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2018/06/12

実検するおじさん

[コラム]学生時代にアルバイトをするべきか、否か?

普段はお買い物に関する内容を記事にするのがこのブログですが、今回は少し趣向を変えてアルバイトについて考えてみます。

お買い物とお金は切っても切れない関係がありますので、学生であれば、欲しい物のためにアルバイトをするということは容易に想像できます。

私も学生時代はアルバイトをしてきた身でして、振り返ってみれば、アルバイトで得られたものはお金以外にもいろいろあったな、と思うことが多いですし、こんなこともやっておけば良かったと思うこともあります。

そこで、経験者が語る、アルバイトをやっていて良かったことや、やっておけばよかったと思うことをまとめてみました。


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〇この記事を書いたきっかけ


 お買い物を考えるうえで避けられないのはお金の問題です。
 このブログの読者の中には学生の方もいらっしゃるかもしれませんが、学生の方がお金を得る方法は、親からの支援かアルバイトがほとんどです。アルバイトを考える中で、ブラックバイトのように、労働者側が不利益となる場合があり、学生の貴重な時間や労働力をそのような企業に安易に渡すべきではない、という論調があります。私もそれには賛同するのですが、そのような考えだけでアルバイトに批判的になるのはもったいない、と感じるところがあります。
 私は学生時代にアルバイトを続けていましたが、今思い返して、やっておいてよかったと思うことが多いです。そこで、自分の経験を通して、アルバイトで得られるものは何か?とか、このようにアルバイトと付き合った方が良いのでは?ということを書き残しておこうと思いました。

 ものすごい長文記事になりましたので、興味を持っていただけましたら腰を据えて読んでいただけますと幸いです。


〇アルバイトをするメリットとデメリット


 私が考える『アルバイトをすることで得られるメリット』を3つ挙げます。

・収入が得られる
・技能を習得できる
・社会勉強になる

 一方、私の考える『アルバイトによるデメリット』も挙げます。

・時間を消費する
・体力を消費する
・上記により学業への注力がそがれる


〇収入を得られるとは何かを深堀りする


 アルバイトをすれば収入が得られます。アルバイトによる収入を得た結果、その収入で欲しい物を買えたり、旅行などで別の経験を買うことに繋がります。お金をためて〇〇を買いたい、やりたい、ということは活力に繋がりますし、時間に余裕のあるうちにしかできないことのための収入というのは貴重です。このあたりはご理解いただけると思います。

 私は、大学院の学費をある程度自分で工面する必要があったので、貯金に回すことが多かったです。今考えれば、収入と支出をきちんと計算して、もう少し色々な経験や趣味のためにお金を使っても良かったかな?とも振り返ってみます。(親がお金に苦労した身なので、貯金せよというのが刷り込まれていたというのもあります)
 学校を卒業後に、収入のそこそこ良い職業に就職できるということが前提になってしまいますが、よほど収入の良いアルバイトか、相当な時間をアルバイトに費やさなければ、アルバイトで得られる収入は就職後に得られる収入よりも少ないです。よって、就職後に使うためのお金を学生時代に貯めるのはもったいないと、今になってみれば感じることが多いです。
 この辺りは、個人のおかれた状況が色々ありますので、各自でご判断願います。

 『収入を得られる=お金が得られる』だけではなく、『労働力(自分のしんどさ)と収入の関係』を肌で感じる、という意味でも有用だと考えます。アルバイトをしていなければ、親の支援だけで生活することになります。(←ほとんどの場合は、ですよ。) これは、親がどのように苦労して1万円を稼いでいるか分からずに、親から1万円札を渡されている、と言っても良いでしょう。
 アルバイトをしたからといって親の苦労が分かるわけではありませんが、少なくとも、労働がどのような物かをアルバイトによって知ることはできます。言い換えると、1万円札の重さを肌で感じることができるわけです。

