くことになります。ですので、微妙なサウンドの違いが分かりやすいです。

 当然、「実際のアンプでは分からないぐらいの微差」だとは思いますが、せっかく選びに選んで好きで買ったエフェクターですから、微差が分かる環境は貴重だと考えています。

 同じような考えの方は是非。


サウンドハウスで買うと安いよ