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2024/07/18

実検するおじさん

Gibson Flying V (2000年代製)のレストアとメンテ[その3 電装編]

フレット編テールピース編に引き続き、ギブソン フライングV(67仕様)のレストアをしてゆきます。今回は電装編。
現時点ではピックアップ交換はせず、POT交換と配線引き直し、コンデンサー交換によって様子を見ます。



〇Gibson Flying V(67仕様 2000年代製)のピックアップと配線


 この年代のモデルでは、ピックアップは496Rと500Tが搭載されている模様。セラミックマグネットを採用しており、ハイパワーなピックアップです。ハードロックに最適といった選択になっているようです。モデルの時代背景的にもマッチしていると思います。個人的にも67仕様のこのモデルにヴィンテージテイストなサウンドは求めていないので、一旦はこのまま楽しんでみようと思います。

 サウンドは、ハイパワーで、ボディーの特性も相まって、太い。とにかく太い。一方、ギラっとした鋭さがありません。
 中を開けてみますと……中の配線がしょぼい。このあたりは2000年ごろのフェンダーの方が良いように思いますね。
 コンデンサはセラミックの0.022μF。70年代のギブソンはセラミックを採用していたということで合っているとは思いますが、好みの問題で替えていきます。


〇配線のやり直し


 というわけで配線を引き直します。
 セオリー通りCTSの500K AカーブのPOTを3つ用意します。コンデンサはヒグチのオイルコンデンサDUTTCを選びました。容量は0.01μF。セオリーは0.022μです。意図としては、フロントがブーミーで、リアは太い点は魅力ですがキレもありませんでしたので、そこを補正するためです。

 前提として、一般的な数値だと、トーンゼロでもコンデンサとPOTはそれなりに音に影響を与えています。よって、より影響の小さくなる方向に数値を変えることで、より高音域が出るチューニングとなります。

 組み合わせる配線は、オヤイデで販売されている4N純銀0.5mm単線を使用しました。選択した理由はシャキッとした方向にしたかったから。あとは単純に興味。
 元の配線では、各POTのグランド(アース)は、ピックガードに貼られたアルミホイルとの接触に頼っている状態でした。配線するにあたって、グランドもきっちりと配線するようにしました。その方が、接触具合によってグランドの接続が悪くなったりすることも無いですし、グランドの接続がしっかりしている方がノイズ対策にも有効です。

 また、配線をシールドとなるアルミホイルに這わせるのがノイズ対策のセオリーとなっています。


〇再配線の結果


 とりあえず、一発で間違えなく配線が完了しました。音の方ですが、シャキッとキレが出るようになりました。顕著なのがフロントで、太さとキレが出ており、元々は「モーン」という感じだったのがアコースティックな感じが出るようになりました。コンデンサの容量を小さくしたのはかなり効いたようです。

 リアも力強く、ザクザク感があって、結構凶悪なサウンドも出ます。純銀線が悪い方向(音がきつくなりすぎる)になったりしないか?と心配でしたが、ピックアップやボディーとの相性が良かったのか、最終的に良いバランスになって良かったです。

まもなく完成です。次回に続く。