 就職でもその感覚は得られるわけですが、個人的には『早い時期から叩き込まれておく』ことは有益なのでは?と考えています。

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〇技能を習得できることを深堀りする


 私はガソリンスタンドで大学入学後しばらくしてから就職まで5年ほどアルバイトをしていました。ガソリンスタンドでは、オイル交換などの作業は社員さんやフルタイムで働いているアルバイトの先輩にお願いしていましたので、主に、お客さんの誘導や洗車作業、店のメンテ、運営、お客さんへのアプローチなどを行っていました。
(実家の車や自分のバイクの作業は自分でやっていましたので、そのあたりの技能も当然得られました。そんな内容がこのブログにも活かされていたりします。)

 さて、そうやって業務を続けていますと、お客さんに対する応対のスキルや、多くのタスクを同時に処理するスキル、レジのシステムや顧客管理のような『世の中の店舗がどのように運営されているか?』に対する知識や、お客さんへのプレゼンテーションのスキルが学べました。

 自分でも、高校時代から比べて、アルバイトによって性格といいますか行動が大きく変わったように思います。言い換えると、就職後にも活かされる社会的なスキルを最も得たのはアルバイトだった、と考えています。


 これは、ガソリンスタンドでの車のメンテ技術のような分かりやすい内容だけではなくて、PR用のポップを分かりやすいように、とか、どのような話し方をすれば車の仕組みのような専門的な内容を分かってもらいやすいか?とか、もうすこし抽象度を上げて考えるのが良いと思います。


 当時は、アルバイトでの活動が自分にどのように影響するか?なんて考えていたわけではありませんでした。今にして思えば、もう少し考えながら取り組んでみても良かったのでは?とも考えています。

 ですので、漫然と仕事をするのではなくて、そのアルバイトを通して自分がどのように成長したいか?を考えながら取り組んでみてはいかがでしょうか?ということを提案します。


〇社会勉強になることを深堀りする


 先に挙げたスキルに加えて、社会の決まり事のようなものも覚えていくことができます。お店の収支(締め時にお金)があっていないと困る理由とか、領収書の重要度とか、カード支払いの仕組みとか、レジシステムがどのようにお店に影響しているのか?などの知識のことです。このような内容がある程度分かっていれば、就職後にもやってはいけないこと、をぼんやりとでも知ることができますので、有益だと思います。


 また、店側の立場、を知ることも可能でしょう。お店を運営する上で利益を上げることは重要ですので、自分たちの利益につながることをお客さんに提案するのは当然のことです。一方で、車の安全にかかわる部分で『ここは直しておかないと危ない!』という点を提案することもあります。

 この辺りを提案する側として経験することで、お店側からの提案が『利益のための提案』が主なのか、『お客側の利益(不利益の回避)のための提案』が主なのか、がある程度分かったりします。

 ガソリンスタンドでアルバイトをしていると、明らかにヤバい、いつバーストしてもおかしくないようなタイヤを見かけることがありました。このようなお客さんに対して『これはヤバいです』と言っても、どうせお金を巻き上げるために言っているのだろう、というように冷たくあしらわれることがありました。
  業種にもよりますが、『お客さんの不利益の回避のための提案を通じて、店側も利益を得る』というのが、顧客満足度にもつながりますので重視されているように思いますので、このあたりを肌で感じることは、それ以後に価値があるのではないか?と思います。


 これに加えて、その業界で働く人々や、社会人のお金事情などは、現在の自分の価値観に大きく影響を与えているように思います。
 私が働いていたガソリンスタンドの系列の社員さんは、正直なところ、休みが少なくて自由も効かず、拘束時間も長くて体力的にも厳しく、ノルマもきつい上に給料も少ない、と厳しい環境にあったと思っています。

