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2024/07/21

実検するおじさん

Gibson Flying V (2000年代製)のレストアとメンテ[その4 完成]

レストア+メンテナンス その1その2その3まで進みまして、今回で完成です。
ノブ類を交換して見た目も好みに。ノブ変更だけで結構雰囲気が変わります。


〇今までやったことのおさらい


 ローフレット側が減っていて、ハイフレットで音詰まりがしていました。また、フレットが減ったことで山が無くなり、フレットが四角になってしまったことでビビリが生じるようになっていました。そこで、高いフレットを擦り合わせしつつ、フレットすべてを山ができるようにヤスリで削りました(その1)。完成後、テールピースをヴィンテージマニアックスのアルミ製に、スタッドボルトをモントルーのスチール製に交換しました(その2)。

 ここから、ピックアップはノーマルのままで、トーンコンデンサーをノーマルより容量の小さい0.01μFに交換し、配線追加でグランドを強化。配線材もオヤイデの4N銀単線に変更しました(その3)。


〇最終調整からの完成


 弦を張り、適当な弦高に調整して、ネックの反り具合を見ながらトラスロッドを調整します。フレットすり合わせ時に弦無しである程度真っ直ぐになるように調整していた(弦の張力無しで真っ直ぐになるようにしていた)ため、弦を張ると順反りになります。ですので、少しロッドを締めます。半日かけて動くようなこともありますから、ここでは追い込み過ぎないようにします。

 この状態から、弦高を調整し、フレット全体を使って弾いて音詰まりが無いことを確認します。どうしても音詰まりが酷い時は少しすり合わせをすることを覚悟していましたが、弦高調整でうまくいきました。併せて、テールピースの高さ調整をします。ギブソンのテールピースタイプの場合、弦高を上げてテールピースを下げると、特に1弦がブリッジの角(テールピース側)に接触してしまうため、この辺りの様子を見ながらテールピースを調整しました。ただ、ナッシュビルタイプの幅広のブリッジとこの時代の?フライングVの設計のせいか、ブリッジとテールピースの距離が十分ではなく、接触しやすい状態……。うまくごまかします。

 ノブは、モントルーのソンブレロタイプへ変更。70年代風ですね。元々はメタルハットノブがついていましたが、2Vol、1Toneのところ、なぜか1Vol、2Tone表記になっていたため、どうせ交換するなら…と変更です。一応、67年のフライングVでもこの仕様もあったのか、この仕様だったのか、時代は合うようになっています。個人的に見た目が好きだったので採用しました。
 あと、こちらは完全に好みでポジションスイッチのチップをメタル製に。そして完成です。
 数日してネックが動いた(正確には、トラスロッドを操作した分だけジワッとネックが動いた)ため、少しだけ調整しました。それ以降は変わっておらず、問題ありませんでした。


〇完成した満足度は?


 まず、趣味のギターメンテとして得た経験値は大きかったです。細いヤスリによるフレットの成型は技術向上につながりましたし、中音域が強いハムバッカーに0.01μFを組み合わせることが有用なことも分かりました。

 完成したギターも、自分で言うのもなんですが完成度が高く、弾き心地も格段に良くなりました。また、ブーミーだったサウンドもキレのあるものとなり、満足がいくものとなりました。メタルの練習がしたくなります。