オーソドックス故に、定価で購入するのはやや躊躇うところがありますが、中古で安く手に入るなら候補に入れてみることをお勧めします。初めてのエフェクターとしても、メインの歪みの他にブースターとしても優秀で、長く使えることでしょう。
〇なぜ今更レビューするの?
大昔、もう15年近く前に購入した個体です。2007年頃発売の模様。実を言うと機材を整理するためにDistortionⅢを売ろうかな?と考え、売る前にレビューして書き残しておこうというのが今回のきっかけです。でも、結論から言うと売るのは辞めました。やっぱり好きだし、出来が良い。
改めて検討してみると使い勝手の良いオーバードライブ/ディストーションで良いです。中古市場では非常に安く流通しており、その価格なら買いだと感じました。
〇MXR Distortion Ⅲのサウンドレビュー
ミドルに寄って厚みのあるサウンドバランスに、鋭さのある歪みが加わる感じ。トーンがハイカットなのでトーンMAXでも破綻しません。むしろトーンMAXから削ってゆく方向で調整すべき。ゲインMAXでも破綻しない程度で、どんな設定でもうまく決まる調整がされています。トーンを絞り気味でもなかなか良いし、ローゲインもいけます。特に、ローゲインだと太さがありつつ歪みがオーバードライブよりも鋭い雰囲気で良いです。歪んだアンプに歪みを足す使い方もOK。ボリュームへの追従性は期待できないですね。このあたりもオーソドックス。
「TSだと低音域がさみしいがトーンを絞るともこもこするし、歪みの鋭さも欲しい」という要望があるならば良い回答になるかもしれません。
〇Distortion Ⅲの評価は?
かなり好きです。歪みの質が良くて、厚みがあってバランスが良く、どのセッティングでも使えるのはお勧めしやすい。
ただ、2023年現在で新品定価1.4万円程度。これは悩ましい。MXRがコスパが悪いのではなくて、こういう定番モデルを超えるように企画された各社のラインナップに勝つのが難しくなっているってことですね。Ⅲにはモード切替とかも無いですし、オーソドックス故に他に魅力的なペダルも見つかるという弱点もあります。
しかしですよ、中古市場に多くあり、しかも人気も低い。故に上手く買えば5000円台で買えます。これはDistortion+も同じことが言えます。そう考えるとすごくお買い得です。今どき、5000円だったら恥ずかしげもなくパクったペダルしか買えないですからね。それに比べてMXR Distortion Ⅲは、名門MXRのオリジナルモデルという安心感や嬉しさがあります。格好良いし。
以上、安く買えるなら買いです。エレキギター始めたのでエフェクター欲しい!となったら、中古でDistortionⅢは候補に入れてみてください。メインの歪みの役目が終わってもブースターやバッキング用の軽い歪みとか長く活躍してくれるはずです。
「売ろうかな」と思って弾いてみたら「売るの辞めよう」と何回も考えなおすMXR DistortionⅢ。もうちょっと評価が高くなってほしいなぁ。