 ものすごく失礼なことを言えば(いや、実際社員さん本人から言われたことですが)世の中にはそのような厳しい環境にある人の世界を見ることで、今後、どのように職業を選択してゆくべきか、という観点を得ることができます。
 これは、もう少し言い方を変えれば、相手の置かれた状況を考える視点を得ると言い換えることもでき、就職後の自分の環境が、どのような点で恵まれているかを考えることにもつながっていますし、相手のことをおもんばかることにもつながります。(自分で書いていて、上から目線っぽく感じますが、少なくとも、頑張っているガソリンスタンド店員に辛く当たるようなことはしたくないと自分は思っていますので、それだけでも良いことなのでは?と思います。)

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〇デメリットから考えるアルバイトとの付き合い方


 アルバイトにより、時間と体力の消費は避けられません。逆に言えば、その2つを企業に売ることで収入を得ている訳です。この視点は重要です。

 ここで重要なのは『自分を高く見積もること』です。学生時代の自分の時間は貴重です。それを安く買い叩こうとする企業とは付き合わない方が良いです。これは断言できます。体力も同様です。非常に厳しい仕事でも対価が安いのであれば避けた方が良いと思います。

 学生の本分は学業、というのは良く言われることですが、アルバイトで得られることも多い、という視点を持っている私でさえ『アルバイトによって留年する』ことだけは避けるべきだと断言します。学費は非常に高額です。お金を得るために留年して学費が増えるというのは全くもって矛盾しています。また、就職活動においても留年はマイナスイメージですし、留年により1年損したことによる就職後に得られる生涯年収のダウンは想像以上に大きいです。このことは意識すべきです。
 自分の時間や体力をマネージメントして、高負荷でアルバイトと学業を両立させる、という自己研鑽もありといえばありですが、それが難しいのであれば、最低限、学業に時間と体力を回すようにした方が良いと考えます。


 逆に、留年してでも大きなバックが得られると考えた、積極的な時間の投資による留年はアリなのでは?とも考えます。具体例は難しいですが、得難い資格を取るためとか、事業を興すとか、そんなイメージです。



 学業を優先すべきという観点から見ますと、例えば、大学での授業は、就職してから思い返せば非常に有益なものも多かったと感じます。特に一般教養とか語学とか、必修以外の専門科目とかですね。必修の内容も重要だったなと思って後から勉強する羽目になっていますが(苦笑)、一般教養などはもう少し深堀しても良かったのでは?と思っています。

 というのも、工業系では必修にならないであろう心理学なども(総合大学であれば)一般教養にあります。心理学などは心理学を専門とする教員が担当しますので、授業では広く浅い内容しか扱われませんが、もう少して突っ込んでみればもっと得られるものがあったのでは?などと今になって思えば感じます。
 かのスティーブジョブズも、大学でタイポグラフィーの授業にもぐりこんで学んだことが、後のマックの美しい表示に繋がったと言っています。このように、積極的に学ぼうとすれば機会が得られるのが大学ですので、高い意欲を持つ必要がありますが、少なくとも時間と体力をアルバイトで使い切るというのももったいない、とも考えることができます。


〇私の考えるおすすめのアルバイトとの付き合い方


 まず、アルバイトを選ぶ際のことを考えてみましょう。

 自分の趣味に関連する業界、例えば、自動車が好きでディーラーとか整備工、時計が好きなら販売店、洋服が好きならアパレル系等、昔から憧れていた業界に就職してみて、その業界の裏事情に幻滅して数年のうちに辞めてしまった、という話は多くあります。
 ここで自分の趣味に関する業界を仕事にすべきではない、と言いたいのではありません。『進みたい業界の表と裏を少しでも知った上で職業として選択することは良いことだ』ということを言いたいのです。
 業界の裏側は、そこに入ってみるしかありませんし、アルバイトでは本当の裏側まで見えるとは限りませんが、垣間見ることはもしかしたら出来るかもしれません。ですので、可能であれば、自分の進みたい業界に関連する分野をアルバイトで選択するのはひとつの選択だと思います。


