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2018/07/29

実検するおじさん

[レビュー]iina-style IS-BTEP10NC ワイヤレスイヤホンはノイズキャンセリングの威力大

最近、Bluetoothワイヤレスイヤホンの依頼レビューが続いております。そんななかiina-styleさんから引き続きお願いされた際に受けるか悩んだのですが…。ノイズキャンセリング機能付きで低価格を目指しました!という意欲的な商品でしたのでレビューすることにしました。

というわけで低価格帯Bluetoothワイヤレスイヤホンを提供するiina-style様(Amazonストアフロント)よりサンプル提供をいただきましたIS-BTEP10NCをレビューします。

音抜けが良くバランスも良くて、ノイズキャンセリングの効果が十分に感じ取れましたので、安価なノイズキャンセリングイヤホンを探している人は参考にしてみてください。

ノイズキャンセリングは特に新幹線車内では良く効いて、非常に静かに感じましたよ。

詳しく見てゆきます。


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レビューに関する決め事はこちら


〇無理矢理一言雑感


元気のある鮮やかな音でバランスが良い。
また、ノイズキャンセリング効果は実用レベルに効き、新幹線車内などでは効果の高さが実感できる。


〇IS-BTEP10NC Bluetooth ノイズキャンセリングイヤホン概観

 作りはなかなか良く、しっかりとした印象があります。少々お高めなので、低価格帯と比べると当たり前なのですが、ノイズキャンセリングという機能があって、この値段でこの作りなら、十分に価格なり~それ以上、と言っても良いのでは?と感じます。
スタビライザーが装着済みの物も含めて3サイズ、イヤーピースも同じく3サイズ。イヤーピースは、硬めの軸の入った高品質なタイプです。これは好印象。個人的には低価格帯商品にも100円アップぐらいでこのイヤピを入れてくれると大変うれしいなと。(ライトユーザーにはお得感は伝わらないだろうなぁ…)

 このiina-style IS-BTEP10Aの重要なポイントは、日本の技適に適合しているという点でしょう。この適合の検証をするのにもコストと手間がかかりますので、低価格帯商品であってもきちんと対応しているアタリはiina-styleの真摯な姿勢が見て取れます。


〇IS-BTEP10NCレビュー



今回は、iina-style様(Amazonストアフロント)よりサンプル提供をいただきました。楽天でも取り扱いがあります。




■全体の印象

 なだらかなドンシャリ。誤解を恐れずに言えばフラット系の低音域を持ち上げた感じ、の方が近いかもしれない。ボーカルは低音と高音よりも控えめだが十分に明瞭に聴こえる。厚みのある低音域と明瞭なボーカル、シンバルがアクセントになっていて良いバランスにまとまっている。元気のある鮮やかな印象で良い。

 スプラッシュシンバルに歪みや飽和したチリつきを感じることがある。楽曲とのマッチングもあるが、スプラッシュシンバルが派手に鳴っている曲だと気になりやすい。逆に、落ち着いた楽曲であればほとんど気にならない。この点が気になるかどうかが評価が大きく分かれるポイントだと感じる。


※ご注意
 今回は、Bluetoothの無線型であるため、音質に関しては普段よりも甘めの評価としていることを留意してください。というのも、ケーブル上に受信機のあるBluetooth型で、出力の大きさの面などから有線式に比べて不利であり、同じ基準で判定すると、私の感想以上にネガティブな印象を与えてしまうからです。



■各音域の印象

 低音域はかなり低いところまで良く出ており、楽曲全体に厚みが出ている。中高音域も明瞭なので低音主体という訳ではない。ベースラインとバスドラの明瞭さや締まりはそこそこ良い。また、低音域が多い楽曲でも他の音域と分離できている。スネアやタムは、ヘッドを叩くアタックはベースラインやバスドラの主張に比べてやや弱めだが必要十分といったところ。

 シンバルは明瞭で細く鋭い感じ。サスティーンは短め。シンバル、鉄琴、金属系のパーカッションのような高い音も出ている。高音域が良く出ているので楽曲全体のキレとか鮮やかさが出ており良い。スプラッシュシンバルに歪みや飽和したチリつきを感じることがある。音源の圧縮の具合とかDAP側の影響か?と考えて色々試したが改善しなかった。楽曲(というか楽器のセッティング)によって気になるか否かが大きく異なるようで、全く気にならないこともあれば、目立つ時もある。

 ギターは全般的に得意。ディストーションのエッジ感が良く出ているし、やや太めの音からカッティングのキレまで上手くこなす。ディレイやリバーブとの相性も良い。分離も良く、派手にベースラインが鳴っている時もギターの分離が保たれている。ピアノは少し柔らかめながら明瞭に聴こえる。

 ボーカルは少し柔らかい表現だが明瞭で良い。息の音はそれなり~良く出るとどちらにするか迷う。また、ボーカルは少し近めに感じる。他の楽器との分離も良く、楽曲全体の中でボーカル中心となるようなバランスに整えられていて良い。


大雑把な聴こえ方はミックスがボーカルが大きいのが前提で
ボーカル≒ベース&バスドラ>シンバル>ギター&ピアノ

ただし、音量を下げた時、ギターやピアノがシッカリ残る感じがしたので、音量による印象の差は大きめ。


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〇ノイズキャンセリングの効果


☆先に、使い方について

 ノイズキャンセリング機能はボタン一つで切り替え可能。通常はキャンセリング状態で、ボタン短押しで音楽音量が下がり、周囲の音を取り込んで聴こえるように音を出すようになる。(モニターモード) ボタン長押しでノーマルモードとなってキャンセリングを止める。
 音楽音量は、ノイズキャンセリング状態が最も大きく、次いでノーマルモード、モニターモードとなる。静かな部屋でノイズキャンセリングをオンにすると、サーノイズが増える。屋外で音楽を聴いているなら気にならないレベル。


