音抜けの良さが素晴らしく、どの設定でも使える「万能性のある」使えるオーバードライブで気に入っています。
○Vin-Antique PPSE'79のざっくりインプレッション
基本はスタンダードなオーバードライブに分類され、歪みの質は音抜けが良くてカラッとした感じ。エッジは立っているが耳に痛いキツさはない。トーンとゲインの効き幅はそれなりに広いが、どんな設定でも使える万能さを持ち合わせている。
○Vin-Antique PPSE'79について
京都の小規模ハンドメイドエフェクターブランドです。初作のPPSEがいきなり注目されて、続くFUZZのUFO'84も注目されています。
PPSE'79はVer.2となって少し値上げしました(部品不足とかで値段上がってますから、これは仕方ない)が、11000円とコストパフォーマンスの高さも注目の理由です。
レビューの前に、自分は普通とはちょっと違う環境でチェックしていますので断っておきます。キャビシミュレータのAMT CN-1とヘッドホンでサウンドチェックしていますので、エフェクターのクセが分かりやすい環境です。なお、ギターはテレキャスターを使用しています。
ギタースピーカーであるキャビネットを模擬した音を出すキャビネットシミュレータのAMT エレクトロニクス CN-1 カメレオンCABを買いました。これをヘッドホンアンプとして使用しています。エフェクターの音の違いが分かりやすく、非常に便利です。
○PPSE'79のレビュー
操作はオーソドックスなオーバードライブの、ボリューム、トーン、ゲインの3ノブ。サウンドもオーバードライブの王道を基本としており、奇をてらわない安心感があります。
歪みの質は、エッジは立ちつつ刺さりもなく、スムース系とは違うカラッと乾いた印象です。レンジは広めで、低音はスカスカしない程度にちゃんと出ていて、高音もキレを出しつつ上手くカットして中音域の美味しい部分を持ち上げています。
特筆すべきは、どの設定でも「使える」サウンドであること。気に入っているのがトーンMINでゲインMAXの設定です。よくあるのはモコモコモーモー鳴るだけになりがちですが、PPSEはオーバードライブのキレを残しつつ、カッティングの時の厚みや迫力が出て良いです。デカいキャビネットの響きが出ているような印象です。ゲインを上げると高音域が持ち上がっているような印象もありますね。
さすがにトーンもゲインもMAXだとキンキンしますが、ギターやアンプの組み合わせ、後段のエフェクターによっては使える範囲かもしれません。
ゲインMINでクリーンブーストした際、トーン9時位置ぐらいでON-OFFの音の変化が小さいかな?と感じます。この辺りが味付けのキモでは?
レビューなんで細かいところに着目して書いていますが、単純にその時の気分でセッティングしてカッティング決めてアベフトシゴッコするのが楽しいです。音抜けの良さもさることながら、カッティングした時の迫力に繋がる「バゴッ」ってのが良いんですわ。
※マーシャル系の歪みとかそういう意味ではない
エフェクターはこれから買う初心者の人はこれから入れば、オーソドックスなODとして用途を変えつつ長く使えますし、いろいろと試してきた趣味人も満足できる仕上がりになっています。
最後に、2台並べて全く違う設定で使い分けたり、前段のPPSEでブーストしたり試してみたいと感じました。デザインもカワイイのが良いんだよな。