 また、その業界に関連する職業を知ることにもつながります。車であれば自動車会社で開発に携わる、というのが花形の職業と言えるかと思います。しかし、そこに入ることができるのはごくわずかです。なので『自動車産業に入って開発をしたい』とだけ考えていると、就職活動にて視野が狭まってしまう可能性があります。
 そこで、アルバイトなどで、その業界がどのような職業の集まりによって支えられているかを知ることは有益だと思います。なかなか、そのような知見を得ることは難しいのですが、そのような視点でアルバイトを探すことは有益ではないか?と考えます。


 将来自分の進みたい業界とは関係しない分野を選ぶのも良い点があります。私は料理が好きなのですが、工業系の大学に進んでいて、職業も理系分野に進みたいと考えていましたので、飲食関連は就職後は関わることができないことが容易に予想できました。そこで、学生のうちに体験しておいて、ひとつの満足感を得るということは選択肢としてアリだったのでは?と今になれば思います。



 次に、アルバイトに割くリソースを考えましょう。

 なかなか難しいとは思いますが、そのアルバイトで何を得たいかや、リソース(時間と体力)と得られるもののバランスを考えるのは重要です。
 何度か書いているように、給料が低すぎるアルバイトや、体力的に厳しすぎるアルバイトは、一種の経験としては良いかもしれませんが、それを続けて疲弊するのは良くないでしょう。ですので、自分がバイト先に与えているリソースと得られている物が釣り合っているかは意識した方が良いです。


 ひとつのアルバイトを続けることでスキルを高めたり、より深く仕事と付き合えるようになることはひとつのメリットですし、そこに慣れることで融通が効いたり体力的に楽になるなどのメリットもあります。しかし、時間は有限です。
 ですので、ある程度得られるものが得られたら、思い切ってアルバイトを変えることも視野に入れてみてはどうでしょうか? 私はひとつのアルバイトを続けて、最終的には大学の研究室での活動が忙しい中、月に数回のシフトでも雇ってくれていたアルバイト先に感謝していますが、もう少し別のアルバイトも経験して、いろいろ経験の幅を増やしても良かったのでは?とも感じています。
 ところ変われば常識も変わりますので、色々と見て回ることはその後に有益だと思います。そのバイト先が気に入っていても、いつまで続けるか?は自分に問うておいた方が良かったと今になって感じています。


 もっと踏み込んで、アルバイトで得られることよりも、もっと大きなものが得られる見込みがあるならば、アルバイトに見切りをつけてそちらに飛び込むのも重要です。例えば留学とか、起業とか、創作活動です。
 ノンリスクとは言いませんが、学生時代の方が就職後に取り組むよりも低いリスクで留学・起業(副業)・創作活動、当然学業に取り組むことができます。そういう、やりたいことややるべきことが見えているのであれば、一刻も早くそちらに軸足を移した方が良いです。

 何度も言いますが、リソースは有限です。投入するリソースに対してバックを最大化できるように取り組む意識を持つことは重要です。

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〇最後に


 長々と偉そうなことを書き連ねましたが、私もこんな意識高くアルバイトを続けていたわけではありません。(苦笑) どちらかというと、スタッフやお客さんに喜んでほしいとか、自分がやっていて楽しい、とかそんな意識でやっていました。PC操作を普通にできました(他のスタッフは苦手だった)ので、販促用や注意喚起のPOPも作って『こんなPOPはどうか?』と提案したりもしましたが、これもスタッフに喜んでもらったり、トラブル回避で自分が楽するための物でした。
 というわけで、今になって思えば活きているなぁという内容を、より積極的に行ったら?という仮定や、こうやっておけば良かったなぁという反省をまとめたのが今回の記事です。

 以上の内容が真実だ!などと言うつもりはありませんが、少なくとも私は『あの時やっておいたことは無駄ではなかった』とか『あれをやっておけばよかった』と思うことが多いので記事にした次第です。
 

 大学生になって、これからアルバイトを始めようというような人に『ふ~ん、そういうこともあるんだねぇ』という程度でもお役に立てれば幸いです。


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