☆さて、効果確認の実験です。

 日常使用で十分に効果が感じられる。大雑把に言って、ノイズに対して中音域から中低音域がキャンセルされるイメージ。

 ゴーとかブォーというような音(洗濯乾燥機や室外機、ガソリンエンジンのアイドリング音、タイヤノイズ)に対しては効果が高い。逆に、カチャカチャとかサーという比較的高い音は聞こえてくる。(多少効いている気がするが) 表現が難しいので、少し大袈裟かと思うが、ノイズキャンセリングオンで遮音性それなりの車(エンジンオフでね)に乗り込んだ時ぐらいの差がある。

 非常に効果が高いと感じたのは新幹線の車内。キャンセリングの効果が高い周波数帯との相性が良いのか、かなり静かになる。(音楽を流さずにキャンセリングだけで試した) 車内放送は十分に聴こえ(多少効いている感じ)、ある一定以上の音量はよく聴こえるようだ。いざとなればモニターモードにすれば外の音もよく聴こえるので便利。

 オンオフを切り替えながら試していると『こんなにも外の音が大きいのか!』と感じる程の効果がある。1万円程するので贅沢な使い方だとは思うが、新幹線移動が多い人や、やや騒がしい所で仕事や読書をする際の【アクティブ耳栓】のような使い方もアリなのではないか?と感じた。


■通信面と使い勝手

 通信面の安定性はそこそこ良好。iOS(iPod touch)および古いモデルだがAndroidでも問題なく通信できた。テストはiOSで運用した。
 しばらく運用していると、途切れはたまにある。機器やイヤホンが原因の可能性もあるが、どちらかというと同じ場所で発生している感じがあるので、その周辺にある他の機器の干渉を受けている可能性がある。そのような場所を抜ければ安定した通信で音楽が楽しめる。
 少なくとも、完全に切断されて再接続が必要になったり、途切れて再生をもう一度押す必要が出るようなことは試している中ではなかった。


 バッテリは、連続使用可能時間6時間。実験では連続使用で6時間は確実に使用できた。バッテリを使い切ると寿命にも良くないので、3~4時間程度で充電するようにすれば十分だろう。iOSの場合、画面上にイヤホンの残バッテリー量が表示されて便利。

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■雑感

 2000年頃からちらほらとノイズキャンセリング機能を持った製品が登場し始め、2005年頃にはメジャーなメーカー(ソニー等)が各社数機種ぐらいラインナップしているような印象でした。当時は、効果もそれなりで、音も悪くなるというのが相場で、私も試聴程度で試しましたがいまいちと感じていました。(オーディオにお金を使うつもりがないというのもありましたが)

 そこから15年近く経ち、随分と安価に、商品としてバランスの取れた物が手に入るようになったのだな、としみじみと感じました。それだけ『やせ我慢する必要が無く普通に使える』レベルの製品だと思います。

 最近のワイヤレスイヤホンのレビュー全般に書いているので信じてもらえないかもしれませんが(汗)、このiina-style IS-BTEP10NCも音質的にバランスが良く取れていて、十分に音楽を楽しめて良いと感じました。

 厳しいことを言えば、高音域のチリつきとか歪みっぽくなる感じは『ここさえなければもっと高評価になったのに…』と思います。逆に言うと、この価格で『細かいことを言うとあと一歩』と言えるぐらいに仕上がっている訳ですので、ラフに使うなら十分な性能かと思います。


〇買い物かごの中身の評価


大雑把なお買い得度を評価する指標です。基準はこちらから。

お買い得度 ☆☆☆☆★
使い勝手  ☆☆☆☆★
お勧め度
  一般  ☆☆★★★
  趣味人 ☆★★★★

コメント
 お買い得度は約12000円で判定。どちらかというとノイズキャンセリングの効果の高さからお買い得度を考えた。また、イヤピも堅めの軸の入った良い物が入っているし、全体的な作りも良いので☆4つ。使い勝手も、ノイズキャンセリングの効果は安定しているし、新幹線車内のようにマッチした環境で使えば非常に効果が高いため☆4つ。
 お勧め度は、試聴無く気軽に買うには12000円のイヤホンは高く感じるだろう、と考えて一般向けに☆2つ。元気がある鮮やかな音が楽しめて、ノイズキャンセリングの効果も期待できるため、安価なノイズキャンセリング付ワイヤレスイヤホンを購入するなら、もう少し高めの評価でも良いと感じる。もし今後、試聴できる環境が出てくれば、もう少し高めの評価をつけても良いだろう。趣味人には、気になる歪みや割れが局所的にでもある場合は、趣味人の評価は極めて(やや過剰に)厳しくなる、と感じているので、高音域(シンバル)のチリつきがあるため厳しく☆1。これさえなければ☆3つ付けても良い音のバランスの良さと明瞭さ、ノイズキャンセリングの効果が期待できる。



 iina-styleさんには、ぜひとも頑張って実店舗での試聴機会を設けてほしいなと思いました。機能や性能を考えればお値打ちですが、やはり1万円越えの商品を試聴なしで買うのは勇気がいると思いますので…。試聴する機会があれば評価も高まってくる(ネガポイントも折り込み済みで購入する人も増える)のではないかなぁ?と思わせるポテンシャルの高さがありました。



今回は、iina-style様(Amazonストアフロント)よりサンプル提供をいただきました。




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